パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

【解説】Microsoft Certified Educator (MCE・マイクロソフト認定エデュケーター ) って何だ? - 実際に取得してみた

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Microsoft Certified Educatorという資格

以前EdTechZineさんにおいて連載した際にはなかったんです。

edtechzine.jp

その後のイベントではお話ししたのですが、Microsoft Certified Educatorという資格がその後誕生しました。

MIEやMIEEとは違う資格です

MIE(Microsoft Innovative Educator)や、MIEE(Microsoft Innovative Educator Expert)とは違うもので、MCEは受験料を払い、会場でのCBTによる試験を受けて、基準をクリアすると認定される資格です。

MCEとは?

では、そもそもMCEとは何なのか。

docs.microsoft.com

資格の概要についてサイトから引用します。

マイクロソフト認定エデュケーター (MCE) 認定は、エデュケーターが学生にカスタム個別の学習体験を提供するために必要な、グローバル エデュケーターのテクノロジ リテラシーに関するコンピテンシーを身に付けていることを証明します。 MCE 認定は、研修中のエデュケーター、教育大学の教職員、および現職のエデュケーターに適しています。

マイクロソフトから提供されている包括的な e ラーニング カリキュラムである21CLDは、この厳格な試験に対する準備に役立ちます。

この中でのキーワードは21CLD。
そうなんです、MCEは、「21CLDの考え方に基づいて、テクノロジーを使った学習カリキュラムを作成することができるコンピテンシーを身につけているか」ということについて、認定を行う資格です。

21CLDとは

21CLDと略称で書かれるとよく分からなくなりますが、長くすれば「21st Century Learning Design」、21世紀型の学習活動デザインとなります。

こちらもMSの教育センターに学習コースがありますのでご紹介します。(試験勉強にもなりますよ)

education.microsoft.com

その中で紹介されているPDFには、どのようなスキルが子どもたちに求められており、これらのスキルを身につけさせるためにどのように学習活動をデザインしているのかを紹介しています。

  • collaboration コラボレーション
  • knowledgeconstruction 知識構築
  • self-regulation自律的な学習
  • real-world problem-solving and innovation 現実社会の課題解決と革新的な取り組み
  • the use of ICT for learning学習のためのICTの活用
  • skilled communication熟達したコミュニケーション

試験の詳細は?

試験を実施しているオデッセイコミュニケーションズのサイトによれば、100点満点換算で70点程度が合格点となっております。(制限時間は60分間)

どんな内容なのか、問題数などの詳細は試験情報ページをご覧ください。

mta.odyssey-com.co.jp

実際に受けてみた

MIEE向けに案内があり、実際に受けてみることにしました。

先ほどのコースを受講し、21CLDの考え方やルーブリックについて学びます。
全てのコースにはミニテストがあり、合格するとバッヂが獲得できます。

education.microsoft.com

このコースです。

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取得完了

21時間って出てますけど、これはコースが想定する時間であって、私は動画を2倍速で流し見したので、大体4時間くらいの学習でした。

試験会場に向かう電車の中では、

教員向け『21世紀の学習活動デザイン』① 21CLDの紹介

で紹介されている日本語版のルーブリックのPDFを読みながらマーカー引いてました。

(この時にiPad miniが大活躍。)

それで、この学習っていうのがですね、資格のためっていうのももちろんあったのですが、授業を見つめ直す良い機会になりました。

ちなみに、21世紀型の学習活動デザインについては、Intelも似たような視点からの研修プログラムを公開しているので、見てみると良いと思います。

www.intel.co.jp

試験の内容

秘密保持契約により、詳しくお話することはできませんが、架空の事例を元に問題が設定され、それに対して選択式、並び替えといった設問があげられています。上記コースでの学習内容を丸暗記しているかではなく、学習内容を活用できるかについての問題です。

英語でしかアウトラインが出ていませんが、それを見ると、ルーブリックのレベルを設定するといった、ルーブリックが示されていての判断を行うといった試験の内容であることが読み取れます。

Microsoftのソフトウェアに精通しているかというものがメインではありません。

試験の結果

無事に取得できました。正答率は88%でした。

当日は大宮で受験するはずが、大宮会場でトラブルが発生して急遽北浦和まで行きました。懐かしい。(大学生の時よく使った駅)

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認定証

まとめ

MCEは、Google認定教育者と違い、操作スキルを求められていると言うより、これからの教育を21世紀型の学習デザインに落とし込んで理解しているかどうか、その前提を問われているような資格です。

この考え方が広まることで、特に総合的な学習の時間などはかなりの意識改革が進むように思います。実際にいろいろな人や企業と連携しながら子どもたちの成長のための学習デザインを行うことは刺激的ですし、子どもたちも外部と繋がることで生きた知識や経験としての学習を行うことができます。

資格を取る、取らないに関わらず、21CLDコースは受講してみると良いと思います。

そして、もしもお金に余裕があるなら受けてみても良いと思います。受験料は、13,200円です。

2021年11月1日追記:教員も学割なので7700円で受けられるそうです!

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ふむ。

どちらにせよ、落ちたら凹む金額ですね😅