Softbank 920P と904SH

 一月から二月にかけて、二度ほど旅行記を書きかけて、いい所まで行ったら、なぜかその編集結果が消えるというのが続いた。はてなダイアリーの編集画面の問題なのか、僕のブラウザの設定なのかはよく判らないが、突如として文章が消えて、バックアップにも残っていないという始末である。おかげで旅行記を書く気が皆目無くなってしまった。
 そんな訳で、旅行記は書く気が起きた時に譲り、今日は久々にガジェットの話である。
 携帯ユーザーの中には、「全部入り」マニアにカテゴリーされる人々が結構いる。スペックオタで、値段はおいておいて、とにかく機能が充実している機種を求めるユーザー達である。そんなユーザーの中で、最も支持された携帯の一つが、Softbank/Vodafoneの904SHでは無かっただろうか。日本最初のVGA画面、GSMによる海外通話、Bluetooth、ほぼフルブラウザ、GPS、VGA動画、高品質な光学ズーム付300万画素CCDカメラなど、2年前の発売ながら未だに機能は先端の部類である。
 僕もかなりの全部入りマニアであり、この904SHは発売以来長らく使っていた。904SHというのは余りに機能が揃っていたので、機種変すると機能が下がるという、実に機種変しにくい携帯である。ワンセグだのHSDPAだのと新機能に興味はあるのだが、シャープの後継機種は軒並みGSMが付いていなくて、920SHになって、GSMが付いた思えば、GPSが無かったりして、いまいち買い換える気が起きない。また、孫さんが進める薄型化・スタイリッシュ化に伴って、体積を食うCCDからCMOSにカメラが変わり、画素数は現状維持か、むしろ上昇したが、画質は劇的に低下した。東芝もなかなかいい感じだが、全般にGSMが付いていない。


[NIKON D80/ Nikkor 50mm F1.4]

  • ギラギラした外観。ここまでやるなら、むしろ高級デジカメの様に、マグボディとか金属そのものにするのも一興か。最近は2年位使わないと損する料金体系なのだから、素材も金属にして、2年使える筐体にするのは理にかなっている

 僕が全部入りで無くても携帯に求める機能はこんな所である。

  1. 高画質なカメラ(≠高画素。むしろレンズの性能と色合い)
  2. GPS(不案内な場所で多用する)
  3. GSM(海外で使えないと旅行に行けない)
  4. ミュージックプレイヤー(iPODとかを荷物増やしてまで持ちたくない)
  5. Bluetooth(ヘッドセットが無いと、携帯の躯体では長く話してられない)
  6. フルブラウザ(初めての場所で腹が減ったら、さくっとtabelogを検索・・しますよね)
  7. お財布ケータイ
  8. 2タッチ入力(ポケベル世代なもので・・ゆえに非対応のSONYがNG)

 この条件を満たすのが、2007-2008年冬モデルではDocomoのP905iだった。ケータイwatchやITMediaの記事を見る限りでは、カメラの画質も905シリーズの中ではベストの様である。それで、真剣に東海デジタルホン以来のアカウントをDocomoにMNPしようかと迷ったが、発売当初は品切れになっており、それでタイミングを失っている内に全く同じ様なスペックの機種がSoftbankから春モデルとして発売になった。これが920Pである。Samsungの920SCもカメラの画質が良くて考えたのだが、こいつには何故かお財布ケータイが付いていなかった。既にEdyもMobileスイカもnanacoも携帯に入れて、マイクロペイメントと公共交通機関料金をケータイ決済に依存している僕にとって、これは致命的である。
 前置きが長引いたが、てな訳で920Pが先週から家にある。904SHと比べると、最も重要な機能であるカメラは、これは残念ながら904SHの方がまともである。904SHは300万画素、920Pは500万画素だが、画素数アップの弊害がもろに出ている感じだ。大分縮小したブログ用の500×333dotsの絵で見ても、904SHの方が解像感が有り、スッキリとしている。これはCMOSでなくてCCDをセンサーに使っているメリットだ。一方で920Pは、AFがなかなか賢いのだが、青かぶりがあり、高画素にレンズが追いついていないので、細かい画像は苦手である。あと、肝心要のマクロ撮影機能がメニューのむちゃむちゃ判りにくい場所にある。ただ、他の携帯と比べると水準以上の絵であるのは間違いない。


[Panasonic 920P/ F2.8]

  • 青かぶりがひどかったので、カラーバランスを修正している。携帯の画像でこのひと手間は掛けたくない。ただ、悪くは無い。ぱっと見てデジカメの絵だと思う人も居るかもしれない。カメラヲタなら彩度が低く、空の色乗りの特徴から携帯とすぐ判るだろうが・・

ブラウザやワンセグといった辺りは、携帯におけるコンテンツとしてこの2年間最も進化した部分なので、ここは流石に最新の920Pに一日の長がある。あと、驚いたのが電波の掴みである。オフィスはSoftbankがイマイチ入らず、シャープだと0-1本、ひどい時には圏外になってしまうのが我がデスク周辺であり、これは会社から支給されたSoftbankをキャリアとする海外メーカー製スマートフォンでも同様であった。しかし、これが920Pだと2-3本の電波を掴むのである。通信はなかなかアナログ的な技術的難しさがあり、シャープの携帯は高機能だが通信周りはイマイチで、一方NECや富士通、パナソニックといった昔から通信に携わっているメーカーは、そこは得意というのを聞いてはいたが、ここまで違うとは思わなかった。お陰で「電話」としての使い勝手はぐんと上がった。Softbankにはシャープ製の携帯が多い。売れ筋を見ていると半分以上シャープに見える。僕も3台続けてシャープだった。
「ソフバン繋がらねー」とか言ってる諸兄、それはキャリアというよりは、シャープ製の携帯のせいかも知れない。Let's try.
 さて、これまで「全部入り」とかで色んな機能を追求してきたが、携帯としての本分である「電話」の機能を今回再認識した次第である。

920P night
[NIKON D80/ Nikkor 50mm F1.4]