東京・五反田のTOCビルや中野サンプラザ跡地の再開発、国立劇場の建て替え──。首都圏各地で大規模再開発案件の延期・中止が相次ぐようになってきた。建設業界の構造問題は、いよいよのっぴきならない状況に陥っている。(写真=Tsuboya/stock.adobe.com)
シリーズ
建設漂流 迫る臨界点
4回
鹿島・大林・清水・大成、納期と採算で「選別受注」 受発注の力学逆転
首都圏各地で多発する建設プロジェクトの「漂流」。人手不足に建材価格の上昇が相まって、建設需要に供給能力が追いつかない状況になっている。大手ゼネコンは「選別受注」を強化しており、受発注者の力関係が逆転しつつある。
中野サンプラザ、工事費900億円増の1.5倍で計画再検討 事業者再公募も
2023年7月に閉館した中野サンプラザ。旧中野区役所の一体再開発が計画されていたが、暗礁に乗り上げている。工事を請け負う清水建設が物価高騰などを理由に、工事費が900億円超上振れするとの見積もりを示した。当初予定していた29年の新施設開業は絶望的な状況だ。
国立劇場閉場1年、再開発が暗礁に 歌舞伎・中村萬壽氏「伝統芸能の死活問題」
国立劇場が閉場してから1年。だが、再開発の入札は2回連続で不調に終わり、工事着手のめどが立たない。歌舞伎役者の中村萬壽氏は「読みが浅かったといわざるを得ない」と厳しく指摘する。建材コストや人件費は日々上昇し、事態は悪化するばかりだ。
[新連載]五反田TOCビル、異例建て替え延期の舞台裏 再開発「漂流」相次ぐ
東京・五反田のランドマークとして親しまれてきた卸売りの聖地「TOCビル」。老朽化に伴う建て替えのため2024年3月、閉館した。ところが、事態は予想外の展開に。テナントが退出した後に運営会社が建て替え計画を見直し、再開業したのだ。いったい何が起きているのか。
フォローすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。