隈研吾, 清野由美
集英社、2008年、238ページ
ISBN=408720426X
[インタヴュー]
表参道の景観の場合 今村創平──ここ数年のことですが、表参道ヒルズや六本木ヒルズ、あるいは汐サイトなどができたことに代表されるように、東京各所の風景が変わってきているようです。また昨年、景観法が施行されましたが、今日はそうした都市の景観をめぐるさまざまな動きについて、建築家隈研吾さんのお考えを伺いたいと思います。 例え...
『10+1』 No.43 (都市景観スタディ──いまなにが問題なのか?) | pp.82-93
[対談]
隈——建築への関心がそれまでの内部から「お外」へと志向し始めたのは九○年代の最初の頃だったでしょうか。地面でゴロゴロする若者、いわゆる「ジベタリアン」が増えてきた頃ですね。さらに、歩道や電車の中、人前で平気で御飯を食べられるようになるなど、都市のインテリア化が顕在化してきた。僕にとってそれらは、八○年代の建築に対する一...
『10+1』 No.34 (街路) | pp.64-78
[対談]
集合住宅という思想 大野秀敏──集合住宅というのは、モダニズム建築の二面性を象徴的に表わしている特別なビルディング・タイプだと思います。モダニズムの二面性というのはひとつは個人のアーティストとしての建築家という概念と、それと全く相反する貧者のための社会制度としての住宅供給という概念です。集合住宅はそういう意味では作家性...
『10+1』 No.26 (都市集住スタディ) | pp.54-65
[論考]
郊外住宅の周辺から 芹沢──僕は現在茨城県の牛久に住んでいますが、今度別のところに住もうと思っているんです。三人の子供のうち二人が家を出たものですから、なるべく自分の生まれた所に近づきたいと漠然と考えて家探しをしています。でもこれがうまくいかないんですね。 引っ越しを考えている理由としては子供が家を出たからという他に、...
『10+1』 No.05 (住居の現在形) | pp.40-55
[鼎談]
建築と書物の親和性 永江朗──「建築家はどのように書物と関わるのか」というのがこの鼎談のテーマです。最初に素朴な感想をもうしますと、芸術家のなかで建築家ほど書物と親和性の高い人々はいないのではないか。これはちょっと異様なことだと思います。もちろん文芸は別ですが。ただ、建築家が書いた本があまりにも多いので、われわれはその...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.54-70