2018年の10月から早稲田大学の文化構想学部で担当していた授業が、今週の水曜日をもって終了した。半期(後期だけのコマ)とはいえ、半年間に及ぶ講義を4回、持ち続けてきたことになる。ともあれ、無事完走できたことに安堵している。

 以下、私事ではあるのだが、大学とかかわりを持っていた4年近くの間に気づいたことなどを書き留めておくことにする。

 「大学とかかわりを持っていた」と、文字にしてはみたものの、直近のこの2年間は、コロナ禍の影響で完全なリモート授業(あるいは「オンライン講義」というのだろうか)に終始せねばならなかった。それゆえ、大学の構内には顔を出していない。
 その前の2年間(2018年度と2019年度の後期)は、対面授業のみの設定だった関係で、毎週水曜日の夕方に文学部のキャンパスに通っていた。

 リモートと対面では授業の様相は大きく異なる。

 学生の側がこの2つの講義スタイルの違いをどう感じ、どんなふうに評価しているのかは、正直なところ、よくわからない。アンケートの結果によれば、学生は、おおむねリモートでの授業を歓迎しているのだという。

 本当だろうか? 私は、少々疑っている。

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