買って良かったOura Ring

この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

背景

観測したい

自身のコンディションがどんなものなのか、きちんと観測する術を持つことは楽しく健やかな人生を長く送るのに欠かせないだろうという予想があり、また肉体を酷使する活動や判断を誤ると自他に危険をもたらす活動 (e.g. 自転車や自動車の運転) をするにあたっては努力義務でもあるという意識を持っている。

というお堅い話は嘘ではないが、単に自分のいろいろな指標が見れるとおもしろいやんという気持ちがある。

なので以下のような指標を継続的に収集したい:

  • 肉体の疲労度のような、様々な指標を総合しざっくりと傾向を把握するための抽象的な指標
  • 睡眠の質を評価する指標
  • 心拍数とその変動

手首に何かを付け続けるのは無理

最も身近なチョイスはスマートウォッチやアクティビティトラッカーと呼ばれる腕時計様の端末で、身に付けた手首からメトリクスを収集させる。

耐久性や金額の多寡やデザイン、メトリクスの精度や多様さなどでとても幅広いが 必ず手首に身に付ける という特徴を備えている。

当たり前だろと思われるかもしれないが、実際に手首に身につけてみると大小様々な不都合が生じる。

まず単純に手首に何かを巻くとシャツやジャケットの袖と干渉する。 袖から風雨の侵入を防ごうと袖を絞ったアウターや手袋を身につけるとごわごわして袖を通しにくかったり、隙間が生じて風雨や寒気が入りこむ。

次に衛生を保つために細やかなケアが求められる。

ラバー製のバンドが一般的だがこれは汗で蒸れる。真夏はもちろんちょっと運動して軽く汗ばむ程度でも手首だけめちゃくちゃ不快になる。 これは夏に顕著だが真冬であっても僅かでも発汗を伴うようなシーンではストレスになる。

たとえば冷えた屋外から熱の篭る地下鉄に乗ると代謝が働いて少し体が温まる。普段、こういったシーンで発汗を自覚することは少ないが、ラバーバンドは特に蒸れやすいのでことに気になる。

さらに就寝時は外気温によらず発汗を伴うので、ひどいと手首の違和感で目が覚めることもある。

ではラバーではなく金属やナイロン・布のバンドにすれば解決するのではないかというと、いくつかの問題がある。

まず金属であれば製品の素材や加工によっては金属アレルギーを誘発するおそれがある。 不織布は水に濡れると乾きにくいので、お手洗いに立ちそのままうっかり手を洗って濡れるとたいへんめんどうなことになる。

以上のような体験により、就寝時含めて常時着用するには腕時計型のデバイスは自分に向いていないと判断した。

Oura Ringの特徴

指輪型のデバイスで液晶などはなくペアリングしたスマフォアプリにメトリクスを同期して使う。

電池持ちも世にあるレビューで指摘されている通りで公称より落ちる程度。

自分は風呂に入る際は外すので、その時に充電するようにしている。 バッテリ残量が下がってくるとアプリで通知されるし、充電器は専用の台座にUSB Cケーブルを挿すものなので、長期旅行で持ち歩いてもかさばらないのは良いとろ。

良かったところ

だいたい事前にわかっていたこと通りというかんじで、手首に付け続けるよりはるかに快適。

また夏の終わりから真冬にかけて使ってみて、汗をかく時期でも乾燥して冷える時期でも快適に付け続けられることがわかって安心している。

自分は左手中指に付けているものの、右手中指もほぼ同じサイズなのでギターを弾く時は右手につけかえたりといったことが気軽にできる。

心拍数など各種指標の精度については不満はない。特段優れているといったことは比較していない。今もFitbit Charge 5があるので比較できそうではあるものの、よっぽど悪かったからといって今更戻る気はないのでしていない。

値段といえば少し前から過去のデータを遡ったりすべての指標を見るにはOura Ringの有料サービスに加入しないといけなくなった。これは実質的な値上げともとれる。

またアプリのおもしろい機能として、タイムラインにタグを付けられる。自分はコーヒーを飲んだタイミングを記録するようにしてみており、このタグを使って日時を検索できるので、カフェイン摂取によって睡眠スコアがどう変動するかなどが比較できて便利。

微妙なところ

まず事前に理解した上でそれでも気になった点としては価格。スマートウォッチなどと比べて機能は劣るがかなり高い点は誰にでも薦めづらいところではある。

自分は指につけるだけでよいという点を評価したので納得しているものの、とはいえ絶対的に高くはあると思う。

また、これも当然といえば当然なのだけれど、慣れるまでは金属製のOura Ringと他のものを接触させてしまうことがある。

チランブラッシュ加工のモデルなので傷が目立ちにくく、また大抵のものに負けることはなさそうなのでOura Ring自体が傷つくことはそんなに心配していない。 どちらかといえばぶつけた他のものに傷が入らないかを気にしてしまう。

車のドアを開閉する時はドアノブであったり縁を持つのだけれど、その時に触れてしまうことがあった。 さすがに思い切りぶつけたり擦ったりしなければ傷にはならないだろうが、無自覚な手の動きを気にするというのは難しいもので、今でも開閉する際に気を遣う。

また洗車時には外している。

他の候補

スマートリング

SOXAI

Oura Ringとほぼ同等の機能を持っている。

しかしネットのレビューとか報告を見ると製品それ自体も配送などのカスタマーサポートも微妙そうな評価が散見され、そんなに冒険したいガジェットでもないしなあと思い見送った。

Oura Ringよりだいぶ安いので自分の用途にフィットしたらお得ではあると思う。

Galaxy Ring

Samsungが発表したスマートリング。これもOura Ringと近い性能で気になっていたものの、購入時点およびこれを書いている時点で日本発売予定がないので早々に脱落。

過去に使ったことのあるスマートウォッチ・アクティビティトラッカー

Withings Steel HR

アナログ時針とごく小さい液晶ディスプレイを組み合わせたハイブリッド型のスマートウォッチ。

そんなに不満はなかったけど、バッテリがへたってきたのかどんどん時計がずれるようになってきたので下記のGARMINに移行した。

指標の精度については評価保留。

GARMIN vivomove3

Body Batteryの評判が良かったので買った。実際に体感に沿っているし、細かく変動していて解像度が高そうに思える。

これもいわゆるハイブリッド型で、アナログの針と液晶がついている。

Withingsとの大きな違いとしてSuica (FeliCa) がついている。

スマフォがFeliCaを搭載していなくとも電車に乗れるのは良いものの、日本の改札機は普通右側にあり、右利きの自分は左手に時計をつけるので無理ではないが毎回ぐっと左手を突き出さないといけなくて不恰好なのは間違いない。

そんなかんじでおおむね満足していたものの、ある日、ディスプレイがつかなくなって修理依頼しようとしたら交換対応のみと言われた。

しかも運の悪いことにペアリングを切ってしまった結果、新たにペアリングできなくなりSuicaの払い戻しもできなくなった。 ペアリングする際に端末のディスプレイに表示される6桁の数字をスマフォに入力する必要があり詰んだ。

そういうわけで使えなくなってしまった。

Fitbit Charge 5

これもSuicaがついている。

上記2つは時計型なのでバンドはサイズさえ合えば一般のバンドに好感できるがFitbitはトラッカーで専用のアタッチメントなのでサードパーティ製品の選択肢が少ないのはネック。

かつFitbit (Google) 公式のバンドは4000円とかしてかなり良い商売をしている。 なのでラバー以外のバンドに交換することをためらったのが今回Oura Ring購入に踏み切ったきっかけ。

軽いし安いしSuicaが付いていてまあまあよかった。

風呂に入る時にもつけっぱなしにしていたら2年くらい立ってタッチスクリーンの反応が悪くなってきたり、手首を返してディスプレイをオンにする機能が動かなくなってきたなどのマイナーな不調はあるものの基本的な機能は問題なく使えている。

結論

  • 自身の肉体状態を観察したい人にとってOura Ringはおすすめだが、手放しで最良とは評価しがたい
  • 特にスマートウォッチ・アクティビティトラッカーをつけっぱなしにすることが難しい人にはおすすめ
  • フィッティングは時間をかけたほうがよい
    • 結婚指輪やファッションリングとはサイズ感が違うので、過去に計測してサイズを知っているよという場合であってもOura Ringのサイジングキットを試すのがおすすめ