僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

もっとすごい科学で守ります!

もっとすごい科学で守ります

著:長谷川裕一
刊:NHK出版
2000å¹´
☆☆☆★

 

すごかがシリーズ第2弾。

前作はスーパー戦隊シリーズの「バトルフィーバーJ」から刊行の1998年の現行作品「メガレンジャー」までをメカ中心に一つのスーパー戦隊ユニバースとして繋げて考える、というコンセプトでしたが、今回は更に要望の多かった「仮面ライダー」シリーズ「宇宙刑事」シリーズまでを同じ世界と仮定してしまうという、もっと無茶ぶりに応える内容。

 

そもそも何故前作がスーパー戦隊シリーズ1作目の「ゴレンジャー」からではなくシリーズ3作目の「バトルフィーバー」からなのか。特オタなら0.1ミリ秒で答えられる常識問題ですが、一応詳しくない人の為にも説明しておきましょう。

1作目「秘密戦隊ゴレンジャー」2作目「ジャッカー電撃隊」は原作:石ノ森章太郎というクレジットが入る。3作目のバトルフィーバーからは原作:八手三郎という東映の名義によるオリジナル作となる。そんなんもあって、今でこそゴレン・ジャッカーも戦隊シリーズに含まれるものの、昔はそこを除いたカウントだったりした時期もある。

 

で、本作中では「ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー」の作中内での付言がある為と説明されてるものの、それだけでなく児童誌の特写とかではその辺や「仮面ライダー」「人造人間キカイダー」と言った石ノ森ヒーローは競演して世界観が共通しているという状況にあった。

 

ゴレンジャーから始めてしまうと、ライダーの世界観も繋がっていないとおかしいというツッコミが入るのを知っていたからこそ、前作はあえて「スーパー戦隊」のみという枠組みでやってたわけですが、要望もあっての第2弾。じゃあ今回はそこも突っ込むぞ、という形でのゴレン・ジャッカーも含め、初代「仮面ライダー」から「ブラックRX」までの昭和ライダー全作(平成ライダーの「クウガ」はこの本の翌年スタート)「人造人間キカイダー」「ロボット刑事」「星雲仮面マシンマン」「兄弟拳バイクロッサー」までを網羅。(あれ?イナズマンは何故に?)

 

そして戦隊は前回は放送中につき半端だった「メガレンジャー」の続きから「ギンガマン」「ゴーゴーファイブ」まで。前回はスーパーロボット解説がメインでしたが、今回はライダーも含む為戦隊の強化スーツに関しての考察も含む。

 

そして!長谷川先生的には整合性を考えると別枠にしたかった宇宙刑事3部作(ギャバン・シャリバン・シャイダー)までを含む。因みに以降のメタルヒーロー枠は次の3冊目でやってます。

 

戦隊ロボは2号ロボ、3号ロボ、サポートロボとどんどん増えるのに、ヒーローはせいぜい増えても一人。この事を考えても、実はロボよりも変身スーツの方がロボよりもコストが高いものなのでしょう、と言ってる辺りが実に長谷川節で楽しい。

 

あの巨大なロボよりコストがかかってると考えると、なんか凄くありがたみが増しますね。そしてそのゴレンジャーの強化スーツ開発は勿論、仮面ライダー達の協力があっての上。改造人間であるライダーと違い、戦隊は基本は生身その上で変身して特殊スーツを装備。しかし2作目の「ジャッカー」に関してはサイボーグ強化という設定。この辺りはまだ初期のプロトタイプの段階なので、色々と試行錯誤している状態。そして勿論、ビッグワンこと番場壮吉は偽名であり、V3風見志郎本人であるのだと。うんうん、ですよねぇ~。きっと後のレスキューポリスにも繋がるのでしょう。

 

仮面ライダーの方も初代ではなく「BLACK」を世界観の起源とし、初代のバッタモチーフも世紀王の再現だったと系譜付けたり、ギギの腕輪ガガの腕輪はキングストーンの月と太陽だったのではと仮説する。いや面白いですねぇ。

 

ジュウレンジャー以降増えたファンタジー系戦隊に苦労しつつ、ギンガマンの星獣と、「ギャバン」の電子星獣ドルを結びつけたり、「マシンマン」「バイクロッサー」の技術はどう考えても銀河広域クル文化圏(何故か何でも車型にしてしまう文化)に他ならないという説得力のありすぎる流れ。

 

そして最大の難産だったという「シャイダー」はあのシューティングフォーメーションがネックだそうで、そりゃあただの巨大砲ならともかく、トリガーをひいて発射するという、誰の為の銃だよこれって感じですよね。ゲームの「ガンフロンティア」みたいに、何でも銃の形にしてしまう文化圏をまたでっちあげるかと思いきや、不思議界と対になる世界があるのではと頭を捻ってトンデモ理論を振りかざす。

 


いやそれは流石に無理があるだろうと言うのは簡単ですよね。
長谷川先生はあとがきでこんな事を言ってます。

 

空を飛ぶ鳥を見て「人間も空を飛べたらなあ」と思うひとがいなかったら、飛行機は生まれなかったでしょう。「そんなことはできないよ」という前に、「どうすれば、それができるだろう」と考えること

 

そうですよね。思考の基礎は「仮定」です。まず仮説を立ててみて、そこにいかに説得力のある論理や理屈、ロジックを立てて説明出来るか。ブログ書くのだって実は同じです。僕はこう思う、何故ならはこういう理屈だから、このシーンが、このセリフがそれを裏付けするエビデンスですよ、という構築ですよね。

 

それこそ柳田理科雄の空想科学読本みたいに、ここがおかしいと突っ込むのも一つの科学ですが、じゃあこの不思議な描写をどうにか都合良く解釈出来ないだろうか?と仮説を立てて考えるのも、決して無駄な事だとは思いたくない。

 

という事で3部作最終章、次へ続く。
1冊目読んでから探しましたが、2冊目3冊目、難なく入手出来ました。

 

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ラジオCD ぼんぼりラジオ 花いろ放送局 Vol.2

ラジオCD「ぼんぼりラジオ 花いろ放送局」Vol.2

花咲くいろは ぼんぼりラジオ 花いろ放送局 Vol.2
発売:株式会社響
販売:ダブリエ・コミュニケーションズ 音泉
2011å¹´
☆☆☆☆

聴けばあなたも輝ける!究極のまったり癒し系ラジオ
伊藤かな恵、能登麻美子、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥がお送りする「花咲くいろは」まったりラジオ第2弾!

 

キャララジオ
「ぼんぼりラジオ 花いろ観光局」(ドラマCD)と
ラジオ本放送#10から#18までと
ガンガンONLINE別館の方の#1と2を収録。

別館は5分くらいのおまけラジオ?
そっちは伊藤かな恵&能登麻美子の二人しゃべり。

 

能登さん演じる輪島巴は仲居頭なので他のレギュラーキャラと違って学生じゃなく普通に大人。主役回とかはあるにはあったけど、基本的にサブキャラなので、その割にラジオはメインパーソナリティーとかやらされてて大変だなって半面、劇中と同じ出身で方言指導とかもやってたし、実年齢も他のレギュラーより少し上なのかな?お姉さんとして結構みんな頼ってるのがラジオの様子からも伺えてそういうとこが面白い。

 

逆に小見川千明は役の民子と同じで塩対応するタイプで、そういう本人の気質みたいなのも見越してのキャスティングなんだなと思えて微笑ましい。いや本人的には塩対応なんかしてないよ!って絶対言うと思うんですけど、豊崎さんとか戸松ちゃんが割と器用に気をきかせられるタイプなので、おみんちゅさんの「へぇ~そうなんだ~」みたいに流して終わりな感じの落差が凄い。

 

そして前回はドラマパートのとこだけにゲストで出てた梶裕貴がラジオ本放送の方にも1度だけゲスト出演。本人も言ってるけど、リスナーは女性声優の声を聴きたいはずなのに男がゲストでいいのこれ?とは思うよな。まあ1回くらいなら作品の話をすれば良いみたいなので流せますが、今は人気声優になった梶裕貴もまだ「進撃の巨人」前だしこの頃は若手では売れてる方くらいのポジションのはず。

 

あとラジオ内で、天パなので梅雨の時期は髪が爆発して困るみたいな、よくある話してますが、基本的に私もストレートな髪のキャラが好きで、パーマとかウェーブかかったタイプのキャラを好きになる事ってほとんど無いんですけど、緒花ちゃんは可愛くって好きです。

ガシャポンフィギュアのアクシューターズってシリーズにもウェーブ髪の子が一人居てね、あれこの子は緒花ちゃんと似て無い?と思って結構お気に入りです。

右の子、緒花ちゃんぽくないですか?

 

と、全然関係無い話をして次が3枚目で最後です。

 

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グリッドマンユニバース2

脚本:雨宮哲
グリッドマンユニバースAmazon.co.jp限定特典
ドラマCD 2024年
☆☆☆★

TSUBURAYA
グリッドマン ユニバース
GRIDMAN UNIVERSE
雨宮哲書き下ろしドラマCD
「グリッドマン ユニバース2」

 

映画「グリッドマンユニバース」のDVD/BDの特典CD。
宮城・福島・新潟と、ブックマーケット系じゃないタイプの本家の駿河屋が去年くらいに一気にオープンして、こういう特典系のおまけCDみたいな奴もちょこちょこ買えたのは嬉しい所。ブックオフとかじゃあんまり買えないですもんねこういうの。いやネットに頼れば買えないものなんかそうそう無いんだけど、やはり実店舗を漁る楽しみは捨てがたい。

 

しかし、たかが特典CDなんかでパート2なんてのを安易にやって良いものなのか?とちょっと思ったけど、実際にCDを聴いてるとなるほど。作り手側は映画できっちりやりきったんだから、ヒットしたからといって安易な2をやる気は無いよ、という感じなんですね。

 

ドラマCD内では裕太がグリッドマンユニバースの演劇がヒットしたんだから、第2弾やろうよって皆(内海・六花・蓬・夢芽)に呼びかけるんだけど、誰一人乗り気じゃないという話。

オタクの内海ですら、世の中幸せな続編ばっかじゃないんだぞ、望まれて作ったはずなのに、これなら無い方が良かったと思われる続編企画がいくつもあるんだぞと、特撮オタクならではの視点。

 

ドラマ内でも女子チームがニチアサとウルトラの差がわかってないように、私もウルトラの方は門外漢なのでわかんないんですけど、特撮界隈ではウルトラが先駆けてマルチバース設定を扱ってて、そこに関しての評判はどうなのか私は知りませんが、マーベルの停滞、DC映画終了、みたいなのも含めてもうマルチバースは飽きたよ、みたいな空気が漂ってる感じはしますね。

つーかグリッドマンユニバース公開の時点でそういう空気はもうあった気はするけど、作品の出来の良さでそういう空気は吹っ飛ばしてしまった印象。

 

そもそものアニメ版グリッドマンの元ネタがコミック版トランスフォーマーなので、雨宮監督的には世間でマルチバース流行ってるからとかではなく、アメコミ読みにとっては流行り廃りでは無くマルチバースなんて基本設定でしかないので、多分そこはあんまり気にして無い。

 

逆に綺麗に終わったものに無理矢理後付けでこねくりまわしていく、というのも日常茶飯事なんでしょうけど、映画が綺麗にまとまったので、本人的には2を作るつもりもないので、こういうおまけであえて「2」のタイトルを使ってしまえという感じかなと。

 

そんなのもあって、あくまで特典のおまけレベルの話。外伝とかサブエピソードとか言うまでもない、内輪ネタに終始。

 

まあそれはそれで全然良いし、おまけとしては楽しめましたが、そもそも今の人CDプレイヤーなんかもってねぇよ、って言われるとうわ確かに。若い人はきっとそうだよなってジェネレーションギャップを感じてしまいますね。(少なくとも円盤買う人が再生機器無いなんて事は無いわけですが)

 

あとグリッドマン特有のボソボソしゃべり。アニメ的な演技じゃ無く普段の会話みたいな喋り方をアニメではやってたわけですが、絵の無いこういうボイスドラマでそれをされると、ますますそれが際立って、すんごい変な感覚です。

確かキャラCDか何かでもミニドラマやってたはずだけど、私はそっちは聴いて無かったので、今回のドラマCDで、うわっ!と思ってしまった。

俳優やタレントがやる素人っぽい喋り方ではなく、技術のあるプロの声優がリアル演技というかリアルな喋り方をするとこうなるのか!ってのがある意味面白いです。

 

10年後とかに情報が薄くなって、ドラマCDだけど「2」もあるらしいよ?映画面白かったしせっかくならそっちの2も聴いてみたい!みたいに思って検索でここに辿りついたあなた。ぶっちゃけ大した内容じゃないので、無理に探す必要は無いと思います。

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悪魔のいけにえ

悪魔のいけにえ 公開40周年記念版(価格改定) [Blu-ray]

原題:The Texas Chain Saw Massacre
監督・製作・脚本:トビー・フーパー
脚本:キム・ヘンケル
アメリカ映画 
1974å¹´
☆☆☆☆

後のスラッシャー映画の原点であり、ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」と共にニューヨーク近代美術館にマスターテープが永久保存もされたという、映画史においても特別な価値を持つ特別な作品。

 

何とyoutubeで2週間限定無料公開されてました。私はDVD持ってるんですけど、そこには入って無い日本語吹き替え版だったので、あれ?ちょっと珍しいと思って、ついつい見てしまいました。映画そのものは当然初見ではないけど、日本語吹き替え版としては初見です。

 

ギャーギャー悲鳴がクッソうるさい映画なんですけど、吹き替え版だとあれどうなってるんだろう?と思ったら、これ悲鳴部分は原語音声生かしてません?声質は似てるからそんなに違和感は無いけど、若干の違いはあるような?それとも実際は悲鳴もちゃんと日本語吹き替え声優の声でしょうか?それだったらそれはそれで凄い。

 

リマスターだからなのか、それともPCの画面で見るからなのか、映像が割とクリアに見える。「悪魔のいけにえ」を語る時はとにかくザラザラした画質(低予算映画なので、実際に一般的なフィルムよりは1ランク下のフィルムを使ってる為)が、よりドキュメンタリー感を演出していると言われますが、今回はその辺りは逆に感じにくかったかな?展開も知ってますし初見では無いのもあるかもしれません。

 

当然リアルタイムではこの作品は見ていなくて、映画にハマった流れで、過去の有名な作品もどんどん見ていこうみたいな個人の企画で見た1本。多分まだVHSだった気がします。となれば尚更画質は低かったし、流石にモキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)として見たわけではないけれど、実在の事件をベースにしたみたいな背景も相まって、ああ、とんでもないものをこれは見たぞ、感がありました。

 

それと同時にね、もう映画にはハマってた時期に見たものなので、ただの怖いもの見たさ、ホラー映画を怖かったか怖くなかったかなんていう単純な視点では判断しなくなってた時期に見た作品ですので、この映画が伝説になってる所はどこなんだろうっていう視点は持ったうえで見てました。

 

歴史的にはスラッシャー物。ジェイソンで有名な「13日の金曜日」は1980年が1作目で有名なホッケーマスクは2作目からだったりしますし、ジャンルとしてはこの「悪魔のいけにえ」が元祖的なもの。正確に調べていけば多分、これ以前にも多少似たような要素を含んだものは多分あるでしょうけども。

 

田舎町の孤立した場所で、若い数人のグループが恐ろしい殺人鬼とかモンスターみたいなものに襲われるというフォーマットの基礎がこの作品と言われている。勿論!イチャイチャしたバカップルが最初の犠牲者になったりする定番要素含む。

 

ただ、後の後継作品と比べると、意外なほどにストレートなグロシーンは少ない。雰囲気や想像力で怖さを演出している。予算うんぬんも勿論あるんでしょうけど、逆にその見せない感じ、小出しにする感じが異常な怖さをより倍増させてるんだと思う。初見の時は震えあがったよなぁという記憶で見るから、再見した時の、あれ?意外とこんなもんだっけ?にむしろ驚かされる。

 

因みにね、映画とは直接は関係無いんだけど、90年代のインディーズプロレス団体にこのキャラを引用(多分あれ非公認だったよね?)したレザーフェイスっていうそのままの怪奇派レスラーが居て、入場時のパフォーマンスで実際にチェーンソー振りまわして入場してくるから、あのモーター音にマジで恐怖しました。事故とかは聞いた事無いし、あくまでパフォーマンスですから、中の人はちゃんと気を使った暴れっぷりだったんでしょうけど、学生身分の時に生で見た時はホントに怖かった記憶がある。


実際に仕事とかでチェーンソーに触れる機会がある人は、危険なのは事実だけど、あくまで木材を切断する為の道具でしかないし、ホラー映画の小道具じゃねーから!というものなんでしょうけど、そういうのに縁がなければチェーンソー=ホラー映画なのです。

「13日の金曜日」のジェイソンは実際には使って無いですけど、そのイメージで語られたりしますし(ゲームの「スプラッターハウス」の影響?そっちも敵が使うだけですが)「死霊のはらわた3:キャプテンスーパーマーケット」のアッシュとかの影響も大きいのでしょうか。

・・・って!今はそんなんより遥かに有名な「チェーンソーマン」があるのか。見た事無いから私はわかりません。

 

とまあスラッシャーホラー映画の歴史の原点的な価値観がまずあったとして、私的にはそこよりもやっぱりラストに魅了されました。

朝焼けの中、チェーンソーを振りまわし踊っているように見えるほんの数秒のラストカット。有名な伝説のシーンですが、やっぱりそこが凄かった。

 

最後に生き残った主人公のサリーが命からがら逃げてくる。通りがかったトラックの荷台になんとかすべりこみ、レザーフェイスの魔の手から何とか生き伸びた。そこまで絶叫系ヒロインと呼ぶにふさわしい恐怖の叫びを散々発してきた彼女が、やったぞ生き伸びて逃げ切ったぞギャース!プゲラー!みたいな憎々しい表情と叫びを最後の最後だけ一瞬するのよ。それは個人的な私の感覚なのか、作り手の意図したものなのかはわかりません(私はこの作品に関してそこまでのマニアではないので)

 

で、それを受けてのレザーフェイスのダンス。あと一歩で逃げられてしまって悔しい、という癇癪を起してのものなのか、一瞬気が緩んでしまってチェーンソーのパワーに振りまわされてしまって踊っているように見えるだけなのか、それは誰にもわからない。

 

あれだけ酷い目にあって何とか生き伸びた主人公のヒロインがまるで悪役かのような下衆な雄たけびを上げる。何を考えてるかわからない恐怖の対象でしかなかった存在が、朝焼けの光の中で一瞬美しく見えたり、そこには人格や感情が見え隠れする。観客としてレザーフェイスの立場で一瞬見てしまって、ああ一人逃してしまって残念!パーフェクトとれなかったか!という不謹慎極まりない考え方までつい想起してしまった自分への葛藤。

 

ラスト10秒20秒程度で価値感がひっくり返るこの感覚。決してどんでん返し映画とかじゃないんですよこれ。多分「答え」というか「正解」はない。

 

脚本家がこう言ってた、監督がこういう意図なんですよ、と言ってた、役者がこう言ってますよ、評論家が正しい解釈はこうですよと言っている。そんなのどうでも良いのです。映画とは自分の頭の中で完成させるものであって、そこに意味や価値を見出すのは自分でやるべきもの。だから芸術だしそれこそが面白味だと思ってます私は。

 

「悪魔のいけにえ」を初めて見た時に、これは凄い作品だなと思ったのはその部分で、逆にそこであのシーンの本来の意図や意味はどうだったんだろうって気にはなりつつ、きちんと調べた事はありません。逆に視野が狭まってしまうかなと思ってしまって。

 

こういう経験というか、作品を通ってきてるからこそね、日頃から他人の意見や感想に左右されるなんてアホくさい、ちゃんと自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の意見を持って、自分の価値を見出せば良いんじゃないかと。

自分にとっての「悪魔のいけにえ」はそういう作品です。

 

確か2も見たことはあるはずだけど、作り手もコメディーっぽい感じで作ってるのが凄く嫌でそれ以降は見てません。「死霊のはらわた」も2でコメディーになっちゃって、昔からちょこちょこ書いてるけど、ホラーとコメディーは紙一重、だからホラーはコメディーに近づくんですよ系の論理が未だに私はあんまり理解出来てなくてね、そこが難しいとこです。

 

配信だとシリーズ網羅できたりするのかな?レンタル時代だと見れない作品も多くて追って無いのですが、百聞は一見に如かず、自分の目で見てみないと何とも言えませんので、機会があれば続編軍やリブート系とかを見てみるのもアリかなとは思います。

 

 

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私は元気です 病める時も健やかなる時も腐る時もイキる時も泣いた時も病める時も。

私は元気です 病める時も健やかなる時も腐る時もイキる時も泣いた時も病める時も。 (文春e-book)

著:後藤邑子
刊:文藝春秋
2023å¹´
☆☆☆☆☆

『涼宮ハルヒの憂鬱』朝比奈みくる役、
『コードギアス』シリーズ
アーニャ・アールストレイム役など
大活躍の人気声優・後藤邑子。
人気絶頂のある日、突然の休養を発表。
ファンには衝撃が走り、死亡説まで流れた。
しかし、後藤はその時、
まさに「死にかけて」いた…

 

という事で声優後藤邑子さんの著書。自伝です。
最も有名で一気に知名度を上げたのが『涼宮ハルヒ』シリーズのメインキャラの朝比奈みくる役だと思いますが、私はハルヒは有名作品なので後追いでちょろっと見たけどハマらず、悪名高いエンドレスエイトの前までで離脱したはず。

なので私の中での後藤邑子と言えば「ひだまりスケッチ」のヒロ役。(こっちはOVAの完結編「沙英・ヒロ 卒業編」まで見た)
それと「さよなら絶望先生」の古節あびる役が大きいかな?特に絶望先生の方は、同じ名字の後藤沙緒里さんも居て、ファンの間では後藤(弱)さん、後藤邑子の方を後藤(強)さんって言い方が定着してて、ゴトゥーザ様というニックネームや、曲のPVでのスケバンコスプレみたいな所も含めて、後藤邑子=強い人みたいなイメージがありました。他だと私的には「魔法少女まどかマギカ」のまどかママ役辺りかなぁ?

 

そんな感じで、認識はしてたけど、特にファンとかいう感じでは無かったものの、同じく声優の松来未祐さんが難病で亡くなられてね、末来さんの事は私すごく好きだったんですよ。その後、何時のタイミングだったかなぁ?出演されてた「ふたりはプリキュアスプラッシュスター」のブログ記事書く時だったかな?松来さんの事を改めて調べたりしてたら、亡くなる少し前に後藤さんとメールのやりとりをしてたみたいな話をみつけて(今回の本でも触れられてます)あれ?松来さんの事は知ってたけど、後藤(強)さんも難病抱えて同じく入院生活してたの?って、その時に初めて知ったんだったと思います。

 

あれ?でも確か「ひだまり」の時も体調崩されて抜き撮りの時があったとかは確かに言ってたような記憶は確かにある。でもその時は後藤さんこんな重い病気だなんて思っても居ませんでした。

 

で、今回の本を手にとって読んだ所・・・なんかとんでもねー人生を送ってる人だったんだなと、本を読む手が止まらなくなるほどビックリしました。
いや人生で2回も余命宣告受けて結局生き伸びてる人なんて居る?あと数年の内にとかじゃなく、あと1カ月持ちませんよって言われてそっから復活してるんですよ?

 

最初は中学生の時。ここでの余命宣告から復活できたのは本当に人の巡り合わせが良かったと思う。通常の病院の治療では無く、血液学専門で研究の最前線に居た偉い先生とたまたま巡り会って、そこで救われた。

 

二度目は声優になって売れに売れてから。子供の頃からの病気は完治したわけではなく、投薬などは続けていたものの、通常の生活は出来るし、声優として成功した今のキャリアを捨てたくないとして限界まで働く事を選ぶ。(勿論仕事が面白くて仕方なかったのもあるんでしょう)そして自身が大人になったのもあって、自己判断で病院では無く民間療法に走ってしまったと。そこからの緊急入院からの闘病生活。一向に良くならず、一か八かの手術をしなければ余命2週間を宣告されてしまう。

 

ここからが凄い。何と病院から脱走。過去の治療の経験から、セカンドオピニオンという発想を知っていたので、今の病院の治療とは別の選択が無いか自分で他の医者に駆け込む。

 

私はそのセカンドオピニオンって考え方を知りませんでした。でも確かに話は聞いたりした事ありますね。病院に長年通うなり入院するなりで療養していたけど、一向に良くならず、一度他の病院で見てもらったら、違う療法や処置をしてもらう事で回復出来たみたいな話。そういうのをセカンドオピニオンと言うらしいです。

 

ただ、他の医者にかかるには紹介状とかも必要なわけで、自分の判断が間違っている可能性とかも出てくるので、主治医に相談してもそう簡単に紹介状は書いてくれないそう。後藤さんはそこで頭を使った。実際にそういう話もあった上での流れではありますが、引っ越しで住む場所を変えるという話があれば、医者もそこは担当地域が変わるんだからと紹介状を書かざるを得ない。(のではないかというのが後藤さんの考え方というか、実際これなら行けるはずというだけの発想なので、あくまでご参考程度に)

 

いや~凄くないですかこれ?
あと2週間内に自分の人生は終わってしまうかもしれないという所から、脱走までして他の医者に駆け込んで、そこでなら治療出来るという判断を自力でつかみ取る。

 

そこでね、少なくとも著書の中では、入院してた病院をヤブ医者じゃねーか!とかそういう書き方は一切してない。長年難しい病気とつきあってきた自分の経験もあるし、そんな自分もつい学術的な医療から逃避して安易な民間療法に頼ってしまったような負い目もどこかにあるんでしょう。そこを攻めるような言葉は一切ありません。

 

自分はまだ生きたいんだっていうバイタリティと、昔からの型破りな性格ですよね。凄い。羨ましい。

 

もし自分だったら、とか考えたら、間違いなく諦めてます。むしろ自分から死期を早めた方が良いと私は考える方です。今だってそう、半分人生を諦めかけて毎日を生きてます。でも、後藤さんのこの本を読んだおかげで、なんか最後の最後までもがき続けること、ちゃんと経験や知識があれば開ける道もあるんだって言う事、改めて教えてもらった気がします。

多分きっとこの先、自分の人生に限界を感じた時、後藤邑子はこっからでも這い上がった人なんだなって心に過ると思う。そこで何くそ!と思える気持ちが湧いて来たのだとしたら、私は後藤さんに感謝しなきゃいけないと思う。

 

後藤さん強いな。その強さを支える原因の一つでもあろう部分。妹さんが19の時に亡くなられている。妹さんはゴトゥーザ様と違って病気とかを患って無い健康優良児。それが突然の心不全で亡くなられた。病気を抱えて余命宣告までされた自分では無く、何故元気に生きてた妹の命を奪うのか。当然そこに理不尽さを感じたでしょう。そこからご本人も簡単には立ち直れず、気持ちの整理をつけるのに3年くらいかかった。

 

そしてそこから何年もの後、今度は同業の松来未祐。松来さんとは「ひだまりスケッチ」でも「さよなら絶望先生」でも競演してましたが、決して親友みたいな付き合いとかでは無かったそう。でも、病気と入院してから、松来さんの最後の数カ月で心から繋がれたと。
そりゃあそうですよね。同じ病気では無いものの、どちらも治療が困難とされる難病で、自分と同じような気持ちを味わってる人は、同業にも他に居るわけじゃない。そんな中でね、あれ私ら同じじゃん、珍しくちゃんとわかりあえる人も近くに居たなんてっていう、ソウルメイトみたいな存在になれたのでしょう。そんな末来さんの最後を支えてくれた事には本当に感謝したいし、別に関係者でも無いただのファンが言うのもおこがましいですが、痛みや苦しさを和らげてくれたんだろうなって思います。

 

「やまない雨は無い」という言葉が後藤さんは嫌いだそうです。そうね、私もつい言ってしまいそうになる言葉だけど、雨が降り続ける世界でそれと付き合っていかなければならない人には、ちょっと無責任に感じる言葉なんでしょう。

 

引用
「私は、雨の中でも、生きていてよかったって思える瞬間が多ければよいなと思います。
 そのうち雨に降られていることすら忘れてしまうくらい何かに熱中できたらいい。」

 

私が影響を受けた存在の一人として、映画「スーパーマン」の俳優、クリストファー・リーブという人が居ます。彼も落馬事故で半身不随。生きていてしゃべれはするけど身体は動かせないという状態になりました。それでも彼は生きた。俳優として引退はせずに、車椅子のまま世の中に自分の姿をさらして表でしゃべったりもしていました。(自伝とか読んだので、彼の葛藤も勿論ありました)そんな状態の人とか、それこそ今回の後藤さんみたいに難病を抱えて生きてる人に比べたらさ、まだ五体満足な分、私の方がマシじゃん!何泣き事言ってんだよって言われそうではある。でもね、それでも生きてる人はみんなだとは思うけど、どうしても辛くて泣きだしたくなる逃げ出したくなる時ってある。こんな情けない私の人生でも、立ち向かえる強さだとか、時に何かツライ事もを忘れさせてくれる瞬間があるのなら、そこを糧に生きるのも良いんじゃない?って背中を押してくれた1冊になった気がします。

 

PS:
後藤さん、子供の頃から映画好きなんですね。そこは知らなかった。スクリーンで映画と自分一人が向き合ってるあの瞬間が好きっていうのは映画好きなら、そうそれな!ってなる奴ですので親近感が持てました。

あと凄く失礼ですが、末来さんの事が無かったらもしかしてこの本に触れてなかったかも?そんな意味では末来さんにも感謝を。
そして後藤邑子さん、今回の本を読んだおかげで破天荒なあなたが好きになりました。体調に触らない程度で良いので、今後もほどほどのご活躍を期待してます。

 

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魔法つかいプリキュア!!~MIRAIDAYS~ 第1話「再会はミラクルでマジカル!」

シリーズディレクター:浜名孝行
シリーズ構成:村山功
TVアニメ 2025年
☆☆☆☆

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遂にスタート「まほプリ」続編「MIRAIDAYS」
配信で見るつもりでしたが、会社の新年会で泊りだったので、結局夜中までおきててホテルでリアルタイム視聴してしまいました。

つーかTV放送のCM、普通にニチアサと同じ系列のCM流れるのかよ。プリティーライフシリーズとか、玩具CM流れてちょっとビックリした。もはやニチ早アサなのかこれは!?

 

一応、プレバンで新しいモフルンとかは少し前から予約開始してましたけど、プリキュアってやっぱり基本は玩具販促番組。おもちゃで利益を出すために番組を作ってるというのが基本として20年あったわけで、じゃあ今回は主に大人のファンに向けた深夜アニメってどういう企画意図なんでしょう?勿論、ここ数年前から作品の事をIPとかコンテンツとか言われる事が一般的になって、目の前の売り上げだけでなく長期的にIPなりコンテンツを継続させていくみたいなビジネスモデルが基本になったよな、という印象。

 

そこに関してはプリキュアは初期5年くらいの時点で、鷲尾プロデューサーがそういう形に育てられたら良いなという展望があったから1年ないし2年で代替わりさせてきたし、5年目の時点でオールスターズという枠組みも作った。で、それが認められて東映アニメ全体の総括プロデューサーを任されて「おしり探偵」とか「銭天堂」とか東映まんが祭り的なものの復活とそこにあわせて「サバイバルシリーズ」なんかで、子供向けのアニメをちゃんと作っていかないと、将来的に自分達の業界が衰退していく、という発想でやってきたわけですよね。

 

で、そんな後にまたプリキュアにも戻ってきて、ここもまた以前から言ってきた親子コンテンツに育てる、みたいなミッションを15年目くらいから種をまいてきたと。

 

近い作品で言えば「キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜」がありましたが、あっちはNHKからSDGS推進の為の作品を作ってほしいという要望があった上で、そこにプリキュアを乗せた作品でした。今回はNHKじゃないですし、こういう経緯で作品を作る事になったっていうのは、今の所まだ明かされてはいませんので、その辺りは気になる所です。

 

ただ、シリーズディレクターの浜名孝行監督は「キボウノチカラ」と何気に同じ人ですね。製作期間の空きから考えても、同時で細かいとこは進めてはいたんでしょうけど、あっちが終わってようやくこっちも本格的に製作がスタートしたっていう感じなのかな?

 

「キボウノチカラ」楽しませてはもらいましたし、せっかく作ってもらったものを悪く言いたくはないので、ここではあまり深くは言いませんが、個人的には落とし所に多少のモヤモヤを感じてしまったのが正直な所。

 

そっちがオリジナルの「5」「SS」の脚本担当だった成田良美先生が再登板でしたし、こっちの「ミライデイズ」もまほプリオリジナル脚本の村山功先生がシリーズ構成なので、また違う形にはなるのかなとは思いますが、良い意味で期待を裏切ってくれればありがたいです。

大人=お酒のシーン、作品コンセプト的に仕方ないのかもしれませんが、またも時間や時計がモチーフ、そして要所要所の濃い目の作画とか、正直似てる所は結構ありました。

 

ただね、「キボウノチカラ」の時もそうでしたけど、あのキャラクター達とまた再会できた、もうその感情や情緒だけで120点なんですよ。ワクワクもんだぁ~っ!ってよりは、もう尊い!マジで尊い!ありがとう生きてて良かった!ってなってしまいます。

 

OPの「Dokkin♢魔法つかいプリキュア!!Part3〜MIRAI DAYS〜」ライブで先行で聞いてはいたけど、そこに絵も入るし、もうここぞとばかりにEDも含めてですが、あのキャラもあのキャラもあのキャラも!っていうだけでもう泣きそうになります。

 

私は補修メイトとか、かなちゃんが好きでしたけど、魔法商店街のみんな!チクルンまで居る!おおバッティさんとか闇の魔法使いの方々まで!最高最高!ってなりますよねあれ。


個人的に1話で好きだったシーンは、十六夜を見上げてリコに会いたいなっていうみらいと、リコもそう思うけど、私先生だしそんなほいほいとナシマホウ界行けないわよって言ってる所。そしてそんな妹の気持ちがわかってるリズ先生と。みらいもリコは頑張ってるんだしって決して泣き言は出ない所が私はメチャメチャ好きです。

 

「魔法ガール」として夜な夜なヒーロー活動をするみらいとそのサイドキックのモフルン、しかも魔法学校の制服というのも面白いなと思ったのと、はーちゃん絡みでは、まああのマザーラパーパ状態では流石に絡み難いのはわかってましたし、そこははーちゃんならぬ、今度はひすいのひーちゃんなのでしょう。インタビューとか見てると、早見さんがはーちゃんとひーちゃんは同じキャラではなくまたちょっと違うメンタルで演じてますって言ってたのでそこはまた楽しみです。

 

あ、あと「キボウノチカラ」では一度子供に戻って昔の姿のままでの変身でしたが、今回は普通に今のまま変身してくれてありがたいし嬉しい。TVだと49話の後にエピローグの50話でまた子供に戻したりしてたものの、まほプリの基本設定って結構忘れられがちですが、そもそもTVシリーズのあの変身も身長伸びて大人っぽくなってるという設定だったはずなので(キュアエースみたいなもん)、あの時点でオトナプリキュアと言っても別に間違いでは無いはず。

 

第2話、久しぶりのマホウ界へ、という事でメチャメチャ楽しみ!
補修メイトの出番多いと私は嬉しいぞ。ボーカルアルバムの時に書いたけど「ハッピー!ラッキー!ラブリーDAY!」という3人でのキャラソンが私は大好きなのです。

 

ウチのいつものフォーマットで、各話感想とか無しで最終回まで終わってからまとめでまた感想記事書きますが、いやこのタイミングだと現行「わんぷり」完結に次の新作「アイプリ」スタートと、気持ちの切り替えがちょっと大変です。そこは贅沢な嬉しい悲鳴と割り切ってまずは楽しんで行きます。

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デーモン・ウォーズ

デーモン・ウォーズ デーモン・デイズ

異界の輪
DEMON WARS
著:桃桃子(ピーチ・モモコ)(作/画)
訳:中沢俊介
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2024年
収録:Demon Wars:The Iron Samurai #1(2022)
 Demon Wars: Shield of Justice #1(2022)
 Demon Wars: Down in Flames #1(2023)
 Demon Wars: Scarlet Sin #1(2023)
☆☆☆

妖怪たちが暮らす“異界”に戦争の脅威が忍び寄る!?

日本人アーティスト桃桃子(ピーチモモコ)による摩訶不思議な物語、波乱の第二幕!

 

モモコ・バースで内戦が勃発!?
少女まり子の運命は!?
意思を宿して動く赤い鎧、隼の仮面と翼を身に着けた天狗、豹を思わせる獣人、そして蛇のごとくうごめく飢えた魔物。彼らが暮らす“異界”……まるで運命に導かれるようにしてその奇妙な別世界へと迷い込んだ、鬼の血を引く少女まり子。彼女は、意見が対立して二派に分裂した妖怪たちの抗争に巻き込まれる。異界の内戦が激化し、妖怪たちの世界が危機に瀕する時、争いの背後にうごめく真の脅威が姿を表す!!

 

 

前作「デーモン・デイズ」から続くモモコバース第2弾。
マーベルユニバースを和風アレンジするという、ある種の「ホワットイフ」みたいなものですが、今度はモモコバース内でシビルウォー発生という事で、和風アイアンマンと和風キャップがまたもや激突!

 

と、思いきやコミック版や映画版のシビルウォーをそのまま持ってきた感じでも無く、そこまでのギスギス感は無い。アイアンマンは鎧武者というのはわかるけど、対抗するキャップが象徴的なあのシールドを持っていないデザイン。

このキャラクターのアイデンティティはここだから、これだけは残すし、そこを起点にデザインするみたいな感じではなく、自由奔放な発想で描いてるんだなと、そこは個性に感じる。アレンジではなく再解釈というか。 和風世界観ですから、名前もアメリカじゃなくヤマトという名前なのが面白い所。


それぞれのチームも原作や映画にこだわらないメンバー構成。蜘蛛人間なスパイダーマンとか、隼なファルコン、化け猫なブラックパンサーとか、方術僧スタイルのストレンジ先生とかわかりやすいキャラクターも居れば、シロサギってこれ誰?キャプテンマーベルなのかな?こっちのイツキってのは?赤髪だしユキオ辺りか?と思って読み終えて巻末の設定資料みたいなのをみると、それぞれジーン・グレイ(フェニックス)とマジックでした。X-MENもアリなのか。言われてみれば一つ目小僧連れてたわ。

 

そして黒幕として出てくるモミジ。紅葉(こうよう)した紅葉(もみじ)の形。五枚の葉に茎で6角でヘックスパワーに見立ててあるのは面白い。

 

正直、物語的に超面白かった!とか言うほどでは無いんだけど、この世界観と絵の力だよねきっと。アメコミ読んでる層には新鮮に映るだろうなという反面、じゃあ日本の漫画読んでる人には普通に思えるのかと言うと、とんでもない。日本人の目から見ても個性のあるビジュアルですよね。

 

しかもピーチモモコさん。日本在住でマーベルの仕事してるんですね。確かグリヒルさんもそんな感じでしたよね?
売れてる売れてないに関わらず、漫画家さんでアメコミ好きな人も中にはそれなりに居るはず。マーベルに持ち込みするのもアリじゃないでしょうか?自分の権利にならないのがアメコミの微妙なとこではあるけれど、それこそこういう作品みたいに認められれば知名度上げられるだろうし、いくつか作品を出しで知名度を上げた後に自分の作品を改めてやるってのもアリなのでは?漫画は日本が一番上とかいう不思議なプライド持ってる人もたまに見かけますし、そういう人ならランクが下のアメコミで簡単にトップがとれるでしょうから。是非グリヒル、桃桃子さんに続いて世界に名前を轟かせていただきたい。

 

桃桃子さん、今は「アルティメットX-MEN」のオンゴーイング担当してるそうで、いずれ邦訳版も出そうですし、そっちも楽しみです。

 

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