私の地元には、とても大きな神社があった。お正月には、100万人程の参拝客が来る様な。 例に漏れず、私たちもその神社に良くお参りさせて頂いた。 そして、私が小学校中学年の大晦日。 三つ上の兄が、夜に年越しの瞬間を神社で迎えたいと、仲間たちとお参りに行くと言う。 私もついて行くと伝えると、渋々ながら了承してくれた。 初めて、真夜中に外出する。 親もついては来ない。 不安や期待が複雑に入り混じった感情に支配されながら、当日を迎えた。 出発は22時過ぎだったろうか。 いざ、神社へ。 玄関の扉を開け外に出ると、小さい物音でも遠くまで響くひんやりとした空気を肌に感じた。 歩き慣れている筈の道の風景も、真夜…