続けて読んでもそれなりに楽しめる
「文学賞メッタ斬り! 2008 よくできました編」を読み始めて一気に読了。さすがにこのシリーズを立て続けに読むと少し食傷気味になるのか、前作より笑えなくなってしまった。
今回のトークショーは長嶋有(私の好きな作家のひとり)&石田衣良(「4TEEN」しか読んだことがないのだが、私には合わなかった。多分これからも読むことのない作家)のお二人だったが、故意か天然か分からない長嶋さんの脱力系まるだしのトークに頬をゆるませ、感情の起伏を他人に悟られないよう八方美人を装っているようにみえる石田さんに若干の違和感を覚えてしまった。決して悪い人ではないのだろうけれど。
面白かったのは「芥川賞・直木賞受賞式」緊急レポート。
芥川賞授賞式(川上未映子「乳と卵」)に潜入した豊﨑さんは天敵ジュンちゃん(渡辺淳一)と初の接近遭遇を果たすが(何と一緒に写真に写ったらしい)、ジュンちゃんは全く気がつかなかったようだ。ま、候補作もちゃんと読んでいるのか怪しい御仁が、まさか「メッタ斬り!」を読んでいるとは思えないが。ここでも中原昌也さんがカッコ良かったとミーハー丸出しで喜んでいらっしゃるところが愛らしい(こんな風に書くと、「ん、あんた誰?」と睨まれそうだが)。
大森さんは直木賞授賞式(桜庭一樹「私の男」)へ。桜庭一樹さんは三代が揃って着物姿で出席され(桜庭さんの着物はお母様があつらえたもので「逸品」という噂が)、浅田次郎さんはスピーチでそれをネタにした話を。
「今日こちらに参りましたら、桜庭さんがいらっしゃったので、どうもこのたびはおめでとうございますとご挨拶を差し上げたのですが、よく見るとお母様でした。そのあともう一人お着物のかたがいらっしゃったので、こんどこそ間違いないと思っておめでとうございましたと申し上げましたら、おばあさまでした」
リップサービスにしてもちょっとそれは言い過ぎだと思うが(豊﨑さんは「ひっどーい!」と思わず叫んでいらっしゃった)それほど、親子孫三代そっくりだったらしい(このとき桜庭さんはいつものヘアスタイルではなく若奥様風だったことが影響したのかもしれない)。