創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

『創造と環境』インデックス

●西尾忠久について

 


●書籍

『効果的なコピー作法』(1963/1983)

chuukyuu.hatenablog.com

『創造と環境』(1966)

chuukyuu.hatenablog.com

クロード・ホプキンズの名言〜『科学的広告法』より(1966)

chuukyuu.hatenablog.com

『ボルボ〜スウェーデンの雪と悪路が生んだ名車』(1968)

chuukyuu.hatenablog.com

『アンチ・マジソン街の広告代理店PKL』(1969)

chuukyuu.hatenablog.com

『かぶと虫の図版100選』(1970)

chuukyuu.hatenablog.com

『アメリカのユダヤ人』(1972)

chuukyuu.hatenablog.com


『5人の広告作家』(1966)
まえがき

chuukyuu.hatenablog.com

バーンバック氏 広告の創り方を語る

d.hatena.ne.jp

ダヴィッド・オグルビー氏とのインタビュー

d.hatena.ne.jp

調査から導き出されたコピーライター、アートディレクター、TVプロデューサーのための97の心得

d.hatena.ne.jp

 


●インタビュー

クリエーター・インタビュー

chuukyuu.hatenablog.com


Articles about Great Creators

chuukyuu.hatenablog.com


DDB紹介[終末宣言]クリエイターインタビュー集(1979)

chuukyuu.hatenablog.com


●広告シリーズ

 

フォルクスワーゲン
Volkswagen

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120101/1325363411

 

モービルの安全運転キャンペーン
Mobil

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120604/1338735761

 

ベター・ヴィジョン協会
Better Vision Institute

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120603/1338649612

 

オーバックス
Ohrbach's

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120531/1338390199

 

ダンスク
DANSK

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120107/1325874171

 

フランス政府観光局シリーズ
French Government Tourist Office

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120106/1325799890

 

シーヴァス・リーガル
Chivas Regal

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120105/1325702777

 

ソニー
SONY

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120104/1325615413

 

エイビス
Avis

https://chuukyuu.hatenablog.com/entry/20120103/1325530439

 

一周忌

西尾忠久が亡くなって、1年が経ちました。


月並みですが、あっという間の1年でした。
しかし、この1年の間に直接お会いした方々、知り合い・友人から間接的に、またインターネット上で、様々な方から西尾さん(今日はこの呼び方にさせてください)のお話を伺うことができました。
自分の話は語ることが少なかったので、始めて伺うお話も多く、新たに気付くことの多いお話ばかりでした。


先日、とある方と「西尾忠久とはなんだったのか?」という話をしていたのですが、私は「誠実な批評家であり、教育者であった」そして「『人』の思考にとても興味を持っていた」と思う、というような話をしました。


学生時代、谷沢永一氏や開高健氏らと同人誌『えんぴつ』の合評会でメンバーの書いた詩や評論文について、「打てば響く反射神経では誰も太刀打ちできない、陽気で執拗な論客」として「容赦なく無残に切りきざ」んだと谷沢氏が西尾さんのことを述懐しています(『回想 開高 健』谷沢 栄一 新潮社 1992年)。学生時代に評価、評論するということを鍛えてきたのだと思います。


文案家、コピーライター時代も広告を勉強するためにアメリカの雑誌を古本屋から大量に購入してきて、スクラッピング、分類、分析していきました。その後、その作品を作っているクリエイターや組織がどのような思考を持っているのかに興味を持ち、最終的にその人たちはどのような生活習慣、文化を持っているのかまで興味を持ちます。そこまでしないと、その人から生まれてきた作品を理解できないと考えたからでしょう。
最初は自らの勉強のためでしたが、コピーライターという職種の社会的地位向上に力を注いでいたことは、当時の雑誌や書籍を読むと強く伝わってきます。会社を超えて仲間たちと東京コピーライターズクラブを作ったのもその一つです。その後、後輩ライターたちの教育へ力を注いでいきました。


世界の一流品を調査していた時期も、工房を訪れ、そこで働く人と直接会い取材をしています。ミステリー小説にはまりこんだことについて本人は、お金と時間を無駄にしてしまったと言っていましたが、やっていたことは社会言語学のアプローチだったと思います。10年かけて27万レコード貯めたデータは、今で言うとビッグデータからその商品名や地名がどのような使われ方をしているのかを調査する、感情評価のようなものでした。
晩年力を注いでいた鬼平犯科帳研究についても、史実に基づいた調査・研究で、その研究対象は「人」が多かったのではないかと思います。江戸時代という特殊な時代に「人」の行動から逆算していき、様々な資料からその周辺の組織に何が起こっていたのかをあぶり出すという、研究していました。(ほとんど私は理解できていませんでしたが。)


それぞれの時代の興味対象は変わっても、人が作るものを評価、分析し、それを誰かに伝えるということをしていました。
・・・とはいうものの、正しくは掴みきれていないのが本当のところです。
新聞などでは「コピーライターの草分け」という紹介をされていましたが、それだけでは説明し切れないと、昨年の10月に行った『西尾忠久を偲ぶ会』の展示をまとめているときに思いました。


展示を行うときに考えたのは、参加してくださる方々は、広告、ミステリー小説研究、一流品、鬼平犯科帳研究など様々なことをやってきた西尾さんとどこかのタイミングで会われているので、ほかの面も知っていただきたいということでした。便宜的に「幼少期」「広告」「世界の有名品」「ミステリー小説」「鬼平犯科帳」という分類にしました。
ご遺族や、アド・エンジニアーズの諸先輩方、ご友人の方々を中心にいろいろな資料をお借りしたり、お話を伺ったりしましたが、その膨大な量を前に、事実関係を並べることしかできませんでした。


これからも、西尾さんと関わった色々な方からお話を伺いたいと思っています。
何か別のものが見えてくるかもしれません。
みなさんの西尾評もぜひ聞かせていただきたいです。


次回からジャマイカの広告シリーズを続けます。


転法輪 篤

(1114)ベスト・セレクション(309)ジャマイカ(46)

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ジャマイカ観光局・広告シリーズ(46)


今日6月9日は西尾忠久の誕生日です。
去年は自宅療養しながらこのブログも更新していました。
もう1年なんですね。


去年の2月の初めに、用事があって西尾に電話したとき、
「病院で余命半年と言われました。あなたには先に伝えておこうと思います。」と突然言われ、
なにもいう言葉が見つからず、ただ「・・・そうですか。」としか答えることができずに黙っていると
「お釈迦さんも80歳で亡くなっているんだし、2年余計に生きられたから喜ばないと。」と笑いながら答えてくれたあとに「でも思っていたより早かったね。」とつぶやくように話してくれました。


それからはみなさんご存知の通り「あと半年でなにができるか」を常に考え、
亡くなる直前まで、パソコンに向かい、このアーカイブの更新を続け、
最後の半年は、本当に余命半年の人なのかというほど、精力的に執筆していました。


作品の翻訳については、本当にいろいろな方に手伝っていただきました。
今回の作品から新たに東京大学の須藤 啓志さんが手伝ってくれることになりました。
前任者の佐藤さんが紹介してくださったのですが、このようなつながりにも本当に感謝です。


転法輪 篤


ジャマイカを代表するアーティスト、
マリカ・レイノルズにぜひ一度出会いにきてください。
彼は木彫職人であり、絵かきであり、一家の主であり、
聖書学者でもあり、そしてポコマニアの牧師さんでもあります。
※ポコマニアとは、キリスト教とアフリカの宗教要素が組み合さったジャマイカに根付く信仰のこと。


マリカ・レイノルズは聖書から真理を悟るべくミルラ(没薬)を焚き、彼独特の人々の感覚に訴える、なぞめいた作品について、アラム語で神秘的な説明を加えています。
さらに紳士的なお父さんでもあります。
そしてちょっと変わっています。
日曜日には、ポコマニア(スペイン語で、少し狂っていることを意味する)と呼ばれる、手拍子を特徴とした信仰復興により生まれた宗教の儀式を指導しています。
ジャマイカでは、陽気な讃美歌が歌われているのをたくさん聞くことができます。
日曜日は朝から晩まで北海岸のあちこちを車でまわって、サトウキビ畑から溢れてくるすばらしい歌声に耳を傾けてみましょう。(もちろんジャマイカの人々は一緒に大きな声で歌います)
ちょっと車を停めて我が国の教会、大聖堂、閲覧室、そして神殿の中へと入ってみてください。そう、神殿の中へと。ジャマイカには、ヨーロッパよりも西の世界において最古のユダヤ人共同体があります。
それに加えて、英国国教徒、仏教徒、救世軍、その他様々な信仰の人々が住んでいます。
ジャマイカの宗教は世界のあちこちからもたらされているのです。そこに住む人々もあらゆる国家に起源をもち、混ざり合っています。食べ物も揚げワンタンやフェットチーネ、ビーフ・フォンデュ・スコーン(牛肉の角切りが入った熱い油とソースをスコーンにつけて食べる料理?) 、タイフー紅茶など様々な国の料理が混ざり合っています。言語も、英語やアフリカ系のスペイン語、スコットランド語、ウェールズ語がごちゃまぜになっているので既婚女性を"mistress"と呼んだり、複数の男性や女性を"mon"と言ったり、"only"の意味を表すのに"bare"や"pure"という単語を使ったりする結果となっています。(モラヴィア人の教会を訪れた人がこう言いました。「男子修道院。こっちには裸の女性、あっちにはピュアな男性がいます。」(英語だと、「みなさん、こちらには女性だけ、あちらには男性しかいません。」))
さまざまな人やものが混ざり合ってできたジャマイカという国についてもっと知りたい方は、あなたのお住まいの地域の旅行代理店かニューヨークやサンフランシスコ、シカゴ、ロサンゼルス、マイアミ、トロントにあるジャマイカ観光委員会をお訪ねください。






C/W:
A/D:
Foto:
"LIFE" 1967.11.03
"The New Yorker" 1967.11.04
"LIFE" 1970.03.20


翻訳:須藤 啓志さん 東京大学 農学部 農業・資源経済学専修




Meet Mallica Reynolds:
wood sculptor,
painter, family man,
Bible scholar.
And Pocomaniac.


Mallica Reynolds burns myrrh for inspiration and writes mystical explanations in Biblical Aramaic for his dark, sensuou works.
He's also a gentle father.
He's also a little mad.
On Sundays, he leads the services of a hand-clapping revivalist religion called Pocomania (literally, "little madness").
In Jamaica, we have a lot of swinging hymn-singing.
Sunday morning to Sunday night drive up and down the North Coast and hear heavenly voices floating over cane fields.
(We sing loud, too.)
Stop. Come into our country churches, our cathedrals, our reading rooms, our temples.
Yes, temples.
We have the oldest Jewish community in the Western world.
Plus Anglican, Buddhist, Salvation Army, you name it.
Our religions come from the whole world.
Same as our people-descended and blended from every national ancestry.
Same as our food - a mixture of fried wonton, fettucine, boeuf fondue scones, and Typhoo tea.
Same as our language - a garble of English African Spanish, Scottish and Welsh that winds up calling a married woman "mistress," calling men and women "mon," and using the words "bare" and "pure" to mean "only. "
(As in what a man said after visiting a Moravian church: "Mon, on one side they have bare women; and on the other, pure men.")
For more about our mixed-up country, see your local travel agent or Jamaica Tourist Board in New York San Francisco, Chicago, Los Angeles, Miami, Toronto.

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(1111)ベスト・セレクション(306)ジャマイカ(43)

久しぶりの更新です。(毎回言っている気もしますが・・・)
こんな感じでポツポツと進めていければと思います。


私は旅行に出かけるとき、その土地のスーパーマーケットによく立ち寄ります。
その土地で暮らしている人たちが普段買っているものがたくさん集まっていて
とても魅力的です。
この作品の担当者もそんな気持ちでこの売店に立ち寄ったのかもしれません。


ジャマイカ観光局・広告シリーズ(43)


ジャマイカのお土産で、
一番エキゾチックなものは、
食べる、飲む、タバコを吸う、そして洗濯をする、
など日常づかいのものです。


日用雑貨店で足を止めてみてください。(私たちはクリーニング屋さんのことを「チャイナ・メン」と呼ぶように「チャイナ・ショップ」と呼んでいます)
上の写真は、サミュエル・リーのお店。
タマリンド・ネクターやグァバ・ネクターなど、A&P(スーパーマーケット)では知られていないような缶ジュースを置いています。
農場から直送したハチミツ色の砂糖、お店からも見える日当たりのよい斜面で育てられたブルーマウンテンコーヒー、ハバナものに近い自家製の葉巻も扱っています。
サンライト(石鹸)、エクセルシオール(ビスケット)、サルファー・ビター(下剤)は魅力的なパッケージ。
また、ベーラム(月桂樹の葉をラム酒につけて蒸溜した香水で、養毛・ふけ取り・整髪用剤)、ブランデー、目覚まし時計、スニーカー、ピンポンの球、おしゃぶりなんかもありますよ。
探して、見つけて、微笑んでください。
家に持ち帰るものは、なんでも包んでくれます。10ドル未満で。
ジャマイカでは、お金を使い甲斐があります。
ビクトリア市場をぶらぶら歩いてみてください、わらで編んだバッグ、帽子、マットを思っているよりも安く手に入れられます。
ジャマイカのファッションデザイナーにサイズ合わせをしてもらってください。(値引きはできませんが、バーゲンプライスです。)
シャツを作って、7ドル。
もしくは、自分用にバーゲンのシルクやリネンを買ってください。
手作りの「ヤバス(大きな素焼きのボウル)」は5ドルぐらい。
手作りのアンティークとまではいかない、アンティーク家具を買ってください。
手彫りのボートは250ドル。
フリーポートショップで時計屋カメラなどの高級品を、メイシーズプライスで買ってください。
実を言うと、ジャマイカはひとつの大きなデパートなのです。
商品についてもっと知りたい方は、お近くの旅行代理店か、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、マイアミ、トロントのジャマイカ観光委員会をお訪ねください。


C/W:
A/D:
Foto:
"LIFE" 1967.10.06




Some of the
most exotic things
to take home from Jamaica
are the everyday things
we eat, drink , smoke, and
do laundry with.


Stop at our grocery stores. (We call them "china shops" for the same reason people call laundry men "chinamen.")
Above , Samuel Lee's.
He carries canned juices unknown at the A&P. Tamarind nectar. Guava nectar.
He has honey-colored sugar straight off a plantation; Blue Mountain coffee grown on sunlit slopes you can see from his store; and home-grown cigars as close to Havana as you can come.
He has enchantingly packaged Sunlight, Excelsior, and Sulphur Bitters --- a soap, biscuits, and a purgative, respectively.
He also has bay rum, brandy, alarm clocks , sneakers, ping-pong balls and baby nipples.
Browse. Discover. Giggle.
Anything packaged you can take home. And $10 takes a lot.
In Jamaica, money goes far.
Stroll Victoria Market; pick up a pile of straw bags, hats, mats for as little as you can bargain for.
Be fitted for a Jamaican couturier dress. (No bargaining, but bargain prices.)
Have a shift stitched. $7.
Or buy bargain silks and linens and shift for yourself.
Buy hand-made "yabbas," huge clay bowls. $5 up.
Buy hand-crafted antique furniture copies for less than antique.
Buy a hand-carved boat. $250.
Buy anything expensive (watches, cameras) in Free Port shops at Macy's prices.
As a matter of fact, to many people that' s what Jamaica is: one big beautiful department store.
For more about the merchandise, see your local travel agent or Jamaica Tourist Board in New York, Chicago, San Francisco, Los Angeles, Miami, Toronto.


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(1109)ベスト・セレクション(304)ジャマイカ(41)

ジャマイカ観光局・広告シリーズ(41)


オリンの広告シリーズから長きにわたり、翻訳をしてくださった佐藤汰さんが今回の作品をもって、
『創造と環境』から卒業となります。
学校以外にも、学外での活動が忙しくなったため残念ながら、続けるのが難しくなってしまい
30点近く翻訳していただきました。今まで本当にありがとうございました。
これからのご活躍をお祈りしています。


西尾の存命中、佐藤さんの翻訳下書きを校正してもらっていました。
接続詞や、語尾の修正、言い回しの変更など細かいものが多かった気がします。


ある日、佐藤さんの翻訳原稿を読んだ時、今までとまったく違う文章になった瞬間がありました。
それは非連続的な飛躍だったと鮮明に記憶しています。
佐藤さんはこのように当時のことを話してくれました。


『私が意識したことは、とにかく「創造と環境」のブログを熟読しました。
翻訳という初めての取り組みに対して、自分が何も知らないということをまず認めた上で、西尾先生が書かれた訳の真似をするよう努めました。
加えて、自分が提出した訳とブログに掲載された後の訳を比較し、言葉の言い回しや句読点の使い方など、細部をどのように修正していただいたのかのチェックを毎回行っていました。
その結果、少しずつ精度もあがっていったのだと思います。』


とても真摯に取り組んでいただいたことが伝わってきます。
それが大きな吸収力へとつながったのだと思います。
本当にありがとうございました。



ビダ、アイミー、アイリス、セリア、サリー、メイ。
彼女たちの生活を覗いてみましょう。
ジャマイカ人の女性生活、気になります?


ビダはマッサージ師、女優、一流宴会師と多くの顔を持っています。多面的な性格を活かして、パーティー好きや芸術家を集めた宴会をよく催しています。ただ彼女の外見は、エルザ・マクスウェル(米の著名なパーティー主催者)というより、まるでモディリアーニ(イタリアの画家)です。(だって身長が180センチもあるんですもの。)


アイミーの世界観:園芸家。園芸関係の著書や詩の出版、ガーデン・クラブにて園芸に関する講義。園芸帽好き。愛用ドレスは緑色。
アイリスは清純派です。カリビアン・オリエンタル・レフト銀行に勤める傍ら、美術館を運営。絵画、古地図、古宝、仏像、首飾り、木造半身像、サラダフォーク、流木、グアン・ボウルなど奇品盛りだくさん。


しゃがれ声で派手な格好をしたセリアは、古家具の専門家です。金箔のピンポン玉をイヤリングとして着用してしまうような発明家要素も兼ね備えています。耳にピンポン玉ですよ。


サリーは儚くロマンチックな心の持ち主です。声も美しい。そんな繊細な彼女は実は登山家であり、チャールズ・ミンガスやその他ジャズ全般のコレクターでもあります。加えて、純血のジャマイカン(既婚者です。)


メイは古美術世界の住人です。住居は歴史あるスペインの町にある古風な家。鳥類観察者として活動する彼女の家に伺えば、両親が彼女が残した100年モノの家具のある部屋へと案内されるかもしれません。
ジャマイカに行けば他にもたくさんの人々に逢うことができます。(女性だけでなく、男性も興味深い人がたくさんいます。)
160人の個性豊かなジャマイカ人に逢えば、大抵はその中に自分と嗜好の合う人がいることでしょう。
ジャマイカを知るにはとにかく人に逢うことが一番です。
ジャマイカについてさらに詳しくお知りになりたい方、旅行の計画をお立てになりたい方は、お近くの旅行代理店またはジャマイカ観光局までお問い合わせください。観光局所在地:ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、マイアミ、ロサンゼルス、トロント。


C/W:
A/D:
Foto:
"LIFE" 1967.06.16
"The New Yorker" 1967.12.16


翻訳:佐藤汰さん 東海大学 政治経済学部 経営学科




You can make a date with
(l. to r.) Vida, Aimee,
Iris, Celia, Sally or May.
If you'd like to meet an
interesting woman in Jamaica.



Vida is a masseuse, actress, and champion partygiver who collects party people and art. But who looks (she's 6 feet tall) more like a Modigliani than an Elsa Maxwell.
Aimee's world: gardens. She writes garden books, a garden column, gives garden lectures to garden clubs, wears garden-like hats, and she often wears green dresses.
Iris is pure Caribbean-Oriental-Left Bank. She runs a gallery crammed with paintings plus old maps, old jewelry, Buddhas, bean beads, wooden busts, salad forks, driftwood, and guango bowls.
Celia, gravel-throated and flamboyant, is an expert on antique furniture. She also invents things-like wearing two gilded ping·pong balls as earrings. On one ear.
Sally has that poetic, fragile, English-beauty look, but she climbs mountains, collects Charlie Mingus and all that kind of jazz, and is a native Jamaican.
(She's also married.)
May's our beautiful old world. And she lives in it. In an antique house in antique Spanish Town. A birdwatcher, she'll probably entertain you in a parlour her parents furnished 100 years ago.
There are many others you can meet.
(Including interesting men.)
160 interesting Jamaicans in all will make dates to spend time with visitors who have the same interests they have.
Which is the best way to get to know Jamaica.
Getting to know a Jamaican.
For how-to-arrange-it, see your local travel agent or Jamaica Tourist Board in New York, San Francisco, Chicago, Miami, Los Angeles, Toronto.


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(1108・1116)ベスト・セレクション(303・311)ジャマイカ(40・48)

ジャマイカ観光局・広告シリーズ(40・48)


次の日曜日、3月3日は西尾の創業した会社、アド・エンジニアーズ・オブ・トーキョーの創立記念日です。
1964年。東京オリンピックの行われた年に創業し、いまや伝説と化している、
原宿セントラルアパート(現在の東急プラザ 表参道原宿)にオフィスを構えていました。


去年はちょうど、西尾が入院していた頃で、病室からアドエンのお祝いをしたとコメントに書いていました。
オリンの広告シリーズを紹介していたころです。


オリンの広告シリーズは、以前から「まとめておきたい」とは言っていたものの、
企業広告としては非常によくできたもので、西尾曰く「虎の子」の作品でした。(つまり外に出したくなかった。)
また、未翻訳の作品もあり、すべてをアーカイブすることは体力的に難しいということで、
今までいくつかを紹介するだけに留めていました。


しかし、東海大学の佐藤汰さん始め、翻訳者のご協力も得ることができ、
念願のアーカイブを作ることができました。


オリンはその作品を見ればわかる通り、パッケージ、薬品、銃、金属など多岐にわたる商品を扱う会社です。
企業が買収を繰り返し、メガカンパニー化している現代においても、どのようなコミュニケーションをすればよいのかを考えるヒントになる作品群だと思います。



ジャマイカ人が獰猛な動物について
話しているのに耳を傾けてください。
牛の仲間なのですが、
気に入っていただけるはずです。


非常に獰猛で俊敏(若くてすばしこい子どもだけが群れを率います)、そして人間の身長ほどの大きさで、全身真っ白で、強面で、途方も無い動物を見ることになるでしょう・・・。
そのときは、6トンの牛肉に出会うでしょう、大きくて真っ白な。そしてあなたに色目を使ってくる。
私たちがお話するとき、話を面白おかしくしているんじゃないかと言うでしょう。悪口も、色も、大げさじゃないかって。
(それってウソ?)
いいえ、あなた方をがっかりさせることはありません。
例えば海で「夏に、グリーンピース・スープみたいに少し暖かいと感じます。しかし、冬にはビシソワーズのようにちょうどよい。」
山々が「とても険しくて、雌牛を飼うことはできません。これから減っていくでしょうね。」
少女たちが見ています「角に立って、目を太らせています。」
大晦日には「素晴らしいパーティーがあります。とてもフォーマルでシック。宝石にティアラ、すべてビーチにあります。バレンシアガのドレスで、おへそまで砂に埋めます。」
鳥たちの保護区では「ミス・サーモンが毎朝4時に、鳥たちの食堂をオープンさせます。」
スープは「私たちは水を使ったスープなど、絶対に作りません。水はドリンクを混ぜるときだけのためにあるのですから。私たちはココナッツミルクを入れることから始めます。それから、底に沈んでしまうような、とても重たい小麦粉を練りものを放り込みます。ときどき、お気に入りのカニの爪も。そして、目がくらむほど、とても辛いカントリー・ペッパーを入れます・・・。」
会話は「川の流れのように。」
どのように、いつ、どこで会話の流れに入れるのかを知りたければお近くの旅行代理店またはニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、マイアミ、トロントにあるジャマイカ観光局までお尋ねください。


C/W:
A/D:
Foto:
"LIFE" 1967.05.26
"The New Yorker" 1967.11.18
"The New Yorker" 1967.12.02




Listen to a Jamaican
talking about
our ferocious Mysore.
It's the kind of bull
you'll love.


"They're incredibly fierce, and fast (only young agile boys lead them), and they're enormous, tall as a man, all-white and mean-looking, fantastic beasts, you should see ..."
And when you do, you see six tons of beef, enormous and all-white, alright, but making cow eyes at you.
Sometimes when we talk to you you'll find that we, let's say, embellish. Vilify. Color. Enhance.
(Lie?)
Let's say we don't bore you.
On the sea, for instance: "In the summer I always feel it's a bit warm, rather like green-pea soup. But in the winter it's, well, it's vichyssoise."
Our mountains: "Very steep. You can't keep cows. They'd fall off."
Girl-watching: "I stand on the corner and let my eyes grow fat."
New Year's Eve: " We've fabulous parties. Very formal. Very chic. Jewelry. Tiaras. All on the beach. It's Balenciaga dresses and sand up to your navel."
A bird sanctuary: "Miss Salmon, at 4 o'clock every day, she open her bird commissary."
Soup: "We never cook a soup with water, oh, no, water is strictly for mixing drinks with, no, we start with coconut milk, then throw in flour dumplings which are so heavy they sink to your toes and sometimes crab claws and I'm wild for them, and a kind of country pepper that's so hot it blinds you and ..."
Conversation: "We talk like rivers flow."
For how, when and where to jump into the conversational stream, see your local travel agent or Jamaica Tourist Board in New York, Chicago, San Francisco, Los Angeles, Miami, Toronto.


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(1107)ベスト・セレクション(302・308・329)ジャマイカ(39・45・66)

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↑今の★数累計です。


ジャマイカ観光局・広告シリーズ(39・45・66)


この作品だけではないのですが、ジャマイカ観光局のシリーズは、
何度も同じ広告を雑誌に掲載しています。
こちらの作品は、最初にライフ、5ヶ月後にニューヨーカー、
そして3年後(!)にまたライフに掲載しています。
1970年版はこちらで見ることができます。
紹介しているのはジャマイカでの結婚式。3年経っても変わらないということでしょうか。


エラ・マエとラッセル・オースベイは
1967年1月9日土曜日に、結婚式を挙げました。
式場はバーナム・ウッドの
セントジェームズ英国国教会。
ハネムーンはジャマイカで。


花嫁はジャスミンの花束を持っています。
(自宅の花壇から摘んできたもので、花屋で購入したものではありません)
花婿の帽子には白いリボンで作られた花が着けられています。
(飾り花の代わりです。)
招待されてやってきた150の人たちの中には、ひだ飾りや錦模様、黄色、ピンク、青など様々な色、形のドレスを着た人がいます。黒スーツの人も見えます。
(ジャマイカではどこの結婚式でも似たような格好が見られます。)
教会を出た後、新郎新婦はヤシの木陰を歩きます。
(ライスシャワーの代わりです。)
披露宴でのご馳走には、ラム酒であぶったヤギ肉入りカレー、グリーンバナナ、プンパーニッケル(ライ麦パン)のような噛みごたえのある堅パン。色は黒ではなく白ですが。
(シャンパン、チキン、ぶつ切りレバーは一つもございません。)
夜のウェディングケーキのことを一晩寝て考える代わりに、昼のケーキにみんながベットします。これがご祝儀をもらう方法です。ウェディングケーキの覆いがあろうが、なかろうがそのお皿にお金を置いていきます。
(ご祝儀袋の代わりです)
夕方になると、スカ、ルディ、カドリールなど様々な踊りが始まります。
(世間で言うところの、フラッグやリンディ、ワルツと似ています。)
ハネムーンでやって来た幸せな2人組が踊るのにぴったりです。
ジャマイカのこぢんまりとした家の中で、彼らはステップを刻みます。
(乗船、シュノーケルをつけて行う素潜り、ジェットスキー、ゴルフ、ナイトクラビングなど、計画済みのものは一つもありません。)
これぞジャマイカ流の婚儀。
これほど気ままなのも悪くありませんよね。
ジャマイカでハネムーンを一度でも過ごしてしまうと、帰宅するのが嫌になるでしょう。
ハネムーンからの帰宅についてなにか気になることがございましたら、お近くの旅行代理店またはジャマイカ観光局までお尋ねください。
観光局所在地:ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、マイアミ、トロント。


C/W:
A/D:
Foto:
"LIFE" 1967.05.05
"The New Yorker" 1967.10.21
"LIFE" 1970.04.03


翻訳:佐藤汰さん 東海大学 政治経済学部 経営学科




Ella Mae and Lascelles Ormsby,
married January 9, 1967,
St. James Anglican Church,
Burnam Wood.
They honeymooned in Jamaica.


The bride carried a bouquet of jasmine.
(But from her garden, not a florist. )
The groom wore a white flower in his hatband.
(Instead of his buttonhole.)
150 guests came in ruffled, brocaded and tulle-y yellows, pinks, blues. And black suits.
(Like at weddings anywhere.)
Leaving church, the couple walked under palm bowers.
(Instead of ducking rice.)
At the reception, they were toasted with rum, then feasted on curried goat, green banana, and hard dough bread, which is chewy like pumpernickel, but white.
(No champagne, no chicken, no chopped liver.)
Instead of sleeping on the wedding cake that night, everyone bet on it that afternoon. This is how we give gifts of money. We bet on whether the draped wedding cake should be uncovered or not, putting the money in "betting" saucers.
(Instead of envelopes.)
In the evening, dancing. The ska. The rudy. The quadrille.
(Our frug, lindy, waltz.)
Then the happy pair went on their honeymoon. They stepped inside their little Jamaican house.
(No plans for sailing snorkeling, skin-diving, water-skiing, golfing, or going nightclubbing.)
That's marriage Jamaican-style.
Not radically unlike yours.
Except --- we never have to come home from our Jamaican honeymoons.
For all about the kind you come home from, see your local travel agent or Jamaica Tourist Board in New York, Chicago Los Angeles, San Francisco Miami, or Toronto.


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