-アクセンチュアはこの8年間で、売上高が4倍、社員数も4倍と大きく成長しました。背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)を巡るファーストリテイリングとの伴走があったと聞いています。
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(以下、柳井氏):社員数が4倍。日本だけで? すごいじゃん。成長しているとは聞いていましたが、ここまでとは。
アクセンチュアの江川昌史社長(以下、江川氏):社長と出会ってからの25年ほどで、ずいぶん成長しました。お付き合いの始まりは、(ファストリが開催した)「100社コンペ」でした。(1998年に)東京・原宿に店舗を出されて間もない頃で、「遅れている繊維産業に最新のITの仕組みを入れたい」というお題に、我々はハイテク産業の事例を基にしたサプライチェーンを提案しました。なぜ当社を選ばれたのでしょうか。
柳井氏:討議するのにふさわしい相手と付き合わないといけないですよね。アクセンチュアは普通のITコンサルと違って、ITに特化しているのではなく、経営の相談ができた。そして量的にも素早く処理ができた。アクセンチュアだけがIT的な考え方を経営に融合できていたんです。
江川氏:ありがとうございます。当時、ナンバーワンになりたいと社長がおっしゃっていたんですが……。
柳井氏:日本でナンバーワンというより、(IT導入を)やらないと日本でナンバーワンだけで終わると。当時フリースブームでうちの売上高が1000億から4000億円になったでしょう。このままではいけないなという。上場するときからそういうふうに考えていたんですよ。小売業界や繊維業界は、一番遅れている産業でしたから。マイクロソフトやグーグル、アップルのような米ハイテク企業のように成長できないかなと。そういう視野で仕事をされていたから選んだんです。
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