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川の光

川の光

平和な川辺の暮らしは失われた。晩夏、安住の地を求めて、ネズミ一家の冒険が始まる。

王様のブランチで松田さんがオススメされていました。読売新聞に連載されていたそうなんですが、私が好きな動物ファンタジー冒険小説ということで購入。ひょっとしたら本屋大賞にノミネートされるかも?という本でしたが、落選しました。
約束された安住の地を目指し、何度も迫り来る危機をのりこえ冒険が続くという構成は、斉藤惇夫の傑作「グリックの冒険」と全く同じなんですが、この作品には何というか微妙に物足りない感じがあります。スケールがもうちょっと大きければなぁ、と思わないでもないですが、やはり一番カタルシスを得られなかったのは、多分主人公たちが直面する危機に次ぐ危機の連続を、全部他力本願と偶然で解決してしまってるからではないでしょうか。悪くはないんですが、タータとチッチがだんだんと成長して、創意工夫で危機を乗り越えていく、という話だったら、もうちょっと面白かったかもしれません。