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竹内製菓のデザイン

 実家のある新潟県新潟市には春から月1回帰省していて、新潟市で何かおいしくて土産に向いた良い物がないものかと、目を光らせているのだが、これがなかなか難しい。
 いくら美味しくても肉、魚などの生ものは無理。すぐ渡せるわけではないのである程度日持ちするものでなければいけない。最近は職場(大学)の人に渡す事が多いので、できれば個包装になっているものが良い。もちろん、デザインが良いものが望ましい。

 これだ!と見つけたのが竹内製菓 https://www.takeuchiseika.com の「こざかな君」という名の柿の種。クリアな水色のパッケージも良いし、魚の形をしている柿の種って言うのも物珍しくっていい(柿の種の定義に合っているのかは不明)。しかも、おいしい…。
 同社の「えびかきもち」と組み合わせると水色とピンクが相まって可愛らしい。

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 とはいえ、上に挙げたお土産の条件にはすべて合っているわけではない。
 職場で分けられる個包装ではないし、1人にあげるにしても1袋230gというのも多い。とはいえ、その難を考慮してもなお、人にあげたい、人に見せたい、と思わせたのはインパクトのあるデザインのためだ。
 
 このデザインを手掛けたのは新潟市をベースにするPデザイン研究所 https://www.pdesign.co 。新潟県長岡市を拠点とするマーケティング、コンサルティングの会社、グローカルマーケティングを通じて新潟県小千谷市の竹内製菓を紹介され、このプロジェクトが始まったという。彼らがまず取り掛かったのはロゴデザインとお徳用柿の種のパッケージ。

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 四角の中に丸をいっぱいにあしらったマークが効いている。
「正方形に円が入ったいわゆる日本の家紋的なもので餅を表す「餅紋」をほぼそのまま使いました。餅にこだわる製法からです」と、Pデザイン研究所の山賀慶太さんは説明する。

 餅紋は米菓メーカーということで餅を表すのに適している事はもちろん、「持つ」「保つ」に通じる、餅はハレの日の食べ物で縁起が良いなどの意味がある。
 「竹内製菓」のロゴは従来使っていたものをベースに手を加えたもの。少しレトロな風合いを見せる。
「創業75年、今までもこれからも米菓を作っていく会社らしく、前からあったような、そしてこの後も長く使えるものを心がけました。
お徳用柿の種のパッケージのイメージとしては田舎の直売所の「田中さん家のきゅうり」みたいに見た目は素っ気なく、誰が作ったかわかって、量は多い、安い、でも品質はしっかりしている、スーパーのものよりフレッシュ(な気がする)という雰囲気を出したかったんです」(山賀さん)

 偶然なのか、私が「こざかな君」を見つけたのも地元の産地直売所(といっても最近の産直は野菜だけでなく、特産品なども扱っていたりしてスーパーのような整い方をしているのだけれど)だった。つやつやした野菜や果物に負けない、勢いのあるパッケージは正に山賀さんの狙い通りの効果が出ていた。

 Pデザイン研究所によるデザインリニューアルは引き続き、竹内製菓が運営している直売所「皐月堂」のグラフィック(店舗デザインはスポンジデザイン https://www.sponge-design.com/satsukido)、また「おぢやおかき」というお土産用商品を手掛けている。リニューアル後売上も伸び、徐々に販路が広がっていると聞く。どんどん販路が広がって、東京でも買えるようになると良いな、と思う一方、そうなるとお土産にできないかも、と余計な心配をしたりもする。
 


by dezagen | 2022-09-15 18:30 | プロダクト・パッケージ
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
04年以降の連載記事をまとめた2冊目の書籍。連載で紹介したアイテムのほか、名作ロゴやパッケージ、デザインケータイなどを紹介。
 
これ、誰が書いているの?
 
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