はてなブログでは未来日付の記事は「原則としては」書かないことにします、他(追記あり)

【最初に追記(2019年2/15記載)】
bogus-simotukareのブログということでココログにもブログを作ったので紹介しておきます。
ただ「今のところはてなの方が書きやすい(ココログだと脚注のつけ方がよく分からない、エンターキーで改行すればはてなだとそのまま改行になるが、ココログだとそうならない)」ということではてなの方で書くことが多いかと思います。
【追記終わり】
【2022年2月6日追記】
北朝鮮拉致問題で「大きな動きのあった年」に「何があったか」を振り返る - bogus-simotukareのブログとして未来日付の記事を書きましたが、「拉致が一定の解決を見た日(あるいは家族会が、蓮池透氏と和解し、救う会と絶縁し正常化した日)」には削除の予定です。
 https://bogus-simotukare.hatenadiary.jp/entry/2022/01/22/151801については「いったん書いた」ものの、「残しておくほどの記事でもないかな」と考えが変わったので削除することにします。
【追記終わり】
【2023年6月9日追記】
 「紙屋研究所」名義で俺に悪口雑言するコメントがつきましたが
1)「ブログでしか物が言えない内弁慶は黙れ」云々と「内容が無内容」
2)本物の紙屋がすこぶる怪しい(掲載してることが紙屋への風評被害になりかねない)
と思い削除しました。
【追記終わり】
 bogus-simotukareのブログでは未来日付の記事も書いていたのですが、はてなブログだと未来日付記事がたくさんあると、新規記事を書いてもそれが目立たず非常に見づらい気がするので、基本的には未来日付記事は書かないことにしたいと思っています。なお、この文章は2019å¹´1月28日に書いています(これは、目立つところに置いた方がいい「お断りの文章」なので未来日付の記事ですが。なお、俺が勘違いしてるのかもしれませんが「あまり遠くの未来日付」だといろいろと作業が厄介な様なので「2019å¹´1月28日の約1年後」にしています。しかし、当然ながら、冒頭にいつも表示される様に適宜、日付の設定は変更する予定です)。
 http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/25000101/1256334886:title(残念ながらはてなダイアリーが消滅したのでリンク切れ。sorarisu0088氏への謝罪文)ですが、id:Bill_McCrearyさんのご教示(2019年8/18)によれば結局はてなダイアリーは2019年7月末日でなくなったそうです(事前に連絡がなかったか、連絡があったが小生が見落としていたのでしょう。それにしても全削除の決定が随分早かったなと言う気はします。もちろん停止したサービスをそのようにすることは予想できたことではありますが)。
 id:Bill_McCrearyさんご教示ありがとうございます。
 以前、

1)はてな社の方針では当面、はてなダイアリー記事は「更新やコメントはできないが」記事自体は残る
(もちろん、最終的にははてな社が「やはり削除」という方針にする可能性もゼロではないでしょうが将来的な問題はひとまずおきます。その場合、さすがにはてな社は事前広報くらいするでしょう。その場合はこちらに謝罪文を移そうとは思います)
2)はてなブログにまで過去の恥をさらしたくない(まあ俺個人のくだらない感情論ですが)
つうことで、まあこの記事での「謝罪相手」である御仁が「どうしてもブログにまで謝罪文そのものを残せ」と言ってくるならまた話も別ですが、「ここにお断りの文章を載せること」で「謝罪文そのもの」はここにはひとまず載せないことにします。

としたので「弱ったな」というのが正直な感想です。本当に「過去のはてなダイアリー」がきれいすっかりなくなっている上に、小生はこの謝罪文を別に「ワード文書など他の文書」の形で保存していません。なので謝罪文を正確に復元しようがない。
 無理に思いつきででっちあげてもかえって問題でしょう。つうことでsorarisu0088氏から「こういう文面で乗せろ」つう要望がない限り、とりあえずこのままにしておこうかと思います(こちらから彼に問い合わせるのは挑発行為と認識される危険性がある気がするのでそれはしません。彼が小生に対して何のアプローチもしなければ、今の彼にとって小生が「どうでもいい存在である」ということなのでしょうから)。「sorarisu0088氏と小生が過去にトラブって、小生が非を認め謝罪文を掲載した」ということだけはここに指摘しておくので、それでご容赦、ご勘弁願いたいと言うのが正直な感想です。

【2019年1月29日追記】
 早速、移行後、コメント設定を修正。
 コメントは通常設定だと「はてなユーザー」という設定ではてなユーザーしかコメントできないようですね(コメントするときははてなのID、パスワードでログインする)。
 当然(?)ながら「俺にとってはてなユーザーにコメント者を限定する理由がない」、というか従来コメント頂いていた方々はおそらく「ほとんどがはてなユーザーじゃない」ので「ゲスト(誰でもコメント可能)」に変更します。しかし通常設定は「ゲスト」であるべきじゃないんですかね。
 俺みたいなうっかりは「はてなユーザー設定」に気づかず、「何で移行前にコメントしてくれた方たちがコメントしてくれないんだろうな」と悲しむという皮肉なことになりかねません。いや「はてなユーザーを増やしたい」という企業の立場からは、一理ある「通常設定」でしょうけどね。
 「はてなブログーユーザーの利便性をなんだと思ってるんだ!」つう反発は感じます。

北朝鮮拉致問題で「大きな動きのあった年」に「何があったか」を振り返る

 拉致限定であり、「金丸訪朝(1990年)」「南北朝鮮国連ダブル加盟(1991年)」「カーター訪朝による米朝合意(1994年)」「金大中・金正日首脳会談(2000年)」「トランプ・金正恩首脳会談(2018年)」など『拉致と直接関係ない』北朝鮮ニュースは取り上げません(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)。赤字が朝鮮半島関係です。

【1977年:横田めぐみ拉致など拉致事件の発生(福田赳夫内閣:外相は日中平和友好条約(1978年)を締結した園田直氏(大平、鈴木内閣でも外相)など)】
1977年 - Wikipedia、1977年の日本 - Wikipedia
◆1月20日
 カーター大統領就任。
◆1月27日
 ロッキード事件丸紅ルート初公判。31日全日空ルート初公判。
◆6月13日
 全米女子プロゴルフ選手権で樋口久子が優勝、日本人初の世界タイトルを獲得。
◆7月13日
 津地鎮祭訴訟の最高裁判所大法廷判決
◆7月17日
 キャンディーズが日比谷野外音楽堂で行われたコンサートで「普通の女の子に戻りたい」と解散することを宣言
◆8月12日
 文化大革命終結宣言
→なお、毛沢東の死去は1976年9月9日。四人組の逮捕は1976年10月6日。文革で失脚していた鄧小平の復活(党副主席、副首相、人民解放軍総参謀長への就任)は1977年7月。
◆9月3日
 巨人の王貞治選手が対ヤクルト戦でホームラン世界新記録の756号を達成
◆9月5日
 国民栄誉賞が創設される。王貞治が第1回目の受賞者
◆9月28日
 ダッカ日航機ハイジャック事件が発生。
◆10月1日
 経営難に陥っていた安宅産業を伊藤忠商事が吸収合併
◆10月15日
 長崎バスジャック事件で犯人1名を射殺、人質は全員無事
◆11月19日
 エジプトのサダト大統領がイスラエルを訪問(アラブ諸国の元首として初のイスラエル訪問)。
◆11月22日
 プロ野球ドラフト会議でクラウンライターライオンズが法政大学の江川卓を指名するも、江川本人が12月3日に拒否(江川事件の始まり)
◆12月3日
 横浜市の飛鳥田一雄市長が日本社会党委員長就任を受諾。
◆12月25日
 喜劇王、チャールズ・チャップリン死去(享年88歳)

【1988年:橋本敦質問及びそれに対する梶山国家公安委員長、宇野外相答弁(政府が初めて公式に北朝鮮拉致疑惑を認める)(竹下内閣:外相は宇野宗佑氏(後に首相))】
1988年 - Wikipedia、1988年の日本 - Wikipedia
◆2月6日
 衆議院予算委員会で浜田幸一予算委員長が日本共産党の宮本顕治議長について「殺人者」と不規則発言。委員長辞任(2月12日)に追い込まれる
◆2月25日
 韓国の盧泰愚大統領が就任

◆3月24日
 中国で起きた上海列車事故で、修学旅行中の高知学芸高校の生徒と教師計28名が死亡。
→橋本敦質問ではこの件についても「日本政府の適切な対応」を求める質問がされたと記憶しています。
◆3月26日
 参議院予算委員会で日本共産党の橋本敦が拉致疑惑について質問。これに対し竹下内閣国家公安委員長の梶山静六は北朝鮮による拉致の疑いが濃厚との見方を示し、真相究明のために全力を尽くす考えであることを表明した。これは北朝鮮による日本人拉致疑惑を政府が認めた初めての公式答弁である
(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆4月14日
 ソ連がアフガニスタンからの撤退に関して合意(ジュネーヴ合意)。翌年2月15日迄に撤退を完了。
◆6月18日
 朝日新聞がリクルートによる川崎市助役への未公開株譲渡を報道し、リクルート事件発覚
◆7月3日
 イラン航空655便撃墜事件。イラン航空655便がアメリカ海軍のイージス艦「ヴィンセンス」に撃墜され、乗員乗客290名全員が死亡。
◆7月23日
 なだしお事件。遊漁船「第一富士丸」と海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が衝突、死者30名。8月25日には瓦力防衛庁長官(竹下内閣)が引責辞任
◆8月8日
 ビルマで、8888民主化運動が発生。
◆8月20日
 イラン・イラク戦争停戦が正式に成立。
◆9月17日
 ソウル五輪開幕(10月2日まで)

→前年(1987年)の「北朝鮮による大韓機爆破」はソウル五輪に対する妨害工作であったというのが通説的見解でしょう。
◆9月18日
 ビルマでソウ・マウン国軍総参謀長がクーデターにより全権掌握。国家法秩序回復評議会を設立。
◆11月8日
 米国大統領選挙でジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュが当選。
◆12月2日
 パキスタンでベナジル・ブットが首相に就任。イスラム国家では初の女性首相となる。
◆12月9日
 宮澤喜一蔵相(竹下内閣)がリクルート疑惑で辞任
◆12月21日
 リビアによるパンアメリカン航空103便爆破事件。

【1997年:安明進証言(横田めぐみ拉致)とそれを契機とした家族会結成(橋本内閣:外相は小渕恵三氏など(後に首相))】
1997年 - Wikipedia、1997年の日本 - Wikipedia
◆1月2日
 ナホトカ号重油流出事故
◆2月3日
 この日発売の産経新聞と週刊誌アエラ(朝日新聞社)が「安明進証言(横田めぐみ拉致)」を報道
◆2月8日
 この日放送のテレビ朝日「ザ・スクープ」が「安明進証言(横田めぐみ拉致)」を報道

(2月3日、8日の件についてはけっきょく「横田めぐみ拉致問題における安明進証言」などというものにのっかったのが、高世仁が会社をこかした淵源(の少なくとも1つ)ではないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)
◆3月25日
 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」結成
(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会 - Wikipedia参照)
◆4月1日
 消費税増税実施(3%から5%に)
◆4月2日
 最高裁が愛媛県靖国神社玉串料訴訟で違憲判決
◆4月22日
 ペルー日本大使館公邸に特殊部隊突入、人質全員解放(ペルー日本大使公邸占拠事件)。
◆5月1日
 イギリス総選挙で労働党が勝利。翌日、党首のトニー・ブレアが首相に就任、労働党は18年ぶりの政権奪還を果たした
◆7月1日
 香港返還
◆8月1日
 連続射殺事件の死刑囚で小説家として活動していた永山則夫の死刑が執行される。
◆9月11日
 第2次橋本改造内閣発足。ロッキード事件で有罪が確定した佐藤孝行が総務庁長官で初入閣したが、世論の批判で9月22日に辞任。
◆9月18日
 ヤオハンが倒産、会社更生法を申請
◆10月8日
 金正日、朝鮮労働党総書記に就任。

◆11月16日
 サッカー日本代表が延長戦の末3-2でイランを下し、ワールドカップ(フランス大会)初出場を決める。(ジョホールバルの歓喜)
◆11月17日
 北海道拓殖銀行が経営破綻
◆11月22日
 山一證券が経営破綻
◆12月1日
 地球温暖化防止京都会議開幕。11日、京都議定書が採択される。
◆12月19日
 韓国大統領選挙で、金大中が当選

◆12月20日
 伊丹十三(俳優、映画監督)が自殺。

【2002年:小泉訪朝(第一次)&八尾恵『謝罪します』刊行(有本恵子拉致への関与を認める)(小泉内閣:外相は川口順子氏(小泉訪朝(第一次)当時))】
2002年 - Wikipedia、2002年の日本 - Wikipedia
◆1月23日
 雪印牛肉偽装事件発覚。8月6日には日本ハムも発覚。
◆1月29日
 ブッシュ大統領が、一般教書演説で北朝鮮、イラン、イラクを非難する「悪の枢軸」発言

◆2月8日〜24日
 ソルトレイクシティ五輪
◆3月18日
 自民党の鈴木宗男衆院議員が「ムネオハウス疑惑」などで離党
◆3月28日
 社民党の辻元清美衆院議員が、秘書給与流用問題で議員辞職
◆4月2日
 鈴木宗男事件への関与から、東郷和彦オランダ大使を罷免
◆4月9日
 加藤紘一元自民党幹事長が元事務所代表の脱税疑惑や自身の政治資金流用問題の責任を取り、議員辞職。
◆5月3日
 朝日新聞阪神支局襲撃事件(1987年)の時効成立(当時、殺人の時効は15年、現在は時効が撤廃された)
◆5月5日
 フランス大統領選挙決選投票で現職のジャック・シラクが再選
◆5月8日
 北朝鮮からの亡命者が中国瀋陽にある日本の総領事館へ駆け込む事件が発生

◆5月20日
 東ティモールが独立。21世紀初の独立国。9月27日には国連加盟
◆5月28日
 経済団体連合会(経団連)と日本経営者団体連盟(日経連)が統合、日本経済団体連合会(日本経団連)が発足
◆5月31日〜6月30日
 2002 FIFAワールドカップ(日本・韓国の共同開催)

◆6月19日
 鈴木宗男衆院議員を収賄容疑で逮捕
◆8月9日
 田中眞紀子前外相が公設秘書給与流出疑惑の責任を取り、議員辞職
◆8月26日
 南アフリカのヨハネスブルクで持続可能な開発に関する世界首脳会議(地球サミット2002)が開幕。
◆8月30日
 小泉首相が9月17日に、北朝鮮を訪問することを表明
◆9月2日
 日本海中部海域不審船事件。
◆9月17日
 小泉首相が訪朝。日朝首脳会談で金正日国防委員長(朝鮮労働党総書記)が日本人拉致問題を公式に認めた。

◆10月8日
 小柴昌俊東京大学名誉教授にノーベル物理学賞が決定。翌日には田中耕一島津製作所社員にノーベル化学賞の受賞が決定
◆10月12日
 インドネシアのバリ島で爆弾テロ事件が起こり、202人が死亡
◆10月15日
 北朝鮮に拉致された日本人5人が帰国。

◆10月23日
 モスクワで劇場が占拠される事件が起こり、特殊部隊の強行突入で一般人129人が死亡。
◆10月25日
 石井紘基・衆院議員刺殺事件
◆11月14日
 アルゼンチン政府が世界銀行向け債務の不履行(デフォルト)を発表した。
◆12月19日
 韓国大統領に盧武鉉が当選

【2004年:小泉訪朝(第二次)(小泉内閣:外相は川口順子氏(小泉訪朝(第二次)当時)など)】
2004年 - Wikipedia、2004年の日本 - Wikipedia
◆1月19日
 自衛隊イラク派兵(初めての陸上自衛隊の戦闘地域への派兵)
◆2月12日
 秘書給与の流用による詐欺罪に問われていた辻元清美前衆議院議員に対し、東京地裁が懲役2年、執行猶予5年の判決。検察、被告とも控訴せず、判決が確定
◆4月7日
 イラク日本人人質事件発生
◆5月7日
 年金未納問題で、福田康夫官房長官が辞任
◆5月22日
 小泉首相が北朝鮮を再訪問。日朝首脳会談が行われ、拉致被害者・蓮池夫妻、地村夫妻の家族5人が帰国。

◆5月27日
 イラクで取材中の日本人フリージャーナリスト2名が乗った車が銃撃され、殺害される。
◆7月1日
 中国の「高句麗前期の都城と古墳」、北朝鮮の「高句麗古墳群」、日本の「紀伊山地の霊場と参詣道」などがユネスコの世界遺産に登録
◆7月9日
 インドネシアのジャカルタで拉致被害者・曽我ひとみが夫であるジェンキンスら家族と再会。18日には家族が日本に帰国(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆7月21日
 小泉首相と韓国の盧武鉉大統領が済州島で会談。

◆7月30日
 扇千景が女性初の参議院議長に就任
◆8月13日
 アテネ五輪開幕(29日まで)。
◆8月13日
 沖縄国際大米軍ヘリ墜落事件。
◆9月14日
 2001年に発生した大阪教育大学附属池田小学校襲撃事件(8名殺害)で死刑が確定していた加害者の死刑が執行される
◆10月23日
 新潟県中越地震。死者68名
◆11月11日
 パレスチナ自治政府のアラファト大統領死去。
◆12月17日
 小泉首相、鹿児島県指宿市で盧武鉉韓国大統領と会談

【2014年:いわゆるストックホルム合意&横田夫妻と孫・ウンギョンさんの面会(第二次、第三次安倍内閣:外相は岸田文雄氏(現首相)、拉致担当相は古屋圭司、山谷えり子(国家公安委員長の兼務))】
2014年 - Wikipedia、2014年の日本 - Wikipedia
◆1月13日
 アントニオ猪木参議院議員、2013年11月以来となる北朝鮮訪問

◆1月19日
 沖縄県名護市長選挙で、名護市辺野古地区への普天間基地からの米軍移転反対派で現職の稲嶺進が再選
◆1月28日
 下村博文文部科学大臣、中学校と高校の学習指導要領解説書を改定、中学校の社会科、高校の地理歴史と公民に、尖閣諸島と竹島を「固有の領土」と明記したことを正式に発表。1月29日には韓国では慶尚北道が管轄する竹島に、金寛容・慶尚北道知事が上陸。前日に発表された学習指導要領解説書記載内容に抗議する声明を発表

 理化学研究所が「STAP細胞」の作成に成功したと発表(しかし、後に小保方研究員による捏造の疑いが発覚、発表が撤回される)
◆2月1日
 小学館の学年別学習雑誌に1978年から掲載されていた漫画『あさりちゃん』(室山まゆみ作)がこの日発売の小学二年生3月号を以って35年に及ぶ連載を終了
◆2月5日
 桐朋学園大学非常勤講師の新垣隆が、自らが作曲家・佐村河内守のゴーストライターを18年間務めていたことを発表したことを受け、予定されていた佐村河内の全国ツアーが中止となり、レコード会社の日本コロムビアがCDの出荷やインターネット配信を停止するなどの影響。
 ビッグコミックオリジナル(小学館)に1973年から掲載されてきた野球漫画『あぶさん』(水島新司作)が41年間に及ぶ連載を終了
◆2月7日~23日
 ソチ五輪
◆2月9日
 東京都知事選挙で、自民党、公明党の支持を受けた元厚生労働大臣の舛添要一が初当選
◆2月17日
 北朝鮮の人権状況を調査した国連調査委員会が日本人拉致や公開処刑など残虐な人権侵害行為を挙げ、北朝鮮が国家として組織的に「人道に対する罪を犯した」と非難する最終報告書を公表。国連安全保障理事会に対し、国際刑事裁判所に付託するよう勧告

◆2月22日
 デモ隊が大統領府を封鎖、ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領がロシアへの亡命に追い込まれる。議会は亡命したヤヌコーヴィチを正式に大統領から解任し、5月25日の大統領選挙開催を決定。2月24日、多数の市民を殺害した容疑で、ヤヌコーヴィチと側近を指名手配(2014年ウクライナ騒乱)。
◆2月24日
 外務省が『日本海が19世紀初頭から国際的に確立された唯一の呼称であり、近年になって日本海の単独呼称に異議を唱え「東海(トンへ)」併記を求める韓国の主張は根拠がない』とする主張を同省ウェブサイトにて開始

◆3月1日
 中国雲南省昆明市の昆明駅前で無差別殺傷事件発生、少なくとも29人が死亡。中国公安部は新疆ウイグル自治区の独立を狙う組織による計画的なテロ事件と断定、現場で容疑者の男女4人を射殺、女1人を逮捕
◆3月2日
 沖縄県石垣市長選挙で、陸上自衛隊の石垣島配備に柔軟姿勢を取る現職の中山義隆が、配備反対派で元市長の大濵長照を破り再選
◆3月10~14日
 モンゴルのウランバートルで横田夫妻が孫であるウンギョンさん(拉致被害者・横田めぐみの娘)と面会
◆3月16日
 北朝鮮により日本海側に10発のロケット砲が発射

◆3月18日
 ロシアのプーチン大統領が、ウクライナからの独立を宣言したクリミア自治共和国のロシアへの編入を表明
 中国と台湾の間に結ばれたサービス貿易協定に反対する学生が台湾立法院(国会)を占拠。4月10日に退去(ひまわり学生運動)。
◆3月26日
 北朝鮮、中距離弾道ミサイル「ノドン」2発を日本海に向け発射

◆3月27日
 静岡地裁、袴田事件の犯人として48年前に逮捕され、34年前に死刑判決が確定し拘置されている袴田死刑囚について、「重要な証拠が捜査機関に捏造された疑いがある」として、再審開始を認め、同時に「拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」との理由で刑と拘置の執行停止も決定、即日釈放。
◆3月31日
 国際司法裁判所、オーストラリアが日本の南氷洋における調査捕鯨を国際捕鯨取締条約違反として訴えた裁判で日本の調査捕鯨は「研究目的ではない」と述べ、条約違反と認定、今後実施しないよう命じる判決を下す
 フジテレビ『森田一義アワー 笑っていいとも!』が放送終了。1982年の放送開始から31年半の歴史に幕を下ろす。
◆4月1日
 消費税が5%から8%に増税
 武器輸出三原則に代わる新たな政府方針として防衛装備移転三原則を制定
◆4月7日
 渡辺喜美みんなの党代表、化粧品会社DHCからの8億円借入金問題を受け、党代表を辞任
◆4月16日
 クルーズ旅客船「セウォル号」が沈没、死者299人

◆5月22日
 タイ軍がクーデターを宣言。憲法を停止。
◆5月29日
 北朝鮮当局による拉致被害者再調査がストックホルムでの日朝協議により合意
(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆5月30日
 内閣官房に内閣人事局を設置。初代局長には内閣官房副長官の加藤勝信を任命
◆6月12日〜7月13日
 2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会
◆6月16日
 石原環境相が東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染廃棄物を保管する国の中間貯蔵施設建設をめぐり難航している福島県側との交渉について「最後は金目でしょ」と述べ、最終的に交付金など金銭で解決するとの見方を示したことに対し、佐藤雄平福島県知事らが批判。19日に発言を撤回し謝罪
◆6月21日
 富岡製糸場の世界文化遺産登録決定
◆6月26日
 終戦前後に現在の北朝鮮地域で死亡した日本人の遺族9人が墓参のため北京経由で北朝鮮に到着、7月5日迄滞在
◆7月1日
 北京で日朝局長級協議

 臨時閣議において、集団的自衛権の行使を条件付きで認める憲法解釈の変更を閣議決定
◆7月3日
 習近平・中国国家主席、国賓として韓国を初訪問。朴槿恵大統領とソウルの大統領府で会談。共同声明で、北朝鮮による「朝鮮半島での核兵器開発に断固として反対する」と明記。従軍慰安婦問題について、関係機関による共同研究を進める旨、声明付属文書に記載
◆7月10日
 1日に北京で開かれた日朝政府間協議の際、北朝鮮が複数の拉致被害者を含む約30人の日本人生存者リストを提示したと日本経済新聞が同日付朝刊で報じたことについて、菅官房長官が記者会見で否定
◆7月11日
  日本大使館は自衛隊創設記念行事の開催会場として予定していたソウルのロッテホテルが、前日の10日夜に「国民感情に触れる」などとして取消を通知したことに対しホテルに抗議。菅官房長官、岸田外相が遺憾の意を表明。レセプションについては日本大使公邸に会場を変更し予定通り開催

◆8月1日
  前日に解党した日本維新の会の「石原グループ」が「次世代の党」、「橋下グループ」が「日本維新の会」をそれぞれ結党
◆9月18日
 スコットランドでイギリスからの独立を問う住民投票を実施。結果は「否決」。
◆9月28日〜12月15日
 香港で雨傘革命(2014年香港反政府デモ)が起きる。最終的に警察の強制排除で終了
◆10月7日
 ノーベル物理学賞受賞者に赤崎勇・天野浩・中村修二の3人が決定
◆10月20日
 公選法違反疑惑で小渕経産相、松島法相が辞任
◆10月24日
 アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立の覚書が中国で21カ国代表により結ばれる。
◆11月16日
 沖縄県知事選挙で翁長雄志が現職の仲井眞弘多を破り当選
◆11月19日
 みんなの党が解党決定
◆11月27日
 ユネスコの無形文化遺産に「和紙」が登録
◆12月15日
 海江田万里・民主党代表が衆院選(12月14日投開票)での「民主党の不振(63→73と10議席の増加にとどまった)」「海江田自身の落選」を理由に代表辞任を表明
◆12月17日
 アメリカ大統領バラク・オバマとキューバ国家評議会議長ラウル・カストロが両国の国交正常化交渉の開始を発表

新刊紹介:「経済」2025年6月号

「経済」6月号を俺の説明できる範囲で簡単に紹介します。
特集「税財政の基本から考える日本の転換」
◆生活苦解決への政治の出番と財源論(田村智子*1)
◆石破内閣に問われる税・社会保障政策(大沢真理*2)
◆岐路に立つ日本財政(鶴田廣巳*3)
◆納税者権利憲章制定の緊急性と税務行政(石村耕治*4)
◆地方経済、生業を壊すインボイスは廃止(村高芳樹)
◆不公平な法人税制を正す:消費税減税へ(田中里美*5)


◆グローバル経済とは何か2(増田正人*6)
◆資本による労働の包摂と解放(下):マルクス「社会変革の主体的条件成熟」論から考える(関野秀明*7)
◆「働く貧困」の広がりと「少子化」の加速(下)(藤田宏*8)
◆大企業・投資家連合から富を取り戻す(野中郁江*9)


ドイツの今と行方
◆二つの戦争とドイツ(進藤理香子*10)
◆ドイツ経済を分析する(朝日吉太郎*11)
◆ドイツの総選挙結果(宮前忠夫*12)

*1:衆院議員。日本共産党委員長

*2:東大名誉教授。著書『イギリス社会政策史』(1986年、東京大学出版会)、『企業中心社会を超えて』(1993年、時事通信社→2020年、岩波現代文庫)、『男女共同参画社会をつくる』(2002年、NHKブックス)、『現代日本の生活保障システム』(2007年、岩波書店)、『いまこそ考えたい生活保障のしくみ』(2010年、岩波ブックレット)、『生活保障のガバナンス』(2014年、岩波書店)、『生活保障システムの転換』(2025年、岩波書店)

*3:関西大学名誉教授。著書『グローバル時代の法人課税と金融課税』(2023年、有斐閣)

*4:白鴎大学名誉教授。著書『納税者番号制とプライバシー』(1990年、中央経済社)、『納税者番号制と国民背番号』(1992年、旬報社)、『先進諸国の納税者権利憲章』(1993年、中央経済社)、『納税者番号制とは何か』(1994年、岩波ブックレット)、『アメリカ連邦税財政法の構造』(1995年、法律文化社)、『オーストラリアのNPO法制と税制の構造』(1999年、法律文化社)、『アメリカ連邦所得課税法の展開』(2017年、財経詳報社)

*5:三重短期大学教授。著書『会計制度と法人税制』(2017年、唯学書房)

*6:法政大学教授

*7:下関市立大学教授。著書『現代の政治課題と「資本論」』(2013年、学習の友社)、『金融危機と恐慌』(2018年、新日本出版社)、『インフレ不況と「資本論」』(2024年、新日本出版社)

*8:著書『財界戦略とアベノミクス』(2015年、本の泉社)

*9:明治大学名誉教授。著書『現代会計制度の構図』(2005年、大月書店)、『国有林会計論』(2006年、筑波書房)

*10:法政大学教授

*11:鹿児島県立短期大学名誉教授。鹿児島国際大学非常勤講師。著書『グローバル化とドイツ経済・社会システムの新展開』(編著、2003年、文理閣)、『欧州グローバル化の新ステージ』(編著、2015年、文理閣)、『現代資本主義と資本・賃労働関係』(2022年、文理閣)

*12:著書『週労働35時間への挑戦:戦後ドイツ労働時間短縮のたたかい』(1992年、学習の友社)、『人間らしく働くルール:ヨーロッパの挑戦』(2001年、学習の友社)、『あなたは何時間働きますか?:ドイツの働き方改革と選択労働時間』(2018年、本の泉社)

新刊紹介:「歴史評論」2025年5月号

特集「歴史学の焦点」
◆平城宮・平城京研究の現在(渡辺晃宏*1)
◆日本中世の遊女史研究とその課題(辻浩和*2)
◆近世移行期の地域社会と身分制解体(今村直樹*3)
◆近代オスマン軍事史研究の状況と課題(永島育)
◆GHQ占領下における朝鮮人の越境の痕跡を読む(鄭栄桓*4)


◆「感情史」ブームの回顧と展望(森田直子*5)
参考

感情という視点から歴史を見ることで、史実に新たな光を当てる|上智大学(森田直子)
 感情史は、日本では10年ほど前から注目され始めた歴史学の新しいジャンルです。歴史学はいつ誰が何をしたかという無機的な事実の羅列だと認識している人は多いと思いますが、大抵の出来事は人間が引き起こすもの。出来事の裏には、必ず何かしらの感情が潜んでいます。感情史は、その感情に注目し、従来の歴史的解釈とは異なる新たな側面に光を当てようとするものです。
 歴史学では感情は厄介者扱いでした。主に文字で書かれた史料を客観的に分析する歴史学では、史料に書かれていない主観的な感情を含む分析は不可能だからです。その流れを変えたのは2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件だったとも言われます。言葉(文字)にしえないショックや怒り、悲しみが爆発したことで、感情というものにもっと目を向けなければという機運が高まったのです。
 実際、魔女狩りやナショナリズムなど、感情を抜きにしては説明がつかない歴史事象は少なくありません。同調圧力や無自覚の同意が歴史を動かす要因になっていることもあります。
 私は19世紀のドイツ史が専門ですが、なかでも男子学生がサークル活動のように行っていた決闘について研究をしています。本当の決闘ではないので殺し合うわけではないのですが、本物の剣を使って斬り合うのです。当然、傷だらけ、血だらけになる。なぜそのような野蛮な行為を日常的にしていたのか。男らしさを誇示するため? 仲間はずれになりたくないから? 名誉のためとして仕方なく? 決闘という事実の背景にある感情から、決闘の意味を浮き彫りにできたらおもしろいと思っています。
 もう一つは、名誉市民についての研究です。ドイツでは都市に貢献した人を名誉市民として顕彰するシステムが19世紀初頭からできあがっていきますが、どんな人をどのように選んでいたのか。公の歴史では顕彰されたという事実があるのみでも、議事録などを詳細に見ていくと反対意見が書かれているなど、その都市の政治や人の動きがいきいきと見えてきます。

人びとは共感を、どのように経験し、また言語化してきたのか――。|じんぶん堂
 『共感の共同体:感情史の世界をひらく』(伊東剛史*6・森田直子編、平凡社、2023年10月18日刊)の編者2名が、本書について紹介します。
◆森田直子
 本書の副題は「感情史*7を世界にひらく」ですが、「感情史」は見慣れない言葉かもしれません。「感情史」というのは英語のhistory of emotionsなどに由来していて、直訳すると「感情の歴史」となりますし、「感情歴史学*8」などと訳されることもあります。(どの訳が正しい/間違いということはありませんが、日本の歴史学界では「感情史」が浸透しつつあるようです。)


◆歴史の眼「抵抗をどのように語るのか」(土肥有理*9)

*1:奈良大学教授。著書『平城京と木簡の世紀』(2009年、講談社学術文庫)等

*2:立命館大学教授。著書『中世の〈遊女〉』(2017年、京都大学学術出版会)

*3:熊本大学准教授。著書『近世の地域行財政と明治維新』(2020年、吉川弘文館)

*4:明治学院大学教授。著書『朝鮮独立への隘路:在日朝鮮人の解放五年史』(2013年、法政大学出版会)、『忘却のための「和解」:『帝国の慰安婦』と日本の責任』(2016年、世織書房)、『平和なき「平和主義」:戦後日本の思想と運動』(2016年、法政大学出版局)、『歴史のなかの朝鮮籍』(2022年、以文社)

*5:上智大学准教授

*6:東京外国語大学准教授。著書『近代イギリスの動物史』(2025年、名古屋大学出版会)

*7:この例としては例えばヤン・プランパー『感情史の始まり』(2020年、みすず書房)、バーバラ・H・ローゼンワイン他『感情史とは何か』(2021年、岩波書店)

*8:この例としては例えばアラン・コルバン他『感情の歴史1~3』(2020年、藤原書店)、南川高志編『生き方と感情の歴史学』(2021年、山川出版社)

*9:明治大学助教

テレビ朝日・テレメンタリープラス「独白 #ひきこもり 40年、それから・・・」(2025年4月13日放送)

◆10:00~11:00
テレビ朝日・テレメンタリープラス「独白 #ひきこもり 40年、それから・・・」

テレメンタリー - Wikipedia
 2025年1月12日からこれまで放送されてきたテレメンタリーから厳選された作品に、新規の取材を追加して放送する『テレメンタリーPlus』が10時から1時間枠で関東ローカルに向けて放送を開始した。

【テレメンタリーの1時間拡大版】『テレメンタリーPlus』
 これまでのテレメンタリーから厳選した作品に、新規取材を加え1時間に拡大。
 是非ご覧ください!
◆2025年4月13日(日)放送
「独白 ひきこもり40年、それから・・・」
 山口県宇部市に住む国近斉さん(62)は、高校を2年で中退後、ひきこもり生活を送っていた。やがて、両親が相次いで他界し、55歳のとき、NPO法人に駆け込み就労を果たす。しかし、40年に渡るひきこもりのツケはあまりに大きかった。きつい肉体労働、職場での人間関係、孤独死への不安。それでも彼は、日常の僅かな温もりを感じながら、一人、生きる。現代社会から切り離せない「孤独」。その孤独を生き抜くヒントを国近さんの日々から探る。

テレメンタリー【公式】
 #テレメンタリー の1時間拡大版 『#テレメンタリーPlus』このあと午前10時~ #テレビ朝日 (関東エリア)で放送!
 今日は「独白 #ひきこもり 40年、それから・・・」
 62歳、両親は他界。#孤独死 への不安…それでも彼は、日常の僅かな温もりを感じながら、一人、生きる。

ドキュメントy 「国近さんの日記 ひきこもり40年、それから・・・」 | レジェンドキュメント 〜今、このドキュメンタリーを見よ!〜 | BS朝日
【初回放送】山口朝日放送:2024年5月31日
 宇部市でひきこもり支援を行う「NPO法人ふらっとコミュニティ」。7年前、当時55歳の国近斉さんが相談に訪れた。ふらっとコミュニティの山根俊恵*1理事長から支援を受け、国近さんは徐々に人にも慣れ、2年後には就労にこぎ着けます。しかし、実社会に出ると様々な壁に直面しました。それでも生きる国近さん。もう、ひきこもりには戻りたくないから…。

山口新聞『約40年にわたるひきこもりを経験後に就労 国近斉さん』2024.1.1
 宇部市の国近斉さん(61)は高校中退後、約40年にわたるひきこもりを経験した。両親の死後、55歳の時にNPO法人ふらっとコミュニティ(宇部市)への相談を機に就労した。孤独死も覚悟していたあの頃。今は「気にかけてくれる人がいてありがたい」と話す。

引きこもり番組に考える|ジャーニー2024.10.16
 山口県で40年程ひきこもっていたという男性。テレメンタリーという各地方局制作のドキュメンタリーの番組で視聴した。
 引きこもりとされる男性は国近斉さん。58歳の頃より密着し、現在62歳。
 母が脳梗塞やがんなどを患い、家事や介護、病院への付き添いなどをこなしていたようだ。つまり全くの引きこもりではないといえる。しかし他者とのつながりは薄い。
 両親は80代で相次いで亡くなった。その後は両親の残した貯金で暮らしていたようだが、その蓄えも減る一方。意を決して55歳の時にNPO法人ふらっとコミュニティ(宇部市)への相談をした。そこでのふれあいから次第に明るくなり、法人の仲介もあってかハウスクリーニングの仕事への就労も果たした。さらに自治会長に就任し、地域とのつながりも持ち始めた。
(中略)
 ただしこういった苦難がありながら国近さんは明るく日々を過ごしている。健康状態もよく、長く介護もしていただけあってか真面目で誠実なのは伺える。何もできない、人とは関われない、引きこもりに至った経緯など自己分析もしっかりしている。
 両親の納骨もできず遺骨は自宅に安置しているが、なんとかそのうち納骨をしたいと、自分の情けなさを憂えるのもそれほど暗さがない。好きだった飲み物や果物、花など供えるなど供養を欠かさない。 孤独死に関する本を手に取るなど、今後のことを考えているが悲壮感はない。引きこもりといっても一般に思われるそれとは少し異なる。

「ひきこもっている人たちは特別な人じゃない」…“ひきこもり100万人時代”と社会復帰の取り組み | 国内 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ2020.5.17
 悩みを聞いているのが、山口大学大学院で精神看護の研究をしながら「NPO法人ふらっとコミュニティ」を運営している山根俊恵教授だ。現在、およそ70人の家族を支援している。
 「私がナースをしていた頃は、精神障害者は長期入院が当たり前。地域で暮らしていく上においてのサポート体制は無いに等しい状況が長く続いていた。地域の中に自分たちの居場所がある、相談できる人がいる、そういう体制が必要ではないかと思い、2005年に精神障害者支援を始めた」。
 そしてひきこもりの増加に伴い、2015年からは宇部市の委託を受け、ひきこもりの支援も始めた。
 国近斉さん(57)のひきこもり期間は、およそ40年におよぶ。高校2年のとき、勉強についていけなくなり中退。一度は働き始めるも、3カ月で辞めてしまった。
 「ハローワークみたいなところに行く勇気もなかったし、とにかく父と母に頼り切っていたということですよね」。
 その両親も80代を迎え、10年ほど前に相次いで亡くなった。しかし、未だ納骨はできていない。
 「お墓を作るお金がないし、納骨にもお金がかかるし…」。
 両親が遺した貯金を切り崩しながらの生活。生活費は、あと2年で底をつく状況だ。そんな国近さんにも去年、転機が訪れた。ふらっとコミュニティの紹介で、ハウスクリーニングの仕事を始めることにしたのだ。

 改めて「ひきこもり問題」「8050問題」の深刻さを実感。
 とはいえ、国近氏は「居住住宅があり、預貯金もあり、就労も出来た点」「マスコミの取材に応じてる点」はまだ「恵まれてる方」ではあるでしょう。

*1:山口大学教授。著書『ひきこもり:親も子も楽になる「心の距離」を縮めるコミュニケーションの方法(改訂版)』(2022年、中央法規出版)、『8050問題:本人・家族の心をひらく支援のポイント』(2024年、中央法規出版)等

フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第2回「おばけナイター」(2025年4月13日放送)

◆9:00~9:30
フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第2回「おばけナイター」

「ゲゲゲの鬼太郎 私の愛した歴代ゲゲゲ」-東映アニメーション
 「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ生みの親・水木しげる没後10年となる今年、歴代作品第1期~第6期からの傑作選を放送!
 各回のセレクターには、「鬼太郎」役の歴代声優である野沢雅子*1(第1期*2&2期*3)、戸田恵子*4(第3期*5)、松岡洋子(第4期*6)、高山みなみ*7(第5期*8)、沢城みゆき*9(第6期*10)や、今回の主題歌を務めるAdoら、「鬼太郎」と縁の深い方々が登場!どんな方がどの作品を紹介するのか?

 ということで今日は「野沢雅子(第1期、第2期の鬼太郎)」セレクトによる第1期第1話「おばけナイター」(1968年)を放送(第1期はまだ白黒放送、第2期以降がカラー放送)。
 脚本は「鬼太郎」以外にも多くのアニメ作品の脚本に関わり、作家として

辻真先 - Wikipedia参照
◆『旅路:村でいちばんの首吊りの木』
 初出は「小説推理」(双葉社)1979年7月号。後に『旅路:村でいちばんの首吊りの木』(1986年、中央公論社→2023年、実業之日本社文庫)に収録(表題作以外に短編『街でいちばんの幸福な家族』、『島でいちばんの鳴き砂の浜』を収録)。
 またアンソロジー『推理小説年鑑1980』(1980年、講談社→後に『ミステリー傑作選(15) 殺しのパフォーマンス』と改題し、1985年、講談社文庫)、『そして謎解きへ:小説推理傑作選』(1996年、双葉社)に収録。
 神山征二郎監督のサスペンス映画『旅路 村でいちばんの首吊りの木 - Wikipedia』(1986年公開)の原作。
 なお、内容については
辻真先『旅路 村でいちばんの首吊りの木』 - インドアかミステリか本2016.11.12
映画感想「日本沈没」「幻の湖」「旅路 村でいちばんの首吊りの木」 - くらのすけの映画日記2018.11.28
を紹介しておきます(ネタバレがあります)。よくできた「叙述ミステリ」かと思います。なお、原作では次男となっている人物が映画では長女(演:早見優)に変更されています。
◆『アリスの国の殺人』(1981年、大和書房→1990年 徳間文庫、1997年、双葉文庫・日本推理作家協会賞受賞作全集)
 1981年、日本推理作家協会賞長編部門を受賞
◆『迷犬ルパンの名推理』(1983年、光文社カッパ・ノベルス→1988年、光文社文庫)
 赤川次郎の「三毛猫ホームズシリーズ」を意識して、そのパロディとして描かれた作品「迷犬ルパン」シリーズの第1作
◆『完全恋愛』(2008年、マガジンハウス→2011年、小学館文庫)
 辻真先のアナグラムである「牧薩次*11」名義。2009年、本格ミステリ大賞小説部門を受賞。
 なお、牧薩次名義の著書はほかに『郷愁という名の密室』(2010年、小学館→2014年、小学館文庫)がある。

等の著書もある辻真先氏。

◆目玉おやじ(田の中勇氏:1932~2010年)

など声優の多くは故人で,存命の野沢(1936年生まれ)もかなりの高齢ではあります。
 なお、
ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター - Wikipediaによれば第3期のテレビアニメ(戸田恵子)、第4期の劇場版映画(松岡洋子)でも「おばけナイター」が制作されています。
【参考:おばけナイター】

『鬼太郎』傑作選4月の放送内容 初回はAdo選出の「男!一反もめん」 野沢雅子・沢城みゆき・松下奈緒お気に入りエピソード発表 - 産経ニュース2025.4.3
 記念すべき初回(4月6日)の放送は、今回オープニング主題歌を務めるAdoが選出した。選んだのは、第5期4話「男!一反もめん」。選んだ理由についてAdoは、「一反もめんの活躍がかっこよく、一反もめんを知らない方、かっこいい一反もめんが知りたい方におすすめです」と明かしている。
 4月13日に放送される第2回には、1期・2期で鬼太郎の声を務めたレジェンド声優の野沢雅子が選んだ第1期1話の「おばけナイター」が決定。鬼太郎に声で命を吹き込んだ初めての回は、野沢にとっても忘れられない特別なものになっているに違いない。
 4月20日の第3回は、6期で鬼太郎役を演じた沢城みゆきがセレクトした第6期3話「たんたん坊の妖怪城」が放送される。
 4月最後の放送となる27日の第4回には、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」にて水木しげるの妻である布美枝を演じた松下奈緒が選出。第3期12話の「ざしきわらしと笠地蔵」が放送される。このエピソードの好きなところについて松下は、「昔話と、水木先生ワールドが一緒になっていて、暖かいストーリーだなと思います。お地蔵さんが助けてくれるところを鬼太郎たちが助ける。そこも好きなところです」とコメントした。

思い出話~「ゲゲゲの鬼太郎」(モノクロ)…今朝放送はされましたけれどぉ。 - アニメ・マンガ記~情報やら思い出やら2025.4.13
 今日の再放送の「おばけナイター」、一部ゴッソリとカットされたシーンがありまして。ゲストキャラの人間の少年達の野球チームが大人達にスカウトされて、お金を山積みされるシーン。今の時代にそぐわないためなのか、はたまた時間調整なのか。何だかな~~~(怒)。

 個人的には
1)できる限りそのまま放送すべき
2)カットがある場合はその旨、断るべき
とは思いますが「絶対にカットしてはいけない」とは思いません。

ゲゲゲの鬼太郎(1期)第1話「おばけナイター」視聴 - タリホーです。2023.11.12
 どん平が墓場で拾った野球バットは、どんな球でも自分の思う通りに当てられる魔法のバットで、それを使ったどん平たちの野球チームにはプロ契約のオファーが次々と舞い込む。しかしそのバットは鬼太郎たち妖怪チームが所有していたもので、特に妖怪チームの一人である牙狂い*12という妖怪は一刻もバットを取り戻すため強硬手段に出る勢いだった。そこで鬼太郎はどん平たち人間チームにバットと命をかけた試合を申し込み、人間チームが勝てばバットは人間チームのものに、妖怪チームが勝てばバットと人間チームの命は妖怪チームがもらうという約束となった。
 アニメの「おばけナイター」が原作とまったく同じなのかというとそうでもなく、随所にアニメに適した工夫が施されている。
 例えば試合の審判を務めた妖怪(ボーガス注:地魅)は原作だと目・鼻・口が幾つもある肉塊の化け物で、なかなかにグロテスクな見た目をしているが、アニメの審判は梅干しに顔と手足をつけた感じのシンプルな見た目になっている。これはシンプルな見た目の方が作画が楽で済むというアニメーション制作の事情もあるのかもしれないが、全体的にアニメで描かれている妖怪は怪奇色が抑えられており、ポップで親しみやすい見た目のものが多い。いきなり怖い話や妖怪を放送して子供が見なくなったら本末転倒だろうし、原作に登場しない百目の子供が出て来たのも、ゲゲゲの鬼太郎が「怖くない妖怪アニメ」であることをアピールするために登場させたのかもしれない
 そして鬼太郎の描き方も原作に少し手が加えられており、アニメの方は初めて鬼太郎を見た視聴者にも「鬼太郎が人間の味方である」ということがちゃんと伝わるようになっている。それが今回の肝となるナイター試合の場面で表現されているのだが、夜が明けて試合が引き分けとなる展開は原作と同じながらもその流れは違っている。
 原作では人間チームに勝ち目がないとわかった少年たちは皆が恐怖で泣いて試合を中断させており、鬼太郎も「いつまで協議してるんだ、夜あけのかねがなったじゃねえか」と人間チームをせっついているから、原作の鬼太郎は別に少年たちの味方ではなかったのだ。一方アニメでは、流石に命までとられてしまうのはかわいそうだと思い、(ボーガス注:投手の鬼太郎がわざと打ちやすいボールを投げるなど)何とか試合を引き延ばそうと画策している。
◆1期と3期を見比べて(勝利と挫折をどう描いたか)
 1期では妖怪チームとの試合後、どん平たちのチームは自分たちの努力によって全国少年野球の大会で優勝を果たした、という形で物語を終えている。妖怪相手に命がけの野球試合をしたことで結果的にプレッシャーに強くなり、それがもしかしたら優勝につながったのかもしれないが、この結末は原作では用意されておらず、原作は妖怪たちと野球試合をしたというだけの話になっていたので、この辺りのオチの付け方もアニメとしては最適だったと評価したい。
 では3期はどうだったのか。実は原作や1期は妖怪チームが圧倒的に強かったのに対し、3期は人間チームと妖怪チームは互角の試合となって延長23回という長丁場になった。その結果、試合は引き分けとなり、原作と異なりバットを万年(原作のどん平)に一旦預けたままで物語が進行するのだ。恐らく鬼太郎は墓場でのナイターで決着をつけるつもりが人間チームが予想以上に強く(というより鬼太郎チームにいた子泣き爺と砂かけ婆という老人コンビが足を引っ張ったのでは…?)、結局バットを作った福の神に助力を要請してバットの神通力を奪うというアニメオリジナルの展開を描いている。そのため、原作や1期で描かれなかった人間チームの挫折、それもハワイでの海外試合という大舞台での挫折を描いているのが3期の特徴なのだが、3期は自分の力で努力することの大切さを伝えるために勝利は一切描かず、挫折とそこからの努力が大事だということを一つのメッセージとして描いたという感じだろうか。
 しかしこの改変の影響で「それだったら(ボーガス注:ナイターはせずに)最初から福の神に頼んでバットの神通力を取ってもらった方が早かったのでは?」というツッコミが生じたのも確かで、結果的に一番重要であるはずのナイター試合の必然性が薄れたのも3期の脚本の問題点だと言えよう。特に原作や1期では人間チームは負けたらバットだけでなく命まで失うというハイリスクを抱えた上での試合だったのに対し、3期は負けた所で失うのはバットだけなので、そこは原作通り命をかけた試合にしておけば、「本気を出したら妖怪たちと互角の試合が出来る」という実力の裏付けにもなったのにな~と脚本の詰めの甘さに残念さを覚えた。
 という感じで1期・3期を見比べると1期は命がけのナイター試合を経ての勝利を描き、3期は挫折からの努力に焦点を当てた「おばけナイター」だったことがわかるが、1期はアニメ化最初のエピソードということもあって、単に原作通りやれば良いとは考えずに視聴者に受け入れやすい工夫を凝らしつつ、「負けたら命を奪われる」というホラー要素は残しており、「妖怪は朝日が苦手」という基本的知識も盛り込んだ初回に相応しいエピソードになっていたと思う。
 3期はメッセージ性自体は問題ないのだが、肝心のナイター試合の必然性が薄くなったことや、(ボーガス注:子泣き爺、砂かけ婆、猫娘、ねずみ男といった)鬼太郎ファミリーやユメコちゃん*13といったレギュラーメンバーが固定されたことが弊害となっている。福の神の助力のせいで相対的にナイター試合をやった意味がなくなってしまったというのもあるけど、鬼太郎ファミリーのような人間に友好的な妖怪だけでなく、もっと怖い妖怪もいないと万年に自分が他人のバットを盗って試合に勝っているという、彼が仕出かしたことの過ちや重大さが視聴者にも伝わらないのではないかと思うのだ。特に本作では自分だけではなく野球チームのメンバー全体に迷惑をかけたのだから、そういった視点が抜けた脚本になったのがやはり勿体ないと感じたポイントである。

ー第80回ー 『ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター』 (感想) | 3110 - 映画研究会2018.4.23
 (ボーガス注:劇場版(第4期)と)1期1話との違いで話に大きく関わるのが、三太郎*14のチームが弱小であること、妖怪チームとの試合が最終盤まで0-0であることだと思います。
 まず、三太郎のチームが弱小であることについて。これまで負けに負け続けていたチームが、ある日1回表でホームラン連発。99-0でコールド勝ち。
 野球に対する姿勢も真面目とは言えなかったチームが、たったひとつの勝利により、努力という過程をすっ飛ばして勝つ喜びを知ってしまいます。
 更にはテレビで取り上げられて有名になり、ますます調子に乗っちゃう少年たち。
 ぶっちゃけこういう書き方すると、ほとんどの人がオチ*15まで予想できちゃうでしょうが、念のため書きません。
 最終盤まで0-0という点。
 1期はもうコールドもいいところで、絶対勝てないのが誰の目にも明らかだったのに対し、今回(劇場版:第4期)の少年たちは勝てるかもしれないという可能性にしがみつき、死にもの狂いで試合に臨んでいます。
 この辺、オチで良い感じにまとめられてよかったと思います。
 (ボーガス注:劇場版でありながら30分で)テレビ枠と大して変わらないボリュームなんだけど、満足でした。
 4期の声優陣が何気に好きです。
 鬼太郎(松岡洋子)のクールな感じとか、千葉節全開のねずみ男(千葉繁)とか。

【参考:辻真先】

まさかの91歳で、『葬送のフリーレン』や『薬屋のひとりごと』を語れて、しかも現役で『名探偵コナン』の脚本に携わっている名古屋出身の作家さんがいた。|なごやっこ和(かず)2024.2.18
作家さんの対談イベントに参加する
 正直、私この方のお名前を知りませんでした。ファンの方々に先に謝っておきます。ミステリーでは有名な方らしいです。
 ご存じの方は多いのかな?
 辻真先さん。この方、すっごーい人でした。91歳で杖をつき歩いておられましたが今も聡明で記憶力が半端ないのです。
 ご職業は、脚本家・作家。
 会場に展示してある作品や絵コンテがすごい!
 ホントに一見の価値はあると思います。
 みなさん一度は耳にしたことのある、『サザエさん』、『鉄腕アトム』、『おばけのQ太郎』、『ひみつのアッコちゃん』、『ジャングル大帝』、『Dr.スランプ アラレちゃん』などなどのアニメの脚本(絵コンテ付き)。
 基本的に展示物は撮影不可なので写真が載せられませんが。
 会場から、「先生が最近見た作品でおもしろいと思ったものは?」と質問がありました。
 すぐに「フリーレン*16、おもしろいよ!あれは、自分で脚本描きたいなと思ったけど、どう料理されるかとみたらぼくより上だった。」とのお答えが。
 「ダンジョン飯*17」「戦国妖狐*18」「惑星のさみだれ*19」「薬屋のひとりごと*20」といろいろな作品をあげられ、時に、「あれは(ボーガス注:アニメ脚本は)ぼくが描いた方がおもしろいかな。」なんて評価もしながら、作品を語る姿は91歳のおじいさんには見えないほど少年の姿でした。

Webジェイ・ノベル|実業之日本社の文芸webマガジン -「J-novel」日本でいちばんのミステリな「老人」と「青年」!?-
◆阿津川辰海*21
 今回、『村でいちばんの首吊りの木』をあらためて再読して衝撃的だったのが、「あとがき」に書かれていた、表題作は大人向け小説誌からの初めての依頼で執筆されたという事実です。「小説推理」(双葉社)の1979年7月号に掲載されたのですね。
◆辻真先
 1972年に朝日ソノラマから『仮題・中学殺人事件*22』を出した後、小説はずっとソノラマの子供向けでした。それ以外だと、双葉社とどっちが先だったかな、同じくらいの時期に徳間文庫の編集長前島さんから声が掛かって、『宇宙戦艦富嶽殺人事件』(1981年、徳間文庫*23)という長編を書きました。『宇宙戦艦ヤマト』のパロディで、『仮題・中学殺人事件』のような「超犯人」スタイルでやってほしいという注文でしたけど、大人向けという認識がこちらにもなくてね。はっきり大人向けっていうことでは、「小説推理」の『村でいちばんの首吊りの木』が最初でしょうね。
 『村でいちばんの首吊りの木』は映画化が決まっていたのだけど、百枚の中編一本だけでは原作本として売れない。それで、中央公論社の新名さんに相談して、「別冊婦人公論」に百枚の『街でいちばんの幸福な家族』を載せてもらったんですよ。さらに、雑誌が世に出る間にもう一本中編を書いて三百枚あれば本に出来るね、と、三番目の『島でいちばんの鳴き砂の浜』を書き下ろしました。
◆阿津川
 全編レベルが高く、急ピッチで二編目、三編目が作られたとは、とても思えないです。私、この三編目『島でいちばんの鳴き砂の浜』もすごく好きなんです。自然の星々だったり砂浜だったり、無生物が次々に語り手として登場し、少しずつ事件の様子が分かってくるという趣向ですね。中学生の頃に宮部みゆきさん*24の『長い長い殺人』(1992年、光文社→1999年、光文社文庫)という、財布が語り手をつとめる話を読んで以来、こういう構成の作品が大好物でして。
◆辻
 僕の作品の中でも、こういうスタイルは珍しいかもしれません。
◆阿津川
 そして、映画『旅路 村でいちばんの首吊りの木』が、1986年11月1日に劇場公開されたのですね。
◆辻
 もともとは『日本沈没*25』の森谷司郎監督が表題作を気に入ってくれて、彼が作る予定だったのですが、1984年に亡くなられましてね。橋本プロに引き継がれ、橋本忍・橋本信吾親子の共同脚本、(ボーガス注:森谷監督の助監督として森谷『八甲田山』(1975年公開)に関わった)神山征二郎さんが監督という形となりました。
◆阿津川
 橋本忍さんは黒澤明監督作品での脚本共同執筆で知られ、野村芳太郎監督の『砂の器』や森谷監督の『八甲田山』など名作を多く手掛けられていますね。
 現状、この映画につきましては、VHSがあるのみで、DVD・Blu-ray化はされていません(対談時の2023年5月現在)。VHSは手に入らず、まだ映画は見られずにいるのですが、雑誌「シナリオ」の1986年12月号に掲載されていたシナリオ版を読みました。母親「寺岡美佐子」役は倍賞千恵子さん。そして原作だと手紙の宛先である次男・宗夫が、次女「寺岡紀美子」に変更され、早見優さんが演じました。このような原作の設定変更に関して、ご不満はありましたか?
◆辻
 人気アイドル早見優のスケジュールを押さえられたので、次男から次女*26に変更されたと聞きました。原作はある種、息子と母親の近親相姦的な雰囲気もある話だから、やっぱりそういう危なさは出さないと駄目なんです。駄目というか、映画として膨らまないんですよ。
◆阿津川
 シナリオ版から想像すると、手紙を送るという語りの演出や、手首のトリックなどは、原作をかなり忠実になぞっている印象です。
◆辻
 ところが、キャスティング以外はあまりに原作通りだから、かえって面白くないと感じたのです。それなら僕が書きたかった。原作通りでいいなら原作を読めばいいんですよ。僕はテレビで脚本も演出も両方やってきたから、尚更そう考えるんですね*27。小説を映画にする、役者が演じる、漫画をアニメーションにするからには、プラスアルファのアレンジが欲しいところです。
 とは言え、製作側からすれば、原作通りやってあげてるのに何を文句言うんだ、となりますし、そこは原作者が口を出す領域じゃないとは思います。
◆阿津川
 原作通りだから、かえって面白くない。辻先生のご経験から出た言葉だと思います。最近、漫画のアニメ化などに顕著ですが、原作通りでないと怒る読者がいます。
◆辻
 窮屈ですよね。
◆阿津川
 私の同時代の人たちにも多くて、最近私もすごく窮屈に感じています。むしろうまく脚色してこそだと思います。脚色というか、素材を使ってそれぞれのメディアならではの見せ方で表現したほうが、面白いと思うのですが。
 『天使の殺人[完全版]』(2002年、創元推理文庫)を拝読した時、びっくりしました。どうして「完全版」なのかというと、大和書房の小説版(1983年11月刊)と、舞台の戯曲版(1983年10月上演)が一緒に収録されているからで、もちろん基本設定は共通していますが、両者は内容がまるきり違っている。

 kojitakenは

ベートーヴェンの《第九》中のシラーの詩に含まれる「排除」の問題/ベートーヴェンは共和主義者だったか(小宮正安『ベートーヴェン《第九》の世界』を読む) - KJ's Books and Music2025.3.30
 現在人気がより高いのはどう見ても東野の方であるらしいことが残念でならない。

なんて書いてますが、辻氏もミステリ賞(日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞)を受賞し、ミステリファンにおいては一定の評価をされてはいるものの、「ミステリ作家としての世間的な知名度、人気」はそれほどではなく、もっと人気、知名度があっていいとは思います。

*1:鬼太郎以外の役として、フジテレビ『いなかっぺ大将』(1970~1972年、風大左衛門)、TBS『ど根性ガエル』(1972~1974年、ひろし)、フジテレビ『銀河鉄道999』(1978~1981年、星野鉄郎)、『釣りキチ三平』(1980~1982年、三平三平)、日本テレビ『新・ど根性ガエル』(1981~1982年、ひろし)、フジテレビ『ドラゴンボール』(1986~1989年、孫悟空)、『ドラゴンボールZ』(1989~1996年、孫悟空、孫悟飯)、『ドラゴンボール改』(2009~2015年、孫悟空、孫悟飯)、『ドラゴンボール超』(2015~2018年、孫悟空、孫悟飯)、『ドラゴンボールDAIMA』(2024~2025年、孫悟空、孫悟飯)等

*2:1968~1969年

*3:1971~1972年

*4:戸田だけは他の鬼太郎声優と違い、日本テレビ「アンパンマン」(1988年から放送)のアンパンマン役を除き、近年はむしろ声優よりも女優活動(テレビドラマ、映画、舞台)の方が多いですが(戸田恵子 - Wikipedia参照)

*5:1985~1988年

*6:1996~1998年

*7:鬼太郎以外の役として、テレビ東京『ミスター味っ子』(1987~1989年、味吉陽一)、『楽しいムーミン一家』(1990~1991年、ムーミン)、NHK『忍たま乱太郎』(1993年~、乱太郎)、日本テレビ『名探偵コナン』(1996年~、江戸川コナン)等

*8:2007~2009年

*9:専ら「少年役ばかりの他の鬼太郎声優」と違い、沢城は『ルパン三世』(2015~2016年の第4シリーズ、2018年の第5シリーズ、2021~2022年の第6シリーズ)の峰不二子、映画版『ベルサイユのばら』(2025年公開)のオスカルといった女性役も演じています(沢城みゆき - Wikipedia参照)

*10:2018~2020年

*11:なお、「牧薩次」は辻氏の初期作品『仮題・中学殺人事件』(1972年、朝日ソノラマ→1975年、ソノラマ文庫→2004年、創元推理文庫)、『盗作・高校殺人事件(1976年、ソノラマ文庫→2004年、創元推理文庫)、『改訂・受験殺人事件』(1977年、ソノラマ文庫→2004年、創元推理文庫)、『SFドラマ殺人事件』、『SLブーム殺人事件』(以上、1979年、ソノラマ文庫)等の主人公の名前でもある。

*12:ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター - Wikipediaによれば1期では「牙狂い」が登場するが、3期では登場せず、その代わりに「子泣き爺」が登場

*13:第3期のみに登場するオリジナルキャラクター

*14:4期での「おばけナイター」の野球少年の名前。原作、1期では「どん平」、3期では「万年」

*15:ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター - Wikipediaによれば引き分けに終わった原作や1期、3期と違い、妖怪チームが勝利するが「武士の情け(?)」で少年達の命は奪われない。

*16:『週刊少年サンデー』(小学館)で2020å¹´22・23合併号から連載中。テレビアニメ第1期は2023å¹´9月から2024å¹´3月まで、日本テレビで放送。第2期は2026å¹´1月より日本テレビで放送予定(葬送のフリーレン - Wikipedia参照)

*17:漫画誌『ハルタ』(KADOKAWA)でvolume11からvolume107まで連載。テレビアニメ第1期は2024å¹´1月から6月までTOKYO MX等で放送(ダンジョン飯 - Wikipedia参照)

*18:2008å¹´2月号から2016å¹´5月号まで『月刊コミックブレイド』(マッグガーデン)で連載。テレビアニメ第一部『戦国妖狐・世直し姉弟編』は、2024å¹´1月から4月までTOKYO MX等で、第二部『戦国妖狐・千魔混沌編』は、2024å¹´7月から12月までTOKYO MX等で放送(戦国妖狐 - Wikipedia参照)

*19:『ヤングキングアワーズ』(少年画報社)で2005å¹´6月号から2010å¹´10月号まで連載。テレビアニメは2022å¹´7月から12月まで毎日放送・TBSの『アニメイズム』等で放送(惑星のさみだれ - Wikipedia参照)

*20:2011å¹´10月に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、人気を得たことから第1部「後宮編」が2012å¹´9月に主婦の友社から単行本として発売された。2017年からは『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)と『月刊サンデーGX』(小学館)の月刊誌2誌で、それぞれ別の漫画家によりコミカライズ版が並行連載されている。テレビアニメ第1期は2023å¹´10月から2024å¹´3月まで、日本テレビで放送。第2期が2025å¹´1月より日本テレビで放送中(薬屋のひとりごと - Wikipedia参照)

*21:1994年生まれ。2016年、光文社の新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」を受賞し、2017年、『名探偵は嘘をつかない』(光文社→後に2020年、光文社文庫)でデビュー。2023年、『阿津川辰海読書日記:かくしてミステリー作家は語る〈新鋭奮闘編〉』(2022年、光文社)で本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞(阿津川辰海 - Wikipedia参照)

*22:後に1975年、ソノラマ文庫→2004年、創元推理文庫

*23:後に1999年、ソノラマ文庫ネクスト

*24:1960年生まれ。1992年、『龍は眠る』(1991年、出版芸術社→1995年、新潮文庫→2006年、双葉文庫・日本推理作家協会賞受賞作全集)で日本推理作家協会賞(長編部門)、1999年、『理由』(1998年、朝日新聞社→2002年、朝日文庫→2004年、新潮文庫)で直木賞受賞(宮部みゆき - Wikipedia参照)

*25:1973年公開。映画『旅路 村でいちばんの首吊りの木』の脚本を務めた橋本忍の脚本

*26:「長男、次男(原作)」→「長男、長女(映画)」への変更なので「長女」が正しい。

*27:「原作通りでは子ども向きではない」と言う判断から、辻脚本「おばけナイター」が原作改変してることについてはゲゲゲの鬼太郎(1期)第1話「おばけナイター」視聴 - タリホーです。参照

「反中国を扇動する」ポピュリスト「頼清徳」を批判する他(2024年4月13日分)

海底ケーブル切断で起訴 台湾検察、中国人船長 - 日本経済新聞
1)過失なのか故意なのか
→故意だとして政治的背景があるのか
2)「反中国の扇動」という政治的思惑から、台湾検察が「過失なのに故意犯扱いしてないか」
が問題であり、今後の続報待ちですね。


学者75人が共同声明 言論の自由圧迫に警鐘 総統府「民主主義は国家の根幹」/台湾 - フォーカス台湾2025.3.28

「武力統一」を記した台湾の中国人妻はなぜ台湾から強制退去させられたのか、台湾内部の根深い対立と言論の自由の問題 | 中国・台湾 | 東洋経済オンライン2025.4.12
 亜亜さんの居留権剥奪に対して「言論の自由を守る」という観点から大きな批判も起きた。
 この声明文は、「頼清徳*1総統が就任して以来、中国大陸を絶えず悪魔化し、(ボーガス注:最大野党「国民党」など)異なる意見を持つ者を中国大陸の同調者として抑圧し、台湾社会の対立を激化させ、ポピュリズム的な手法によって支持者の結束力を高めている」などと批判した。そして、その結果、台湾における言論の自由の空間が急速に縮小していると指摘した。
 「亜亜」騒動はもともと台湾社会に存在する亀裂をさらに深めることになったことは間違いない。そこには、(ボーガス注:中国や中国人妻への)レイシズム的な言説が多く含まれており、台湾社会のモラルの低下が見られる。
 また、台北市の名門女子高の先生である区桂芝さんがテレビ局CCTV(中国中央電視台)の取材を受けた際に「頼総統」を批判し、中国大陸を「海外の敵対勢力」とみなすべきではない、などと発言したところ、それを見た市民が教育部(文部教育省に相当)に告発し騒ぎにもなっている。
 区桂芝さんは、いわゆる戦後に台湾に渡ってきた中国大陸出身者とその子孫を指す「外省人」だ。台湾には大きく分けて戦前からの台湾住民とその子孫である「本省人」と外省人がいるが、まだ大陸に親戚などがいる外省人からすれば中国大陸を「海外の敵対勢力」と言われることは、とても受け入れられないのは自然なことだろう。
 言論の自由に対する危惧を表明する人は、前述した75人の学者らのほかにも多々いるが、例えばそれによって激しいバッシングを受けた1人に、中正大学教授の羅世宏氏がいる。
 「国家安全はもちろん重要だが、人権と法治を代償にすべきではない」
 「亜亜さんの言論は過激なものに当たるが、政治的な観点を表明したものであり、組織を作ったり資金援助を受けたり暴動を計画・動員した事実はなく、即時、直接の戦争行為を扇動したものではない」などと述べた。
 中国大陸で台湾事務を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官は、「民進党当局は、自分で自由・法治・人権と言いながら、司法手段を乱用して両岸間で結婚した人たち*2をいじめ、家庭を離散させている」と批判*3した。

 武力統一容認発言を支持しないが「それだけ」で国外退去処分は「行政権の濫用」「人権侵害」ではないかという主張には全く同感です。
 台湾、軍事裁判制度を復活へ 中国の浸透工作に対応 - 日本経済新聞(軍事裁判復活論については勿論民主主義の観点からの批判がある)とセットで考えると「台湾政府」については民主主義の観点から懸念を感じざるを得ません。
 なお、東洋経済新報記事は「武力統一容認発言」について本心と言うよりも「中国人妻」を「中国の手先」扱いし、差別的、敵対的な「民進党・頼政権」に悪口するに当たり「口が滑っただけ」で本心ではないだろうとし、だからこそ「問題発言ではあっても国外退去などすべきでなかった」「かえって中台対立や中国人妻の反発、台湾内部の意見対立を助長している」と民進党を批判しています。なお、台湾においてはこの学者声明については「反中国の民進党支持層」を中心に「非難する声」が多いそうですが、俺は「全く正論(批判する方が間違ってる)」と思います。
 「支持者相手に中国を悪魔化し、ポピュリズム統治を行う」民進党への怒りを禁じ得ません。これは私見では「中国政府の台湾政策をどう評価するか」とは全く関係ない話です。

*1:台南市長(2010~2017年)、行政院長(首相に当たる、2017~2019年)、副総統(2020~2024年)等を経て2024年5月から総統

*2:中国人妻のこと

*3:中国の思惑が何であれ、ここでの「民進党批判」それ自体は全く正論だと思います。