今日の産経ニュース(12/31分)(追記あり)

■女性のウォーレン上院議員が米大統領選出馬へ
https://www.sankei.com/world/news/181231/wor1812310024-n1.html
 民主党内左派ということはあえていうと「ヒラリー*1よりはサンダースに近い」んですかね。
 彼女の今後の動きに注目したいと思います。
 それにしても、「このウォーレン氏」、大物ではあるのでしょうが、正直、「ヒラリーが民主党大統領候補になってなければ」この決断はなかったんじゃないか。今後は米国でもこのように「女性大統領候補」が珍しくなくなるのであれば大変いいことだと思います。


■衆院議員が大型バイクで転倒し重傷 滋賀
https://www.sankei.com/west/news/181231/wst1812310016-n1.html
 「自らの政界引退を招いた(幸い死亡事故にはならなかった、もちろん最悪の場合死亡する危険もあった)」谷垣氏*2の自転車事故もそうですが「責任ある立場にある」以上、こういう事故は避けてほしいと思いますね。
 まあ今回は重症と言っても「左足首骨折」なので政界引退だの、死亡事故だのそこまでの話ではないわけですが。


■米国がユネスコ離脱 中国の影響力増すことに
https://www.sankei.com/world/news/181231/wor1812310015-n1.html
 問題は
1)「パレスチナのユネスコ加盟」を理由に「イスラエル支持・米国がユネスコ脱退という無責任な態度をとること」
2)この件以外でもイスラエル支持を理由にパレスチナに対し米国が不当な態度をとること
3)(中国など加盟国が穴埋めに努めるのでしょうが)、米国の離脱のためにユネスコが財政危機に陥る危険性
であって「中国の影響力ガー」つう話じゃないでしょうに(呆)。

 ユネスコをめぐっては、中国が世界記憶遺産に申請していた「南京大虐殺文書」の登録を決めるなど政治的な偏向が問題視されている。

 おいおいですね。そんなことを問題にしてるのは安倍や産経のような歴史修正主義・日本ウヨだけでしょうに。


■フィリピンにまた「慰安婦像」 日本大使館が設置を確認
https://www.sankei.com/world/news/181231/wor1812310023-n1.html
 「安倍自民と産経はくだらないことをぐだぐだ言ってんじゃねえよ」としか思いませんね。設置したら何か悪いのか。まあ愉快かと言えば愉快ではないですが、日本に非があることで居直るなんてみっともないと思わないのか。
 

■拘置所でカップ麺の年越しそば、元旦は黒豆も ゴーン容疑者の勾留延長
https://www.sankei.com/affairs/news/181231/afr1812310019-n1.html
 「そうか、シマダヤの流水麺とかじゃなくて、どん兵衛とか緑のたぬきとかのカップ麺(カップラーメン)なんか」ですね。味気ない気がしますが、コスト面で、なかなか「カップじゃない麺」つうわけにもいかないんでしょうか。ちなみにシマダヤは「すごくうまい」わけではないですが、それでも「カップ麺よりはまし」だと思います。


■【2018政治記者座談会】(下)低迷続いた野党、反攻の近道は
https://www.sankei.com/premium/news/181231/prm1812310006-n1.html

中堅M
「野党で存在感を示したのは立憲民主党です。年末に衆参とも野党第一党となり、政党支持率も他の野党より高い。目立つのは政府・与党と対峙(たいじ)する姿勢です。」

 まあ野党が与党と対決するのは当たり前で、むしろ腰がふらついてる国民民主や「腰がふらついてるどころか完全に第二自民」維新の方がおかしい。
 ついでに書けば「1桁台」なので過大なことは言いませんが世論調査の野党支持率で「大抵2位になっている」のが現在は共産党です。維新や国民民主より上の訳です。
 立民の1位とあわせ考えれば、「野党らしい野党でないと支持率は伸びない」という話でしょう。当たり前の話ですが。与党に不満がある人間が通常野党を支持するわけですから、「ここが与党とは違う」ということがアピールできなければ支持は下がって当然です。

ベテランD
「いや、立憲民主党はだらしなさが目立ったよ。枝野氏は8月、ツイッターに『野党は反対ばかり、という趣旨の発言をしている報道関係者や評論家、国会議員は、嘘つきです』と投稿した。先の通常国会で審議された法案の8割に賛成したことを根拠にしているようだが、枝野氏らしい詭弁(きべん)だ」

 いやいやそれは詭弁でも何でもないですね。だらしなくもない。
「賛成すべき法案には賛成してるのに反対ばかりと言われるのは事実に反する。偏見だ。それとも自民を有利にするための自民シンパとしての攻撃か」つうのは全くその通りです。

中堅F
「立憲民主党は限界がみえています。入党や会派入りの希望者に(1)原発ゼロ(2)消費税増税の凍結(3)米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾=ぎのわん=市)の名護市辺野古移設反対−という3条件を示していますが、特に増税や辺野古移設は民主党政権時代に決めたことです。」

 まあ産経が立民の足を引っ張りたいがためにこう言ってるのは分かっています。
 とはいえ一方で、産経が言うように(1)〜(3)、すべて「民主党政権時にそんなこといってなかった」つう話ですからね。(3)に至っては「辺野古移設反対を堅持すべきだ」と主張した福島少子化等担当相(当時、社民党党首)を更迭し、反発した社民党の連立離脱を招いています。
 枝野氏*3は「鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相」と一貫して民主党政権の閣僚だったのだから「俺は鳩山内閣の福島大臣更迭や、消費税増税を決めたいわゆる三党合意(野田内閣)には関係ない」といえる立場ではありません。
 ここでの産経の指摘は「全くの言いがかりでデマ」というわけではありません。
 まあ、(1)について言えば、安倍ほど原発推進ではなく「脱原発の方向を展望してはいました」ので(2)、(3)に比べれば評価できますが。まあ、だからといって「立民なんか信用できない。共闘しない」つうほど俺も狭量ではない。社民、共産などもそこまで狭量ではないですが、立民に信頼性で疑問符がつくこと、であるからこそ立民の支持が伸び悩んでることは否定できないでしょう。

ベテランN
「『枝野独裁』への不満は徐々に渦巻き始めています。一般的に個人商店と呼ばれる政党は、党首のキャラクターで党名や政策の浸透が促され、党運営のガバナンスが効きやすいという特徴がある。しかし党内の亀裂が顕在化するとあれよあれよという間に瓦解(がかい)してしまうんですよ。渡辺喜美*4元金融担当相(66)が率いた旧みんなの党の末期がそうでしたから」

 菅*5最高顧問(元首相)、辻元*6国対委員長など枝野氏以外の著名人もいる以上「個人商店」とはいえないと思いますが。つうか「個人商店だったので崩壊した」つうのはむしろ「橋下政界引退後の維新」や「小池*7を党首に担いだが衆院選惨敗に終わり、あげく『都知事』小池に党首を辞任され、都政に逃げられて崩壊した希望の党(現在は国民民主党)」「希望の党失敗後、急速に支持が落ち、崩壊した都民ファースト」じゃないか。 
 そして枝野独裁つうほど彼は好き勝手やってるんですかね?。産経の言ってることでは、眉唾ですし、独裁というならむしろ安倍の方でしょう。

ベテランN
「わずか衆院当選4回で公党の党首になった経験は、長い目でみれば財産になるはずだよ。重い決断を迫られ、党内外の批判にさらされる厳しい立場は、同じ当選4回の自民党議員には経験できないはずだ。15年後、いや20年後には日本の政治を背負う…とまでいうとほめ過ぎか」

 産経が玉木*8や国民民主については枝野立民、志位共産、又市*9社民と違い「いずれ自民に協力してくれるんじゃないか」と期待感を抱いてることがうかがえます。
 なお、当選4回程度で公党の代表というなら、さんざん産経が「二重国籍疑惑」なんてげすな言いがかりつけてた「元民進党代表」蓮舫氏*10も同じです。

若手O
「去就が注目されるのは、野田佳彦*11前首相(61)です。立憲民主党が示す会派入りの3条件のいずれも、野田氏とは合致しそうにない。」
中堅M「立憲民主党ではいまだに野田氏に対し、24年に民主党政権が下野する衆院解散と総選挙を決断した『A級戦犯』と不信感が強い。党内には『旧民主党や民進党との違いを鮮明にしたからこそ、他の野党より支持が高い』との分析もある。野田氏らを受け入れたら支持率が下がるとの危惧もあります」

 このあたり確かに「野田が脱原発だの消費税増税反対だの飲むのか」「仮に飲んだとして信用できるのか」つう問題がありますね。野田は「最大野党立民」に入りたがってるようですが、「会派入り3条件」を支持する立民支持層において野田の評価は高くないでしょうから、M記者が指摘するように下手に入れると立民の支持率が激減した上に、『野田なんか入れるから支持率が下がった』などとして内紛を招くことにもなりかねません。
 まあ俺個人は立民を支持しておらず、共産支持なのも「そういう面で立民が今ひとつ信用できないから」ですね。
 さて産経が取り上げる野党はこれだけです。産経的には旧民進党系以外は「共産、社民、自由」だけではなく、「安倍に協力しているインチキ野党・維新の動向」も含めて、特に興味がないようです。

中堅F
「(ボーガス駐:野党にとって政権奪取の)一番の近道は橋下徹前大阪市長(49)の政界復帰だと思うけどなあ」

 ばかばかしい。「政治家として上がり目がない」と思ったからこそ橋下は「都構想住民投票敗北を機に」政治家引退したんでしょうに。その橋下にとって「石原*12と組んで、維新が最大の国会議席数を得た全盛期」以上の成果が期待できない限り、自らが政界復帰する選択肢はないでしょう。
 「火の粉を浴びない場所」で政治評論家的なことを言いながら、「維新の羽振りが良くなってきたら」政界復帰も考えるというスタンスが橋下でしょうが「維新の羽振りが大阪以外では良くない」のだから復帰するわけもない。大阪ですら「都構想は実現できず」維新はある種の限界にぶち当たっていますし。
 一方で立民、共産の支持率が比較的高いことで分かるように、多くの安倍批判派(野党支持者)が求めてることは「明確な安倍批判」です。安倍にすり寄る橋下のような怪しい人間ではない。
 まあ、産経が「自民寄りの橋下が野党の顔をして、政界復帰し、(国民民主の玉木や前原*13あたりと手を組んで)野党共闘を妨害し、安倍をアシストしてくれたらなあ」と希望してる事は分かりますが、今の状況ではその可能性は極めて低いでしょう。
 つうか、ここでのF記者の主張は、N記者の「みんなの党は渡辺喜美の個人商店だから失敗した」つう話と明らかに矛盾します。「橋下であれ、渡辺であれ、小池であれ」特定の個人の人気に依拠するなど邪道と言っていいし、ましてやその特定個人の人気が「実態のない空虚なもの」ならなおさら邪道です。


■【2018政治記者座談会】(中)日露交渉、憲法改正議論の先にあるのは
https://www.sankei.com/premium/news/181231/prm1812310005-n1.html

ベテランD
「今の国際情勢をみれば、安倍*14首相以外の人が首相になることを想像すると空恐ろしい。」

 「正気か」ですね。「歴史認識問題」などで悪化させた日中、日韓関係と言い、「拉致解決の兆しが見えない」日朝関係と言い、「北方領土返還」とぶちあげたものの、どう見ても島が帰りそうにない日露関係と言い「安倍が総理でなかったら良かった」「安倍による外交破壊が恐ろしい」と思うのが常人でしょう。
 安倍だから生じたことなんて「北方領土問題を理由としたロシアと経済協力へののめり込み」と「歴史認識問題などでの中韓との関係悪化」くらいしかなく、それらは「ロシアとの経済協力」はともかく中韓との関係悪化なんて評価できる話ではない。
 そのほかの問題は、(仮に評価するとしても)TPP11にせよ、日EU・EPAにせよ、他の何にせよ「安倍が総理だから実現した」つう話ではない。谷垣総理や石破総理などでも実現したでしょう。 
 大体、「安倍政権での外交」を評価するなら、「外交面だけで考えれば、安倍首相を支えた岸田前外相が総理・総裁の器だ」「外交面だけで考えれば岸田氏が総理総裁になれば安心だ」でしょうに。
 「岸田は安倍総理の言うがままに動いていたロボットで、岸田が総理では外交が心配だ」とでもいうのか?

ベテランJ
「安倍首相は外交・安全保障に実績が多い。」

 「安全保障」についていえば「戦争法制定」「軍拡」など「実績」はあるでしょう(俺はハト派としてそれらの実績を評価しませんが)。しかし、すでに指摘しましたが外交面で何の実績があるのか。
 むしろ「米朝首脳会談の立役者である文在寅*15韓国大統領」「一帯一路、AIIBを実現した習近平*16・中国国家主席」の方が「安倍なぞ比較にならないほどの歴史に残る実績」でしょう。
 あるいは「是非はともかく」、シリア問題で「アサド政権を支援し続け」、アサド政権打倒を画策する欧米に「政治的勝利を収めつつある」プーチン・ロシア大統領なども「優れた外交実績」でしょう(ここでいう「優れた」とは「アサド支援が正しい」という意味ではなく「欧米に対して政治的勝利を収めた手腕がすごい」という意味でしかないことを断っておきます)。
 「いい悪い」は別として安倍に「欧米が俺を非難しようが俺は俺の考える国益追求のために動く」つうプーチン的態度をとった上で政治的勝利を収めることが出来るのか。まず無理でしょう。
 正直、プーチン*17と安倍では「その政治手腕」がちがいすぎて北方領土交渉では「ただ手玉にとられてる」ようにしか見えません。

 米がトランプ政権の誕生で内向き志向になり、台頭する中国が身勝手な振る舞いをする中で、法の支配など戦後国際秩序の基軸をなす価値観の守り手*18として評価されている。安倍政権を批判する国内の左派は、国際的には安倍首相はリベラルな価値観の守り手であることに気付いていないか、意図的に見ないようにしているのだろう。

 やれやれですね。「安倍がリベラル派として国際社会に評価されてる」とは「安倍政権を支持する国内の右派は、国際的な安倍首相への批判に気付いていないか、意図的に見ないようにしているのだろう」でしょう。
 「靖国問題、慰安婦問題やロシア制裁問題、あるいは最近のIWC脱退」が非常にわかりやすいですが、これらの問題について「なぜ安倍は戦前礼賛的、極右的言動をして隣国との関係を悪化させるのか?」「なぜ安倍は欧米の対ロシア制裁に非協力的なのか。『戦後国際秩序と法の支配』を揺るがすロシアのクリミア侵略を容認する気なのか?」「なぜ安倍は捕鯨をやめないのか?」などと批判してるのは欧米諸国なのですが。

 『反安倍』というアンチでしかまとまれない人々は、55年体制への回帰を目指す『保守反動派』『守旧派』だ

 ばかばかしい。誰も「55年体制の回帰」なんか目指してませんが。橋本*19、小渕*20内閣など過去の歴代自民党政権と比べてすらも、極右内閣だからこそ批判してるだけです。

中堅F
「ただし、今の安倍政権には『レガシー(遺産)』がない。」

 安倍や産経的には「戦争法制定」「特定秘密保護法制定」「入管法改定による移民政策の転換」などでは安倍にとって

・鳩山*21首相の日ソ国交正常化と国連加盟
・佐藤*22首相の日韓国交正常化と沖縄返還
・田中*23首相の日中国交正常化

のような「レガシー」ではないようです(まあ別にレガシーなぞ創らなくても善政さえすればそれでいいのですが)。
 そこでレガシーとしての「改憲」「北方領土返還」が出てくるわけです。もはや安倍にとって拉致はレガシーの対象ではないでしょう。

中堅K
「北朝鮮による日本人拉致問題は進展がないが、ロシアとの北方領土交渉は大きく前に動かそうとしています」
ベテランJ
「政府は拉致問題について、米朝交渉を突破口に日朝対話につなげようとしたが、現状では見通しが立っていない。その分、北方領土問題の解決を『レガシー』として残すため、日露交渉に前のめりな印象を受ける」

 拉致問題が全く動いてないこと、おそらく安倍が動かす気もないことは、産経も認めるわけです。まあ、北方領土問題だって動いてるとは思いませんが。

ベテランD
「北方領土交渉で『(歯舞=はぼまい=群島と色丹=しこたん=島の)2島先行返還』を危惧する声があるけど、近未来的に領土問題の解決は、安倍首相とロシアのプーチン大統領が両国のトップである間にしか実現できないだろう。原理原則は大事で、四島の帰属問題を前提とする立場を変える必要はないけれど、今のままでいいはずはない。それでも四島一括返還を訴える人は、もう一度ロシアと戦争をおっぱじめるつもりかね」

 そりゃ「近未来」で解決するなら「現総理・安倍&現大統領プーチン」でしょうが「近未来のウチに島が一つでも帰ってくるか」は甚だ疑問です。
 安倍批判派は必ずしも「四島一括返還論」ではない。安倍のやり方ではプーチンに手玉にとられて、一島も戻らない可能性が高いから批判するわけです。何せ日本が「二島先行返還でもいい」と譲歩してもプーチンには何ら譲歩が認められないからです。「二島返還で打ち止め」どころか「二島も返還されないで終わり」の可能性が否定できない。
 かつ「安倍&プーチン」が島返還に有利という保証もない。「ポスト安倍&ポストプーチン」が誰か分からない以上、そしてプーチンの島返還の意思が怪しい以上、むしろ「ポスト安倍&ポストプーチン」の方がましかもしれません。
 それにしても「四島一括返還論」を「日露戦争をやりたいのか」とは非常識ですね。なんでそういう理解になるのか。四党一括返還論て日本政府の従来の立場でしょうに。
 まあいずれにせよこういうことを言う産経はさすがに一部の反ロシア極右と違い「戦争してでも取り戻すべきだ」とは思ってないわけです。まあ、仮にロシア軍に勝てるとしても*24、日露関係は最悪になるし、日本が国際的批判をあびますからね。
 1945年の戦争時ならまだしも、「70年後の平和な時期」に戦争なんぞしたら「日本は野蛮だ。いくらロシアに非があるからと言ってこんなことは許されることではない」として国連安保理の経済制裁すら日本に発動されかねません。つうか「死文化しているとはいえ」未だいわゆる「国連憲章の敵国条項」は正式には廃止されず「形式的には有効」なのでロシア相手に戦争など開始したらマジで敵国条項の正式発動になりかねません。

若手I
「ただ、ある保守系議員は『プーチン氏は油断ならない政治家だ。2島すら戻ってこず、経済協力だけを引き出されるのでないか』と懸念していましたよ。」

 そりゃそうでしょう。
 プーチンは

・クリミア編入と言い、シリア内戦介入と言い、欧米を敵に回し一歩も引かない外交巧者
・国内外から批判を浴びながらも2000年から18年間の政権の座にある実力者。
 一時「大統領三選禁止規定を逃れるため」忠実な部下のメドベージェフ(当時、第一副首相。現在、首相兼与党「統一ロシア」党首)を大統領にしたが、自分は首相兼与党「統一ロシア党首」となり、万が一メドベージェフが首相解任で自分を裏切ろうとしたときでも「与党党首」として対抗できるようにした切れ者
・米国大統領選挙違法介入、リトビネンコ暗殺疑惑など非合法行為の疑いすらある人物

です。「日本がいいように手玉にとられ、プーチンからは島など帰ってこず、『日露経済協力で利益が出たんだからいいじゃないですか、島なんかポストプーチン(またメドベージェフ?)、ポスト安倍に引き継ぐ将来的課題で』で終わっちゃう」可能性を危惧しなかったらその方がおかしい。

中堅C
「党内では『憲法改正を訴えても票にならない』という声を頻繁に聞きました。」

 つまり安倍と取り巻きの極右連中以外改憲なんかやる気がないわけです。自民党支持層ですら護憲派は少なくないですからね。

中堅F
「来年、外交で対ロシアや対北朝鮮で成果があがれば、ダブル選とみる向きがある。』

 まあ成果は上がらないでしょうねえ。それでも安倍がダブル選挙に打って出るかどうかはともかく。

ベテランJ
「そのシナリオなら、安倍首相の任期中の憲法改正にも望みがつながるのでないか」

 「そのシナリオ=ダブル選挙」ですがそういう奇策を使わないと「衆参で自民、公明、維新など改憲派で総議席数の2/3が確保できない(改憲できない)」、そして国民どころか自民党内ですら改憲ムードは低いと思ってるのなら改憲なんかすべきじゃないでしょう。


■【2018政治記者座談会】(上)自民党総裁選 地味な「消化試合」の裏で権力闘争
https://www.sankei.com/premium/news/181230/prm1812300014-n1.html

若手A
「党内7派中5派*25が早々と首相の支持を表明し、与党幹部は消化試合と評していました。『ポスト安倍』が誰か見えぬまま終わったのは寂しい」

 いやいやそれでも石破が出馬し、党員票でも議員票でも健闘、善戦したことで「ポスト安倍の最有力候補=石破*26」となったことは疑いないでしょう。
 「派閥ボスである岸田*27や石原*28」も一応「ポスト安倍候補」でしょうが彼らは出馬しなかったことで評価を落としました。もちろん、安倍が岸田らに「禅譲する保証」もありません。

ベテランB
「岸田氏は総裁選への態度表明が7月下旬までずれ込みました。優柔不断さをみると『宰相の器』というより『最小の器』という称号がふさわしい。」

 事情はどうあれ、安倍支持を表明した御仁にずいぶんと失礼なもんです。

中堅F
「注目すべきは、党員・党友票の得票率が首相55%、石破氏が45%だったことです。つまり、首相への批判票が党員にすら45%もある。首相3選の流れは見えていただけに、党員はお灸をすえる目的で石破氏に投票したのでしょう。この結果を国民全体に広げれば首相批判はもっとあるともいえる。来年夏の参院選は、政権選択でなく与党にお灸を据える傾向が強いことも合わせれば、自民党は苦戦するのでないか。野党の状況次第ですが」

 珍しく産経がまともなことを言っています。阿比留や櫻井よしこなどはこうした石破評価、安倍政権評価に「石破びいきだ」「安倍政権への不当なネガキャンだ」などと反発していましたが、産経にも「ある程度まともな記者」はさすがにいるわけです。

ベテランD
「石破氏は総裁選で改めて底の浅さが明らかになったよ。」

 いやー、安倍に比べたら石破の方がずっとましでしょう。「岸田や石原伸晃など自民党内のライバル」「立民・枝野代表など野党幹部」と比べても石破が「一番いい」とまでは言いませんが。

中堅F
「僕も気になったのは、石破氏の人間関係の希薄さです。前回出馬した24年総裁選よりも、石破氏が獲得した議員票は減った。」

 いやいやそれは人間関係の希薄さとは関係ないですね。F記者も「石破の党員票を考えれば安倍政権は必ずしも安泰ではない」とまともなことを言ったかと思えばとんちんかん発言です。
 前回は「安倍は現役の総裁」ではありませんでした。今回は現役の総理・総裁で「党内のほとんどの派閥のボス(二階*29幹事長、岸田政調会長、麻生*30副総理・財務相など)」が安倍支持を表明もしていた。この状況で議員票が増えたらその方が奇跡です。

20人の推薦人を集められず、出馬できなかった野田氏*31はどうか。

 まあ、産経の野田評価の紹介は省略しますが、野田にとってネックなのは1)女性であること、2)派閥ボスでないことですね。浜田靖一*32元防衛相、小此木八郎前国家公安委員長が野田支持で動いたそうですが、彼らは無派閥であって「野田をボスとする野田派の幹部」ではないわけです。

*1:オバマ政権で国務長官

*2:小泉内閣国家公安委員長、財務相、福田内閣国交相、自民党政調会長(福田総裁時代)、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*3:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相、民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)などを経て立憲民主党代表

*4:第一次安倍、福田内閣で金融担当相

*5:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相を経て首相

*6:社民党政策審議会長、国対委員長、鳩山内閣国交副大臣、菅内閣首相補佐官(災害ボランティア担当)、民主党政調副会長、役員室長、民進党幹事長代行、立憲民主党政調会長などを経て立憲民主党国対委員長(副代表兼務)

*7:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*8:民主党政調副会長、民進党幹事長代理、希望の党代表などを経て国民民主党代表

*9:社民党幹事長、副党首を経て党首

*10:菅、野田内閣行政刷新担当相、民主党代表代行(岡田代表時代)、民進党代表を経て立憲民主党参院幹事長(副代表兼務)

*11:鳩山内閣財務副大臣、菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)など歴任

*12:福田内閣環境庁長官、竹下内閣運輸相、都知事、維新の党共同代表、次世代の党最高顧問などを歴任

*13:鳩山内閣国交相、菅内閣外相、野田内閣国家戦略担当相、民主党政調会長(野田代表時代)、民進党代表など歴任

*14:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*15:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*16:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*17:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*18:つまり「安倍が無法者・中国とバトルしている」といいたいようですが、一帯一路支持表明を考えるだけでも事実に反する言明です。

*19:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*20:竹下内閣官房長官、自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相

*21:田中義一内閣書記官長、犬養、斎藤内閣文相を経て首相

*22:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相、科学技術庁長官などを経て首相

*23:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*24:もちろん勝てる保証はありませんが

*25:石破派、竹下派を除く細田派(安倍の出身派閥)、二階派、麻生派、岸田派、石原派のこと

*26:小泉内閣防衛庁長官、福田内閣防衛相、麻生内閣農水相、自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*27:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*28:小泉内閣国交相、自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*29:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*30:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*31:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相など歴任

*32:麻生内閣で防衛相