07 ( サニヤシンは現実をエンジョイする ! ) だから このことを憶えておくがいい。 私は くり返しくり返し 強調したい。 サニヤシンとは〈生〉に逆らっている人のことではなく 真実､〈生〉に 協調する人のことだと。 そして またサニヤシンとは 自分の在りざまや 欲望のすべてを殺して、死んだも同然に なっている人のことではない。 彼は あふれんばかりに豊かな生だ 彼こそ 生気活気の 大いなる源泉だーー ! どういうことだろう ? これは 微妙なところだからね。 何が どうなるんだろう ? ちがいは いったい何だろう ? あなたがたは 空腹感を覚える。 そして 食べもののことを 考えはじめる。 が、あなたがたは その空腹感を 全面的(トータル)に感じたことは かつてない。 それには それ独自の 美しさがある。 空腹感を感じることのできない人は もうすでに死んでいるも同じだ。 空腹感が そこ

06 ( 分割は いっさいない !  ) あなたは 完全に 動いた あなたは それが 何であろうと その行為の中に流れ入った。 そのときには 喜びは 完璧なものとなる。 だから サニヤシン、無欲の人 というのは 死んだような欲望を抱いている人ではない。 サニヤシンとは その欲望する力、欲するという そのエネルギー全部を この現在の瞬間に 転じさせる人だ。 そのエネルギーは 未来の中に流出して行くことなく 現在の瞬間の上に 向けられている。 その欲望は  今  こ  こ  に 集中している。 彼自身が 一つの世界となったのだ。 すべてが彼の中に帰っていく。 未来に向かうものは 何一つない。 なぜなら 未来とは偽り、非実在だからだ。 もし あなたの欲望が 未来に向かうとしたら それは まるで 河が砂漠に向かって流れるようなもの。 それは 消えてしまう けっして 海にまで到らない。 けっして、海

05 欲望しないときには 何がどうなっているのだろう ? それは あなたが 自分を殺すという意味ではない。 ん? この点は 深く理解しておかなければならないよ。 というのも、こんなことが起こってくるからだ。 教典は、また、 知  っ  た  人たちは こう言っている。 無欲になったとき〈神性〉が あなたに起こる と…… と、あなたがたの頭(マインド)は それに跳びつく。 ちょうど 猫が鼠に 跳びかかるように この〝無欲の境地〟を 引っつかんで こう言うのだ。 よろしい もし〈神〉とは 無欲を通じて達成されるものならば それなら わたしは〝無欲〟を欲するーー これもまた欲望になり またあなたは 取り逃がすことになる。 ふむーー? そのときには サニヤシンは 無欲になろうと試みて この〝無欲の境地〟が 未来に成就すべきものとなる。 では あなたに 何ができるだろう ? 欲望を殺して 無欲になっ

04 ( サニヤスとは  欲  望  の  無  い  こ  と。 欲望の無いこととは 今に生きるという意味だ ) 憶えておくがいい。 〝今〟とは 時間の一部ではない。 〝今〟は 時間を 超えている。 時間が 入りこんでくるのは あなたがたが、過去という見地から 未来という見地から ものごとを 考えるときだ。 こ  の  今  の  瞬  間  は 時間の一部ではない。 この今の瞬間は、あなたの時計には示されない。 時計とは 常に未来に向かって 動いているもの それは 常に 未来の中で動いている。 けっして〝今ここ〟には いない。 それは 過去からやって来て 未来の中に進んでいく。 時計とは あなたがたの 頭(マインド)の代理人ーー それは  今  こ  こ に いたことがない !! こ  こ  だ と 言う瞬間、それは 動いてしまっている。 それが どこにいるかを 見る瞬間 それは 過去

03 ( 〈神〉は 欲することなど できないもの。 もし欲するとしたら、それは 神以外の 何かだ ) なぜなら〈神〉とは  未  知  な  る  も  の  だからだ。 どうやって 未知を欲することができるかね ? 〈神〉とは まだ経験したことの ないもの どうやって それを欲することなど できる ? あなたがたは セックスを欲することはできる。 権力を 欲することはできる 自我(エゴ)を 欲することはできる なぜなら それらはあなたがたの 知っているものだからだ。 幾生にも幾生にも わたってあなたがたは それを知り尽くしてきた。 しかし 〈神〉を いったい どうやって欲せよう ? 愛を いったいどうやって欲せよう ? 歓喜(エクスタシー)を いったいどうやって欲せよう ? あなたがたは それを知らない。 それを 欲望するのは 不可能なこと。 だからこそ、あらゆる教典に書かれているように

02 サニヤスとは 過去から自由になることだ。 その瞬間の中に生きる 頭の中に過去を 持ち歩かないで その重荷を背負うことなくーー 瞬間から瞬間へと、過去は 死なせながら そんなものは 存在したことなどないかのように あたかも 新しく生まれかわったかのように生きるーー 一瞬ごとに新鮮で若々しくありなさい。 過去は脇へ置きやることだ。 ホコリをためてはならない。 もしホコリを ためこんでしまったら あなたは毎日毎日 ますます鈍重になる。 あなたの意識は ホコリをかぶり あなたの 鏡のような実存は 何一つ 反射することができなくなる。 過去と長く生きるほど その鏡は 曇っていくばかり。 それは 映すことをしなくなる。 あなたは 感じやすさを ますます失っていく。 これこそ すべての人に起こったことなのだ ! サニヤスとは  突  破  することーー 過去を 見つめて それはもう  な い  こ

01 あなたの存在を わかち合うがいい…… 「バグワンーー 今週 あなたは、私たちは他人のことにかかずらうべきではないと言われました。 ですが、西洋から来ている私たちのほとんどは、自分たちが見出したことを わかち合いたい友人・家族を持っています。 サニヤスについて彼らに何を語ったらいいでしょう ? あなたについて彼らにどう話をしたらいいでしょうか ? いかにして、説明しえないものを説明できるでしょう ? 」 ものごとには 語ることのできない ものがあるーー あなたがたは それを 言語の上では わかち合うことはできない。 が、それをわかち合う方法は 一つだけある。 それは、あなたの存在を通じて わかち合うことだ。 サ  ニ  ヤ  シ  ン  で  在  り  な  さ  い  ! それが、サニヤスとは何かを 他者に語る唯一の方法だ。 もし  あ  な  た  が サニヤシンであるのなら あ

03 ( 政治家たちは これを破壊的な目的のために使える。 宗教では これを大いに創造的な現象のために使える。 それは 瞑想となりうるのだ ) 東洋では 人々は共同体の中に どっぷりつかりすぎている。 だから宗教的に なりたくなるときには きまってヒマラヤに 入って行きたくなる。 まわりには  社  会  が  あ  り  過  ぎ  る 。 人々は自分自身に うんざりすることはない。 が、社会に うんざりしている。 これが ちがいだ。 西洋では あなたがたは 自分に うんざりしている。 そして 何か橋がかりを求めている。 社会と、他者と、どのように打ち解けられるか どのようにして 橋をかけるか どのようにして 他者に向かって動いていくか…… それによって あなたが 自分自身を忘れられるようにだ。 東洋では、人々は社会に うんざりしている。 彼らは それとあまりに長いあいだ つき合ってきた

02 ( ヒットラーが成功したのは 彼に立派な 有意義な哲学があったからではない。 彼の哲学など バカげたものだった ) 子供っぽい 未熟なものだった。 その成功は、彼が ドイツ国民に対して 自分の正しさを説得できたからではない。 それは肝心な点ではない。 ドイツ人を説得することなど 大変な難事だ。 最高にむつかしいことの 一つだ。 彼らは 論理家で、頭の中には 論理が詰まっている。 何をやっても合理的 ーー 彼らを 納得させることは非常にむつかしい。 彼らが ヒットラーに説得されたなどということは不可能なことだ。 いいや ヒットラーは 彼らを 説得しようとしたのではない。 彼は ただ催眠的な 集団現象を つくりだしただけだ。 そして そ  れ  が  彼  ら  を  説  得  し  た ーー ヒットラーが 何を言っているか、それは大事な点ではなかった。 大事なのは集団の中にあるとき、

「01」 ( 質問 ) 「バグワン ーー 西洋では、成長のための方法は ほとんど集団指向です。 たとえば エンカウンター療法、あるいはサイコドラマ(心理劇療法)のように。 東洋では、アシュラムとか 修道場があって求道者たちが集団で生活しているようですが、その強調するところは個人にあるようです。 これら二つのアプローチについて話していただけませんか ? 」 成長のための方法には 二つのタイプがある…… あなたがたは 自分の内面的(スピリチュアル)な成長を 独りで追求することもできるし、あるいは集団(グループ)を、修道場的なものを通して作業することもできる。 東洋でも これらのタイプは 両方とも常に存在してきた。 スーフィの手法は 集団による手法だ。 インドでも また集団による方法はあった が、回教や、スーフィズムほど勢力のある手法であったことはない。 しかし 量に関するかぎり 西洋が 完全に

15 ( 献身者たち、バクタたちだ。 ミーラや チャイタニヤ、キリストや モハメッド 彼らは イエスを言う人たちだ ) そして宗教には 当然 二つのタイプがある。 一つは 否定者をめぐって存在するもの もう一つは 肯定者をめぐって存在するもの あなたも また どれかに属している。 もしあなたが 否定者だとしたら そのときには 仏教が あなたにとって大きな助けとなる。 もしあなたが 肯定者だとしたら そのときには 仏教は あなたにとって 助けにならない。 それは むしろ破壊的にすらなる。 キリスト教のほうが 助けになる。 ヒンドゥ教が 助けになる。 どちらも必要だ。 私が こう言うときには この二つは 常に釣り合をもって存在しているという意味だ。 ちょうど 男と女の ように ほとんど 常にその数値は変わらない。 世界全体が 分かたれている ーー 半分 男で 半分 女だ。 大自然が この釣り合

14 ( 父親としてあること、母親としてあること それは むつかしいことだ。 この世で  も  っ  と  も  むつかしいことだろう。 だが 人々は  いちばん簡単なことだと 考えている…略… ) …子供を 数多く生むのは 簡単だ 面倒なことは全然ない、動物たちでさえ楽にやっている。 しかし 母親になる ということは 非常に むつかしいことだ。 この世で もっとも むつかしいことだ。 父親になるということは また それ以上に大変なこと。 母親になる ということは 自然だが 父親になる というのは それほど自然なことではない。 〝父親〟とは 社会的な現象だ ーー ! 私たちが  父親 というものを つくり出したのだ。 それは 大自然の中に存在するものではない。 だから 父親になるということは たいへんむつかしい。 それは自然本能の中にあるものではないからだ。 そしてまた それが むつかしい

13 ( 子供を過剰に 保護してしまったら その子は 成長することがない ) そこで 多くの人々は ずっと子供のままでいる。 彼らの精神年令は子供のそれのままでいて けっして成長することがない。 たしかに年を 取りはする、七十才ぐらいまで生きはする。 だが彼らの精神年令は 七才程度に とどまる。 というのも彼らは 余りに保護されてきすぎたからだ。 裕福な家庭を みてごらん。 子供たちは 保護過剰になっている。 彼らは 自由を まったく認めてもらえない。 まちがいを 冒し 経験し 迷い 道を外れる自由 ーー ほとんどの時間、誰かが かならず周囲にいる。 雇人、家庭教師、家政婦…… 彼らは 独りに なったことがない。 そうなったら どんなことになるか見てみるがいい。 ほとんどの場合、裕福な家庭が 生みだすのは 凡庸で、愚かな 馬鹿な子供たちだ。 偉大な頭脳が 金持ちの家庭から出てきたことなどか

12 (  無意識に そう思っている ! しかし もしあなたが 敏感に 心していられたら……) もし あなたが ほんとうに瞑想していられたら あなたは 敏感になるだろう。 自分の子供の中に 同じ分裂症を つくりださないこと ! 区別しないでいなさい、分けないでいなさい。 あなた自身 充分に苦しんだではないか。 同じ 苦しみを自分の子供に もたらさないでいなさい ! ほんとうに 愛していたら あなたは子供を 分裂させることなどしないはずだ。 なぜなら分裂は 苦悩を生みだすものだからだ。 あなたは 子供が  一全体として とどまるのを助ける。 全一性こそ 神聖なるものだ。 そして全一性は 歓喜にあふれる可能性をもたらし 経験の絶頂へと通じる 扉をひらく ーー では どうやったら子供が  一全体 としてとどまれるよう 助けることができるだろうか ? まず 一つ、このことだ 敏感に 心していること

11 ( しかし、この拒否というのは 両親によって つくり出されたもの ) 子供というのは きまってたいへんな発見家だ。 そして もちろんのこと 子供は まず自分の 身体を発見することから始まる。 ふむ? それこそ 子供にとって いちばん近い実在物だからだ。 子供は 月には行けない、エヴェレストには登れない。 それらは非常に 遠いもの いつの日にかは 行くこともできよう。 しかし 今現在のところでは いちばん近いのは 自分自身の身体だ。 子供は それを発見しはじめる。 自分の身体に触って、それを楽しみはじめる。 ようく見ていてごらん 小さな子供が 自分の足指に触れているのを…… 嬉しそうだ、ほんとうに楽しそうだ たとえ月に行ったとしても あなたは こんなに嬉しそうにはなれないだろう。 彼(彼女)は 自分の身体を発見したのだ ! その足の指に触って楽しみ そしてまた それを口に持っていく、ん

10 (……わたしは あなたの中の これしか受け容れられない…… こう言い合うとき あなたがたは いったい何をやっているのかね ? あなたがたは 相手の内部を また分割しているのだ ) 父親が こう言うとき これを してはいけない ! これは認められない ! これには 腹が立つーー ! そして 子供を罰するとき、それは 子供が何か まちがったことをした と  父  親  が 考えるからだ。 いったい彼は 何をしているつもりだろう ? 彼が 子供を評価するときには、オモチャを与える。 花や お菓子を買ってきて こう言う。 おまえは よくやった 父さんが評価できるような 善いことをやった ! いったい これで何をやっているのだろう ? 彼は子供の中に 分裂をつくりだしている。 徐々に 子供のほうもまた 親が拒否してきた部分を 拒否するようになる。 そして分裂してくる、二つの〝私〟になっていく

08 ( 老子は こう言ったそうだ。 髪の毛 一本ほどの区別をしただけで 天国と地獄に 分かたれる ーー と。) 瞑想者の 頭(マインド)の中に ほんの かすかであっても区別が生じてきたら そのときには 全世界が 分割される。 瞑想とは区別しないこと、分別の無いこと。 あなたは ただ 見るだけ 〈全体〉を ただ見て それを分割しない ーー これは 醜いが あれは美しいなどとは 言わないこと これは善くて あれは悪いなどと 言わないこと。 あなたは 何も言わないで た  だ  在  る ーー 何も言わない、どんな分割も しない…… 二元性は そこにはない。 瞑想の内では あなたは〈神〉になる。 人々は、瞑想の内では〈神〉を見ると 考えているが これは まちがいだ、誰も見えはしない。 〈神〉は 対象物ではない。 瞑想の内にあっては  あ  な  た  が〈神〉になる。 すべて 区別 分別は消え

07 こんな話がある ーー 昔のイスラエルに ソドムという町が あったが この町の人々は たいへん堕落していた 性的に 倒錯していた、ホモセクシャルだった…… そこで〈神〉は この町を破壊してしまった と いわれる。 町 全体が 完全に破壊された。 巨大な 火柱が降りて来て、人 皆すべて殺された ーー 何世紀も 経ってから ハシディズムの聖者､ 神秘家が質問を受けた。 質問者は言った。 神が ソドムを崩壊させたとき 町の中には 何人かの善人も いたにちがいありません。 が、住人 全員が殺されました…… 私たちは 悪人が滅ぼされる というのは受け容れることができます。  なにせ悪人なんですから。 ですが なぜ 善人まで……? さて ここで ずる賢い 考え方(マインド)をよく見てごらん。 このハシッドは ちょっと考えてから こう答えた。 神が 善人までも滅ぼしたのは、彼らを、悪人はたしかに悪人

06 聞いた はなしだがね…… 或る人が、スーフィの神秘家の一人 ジュネッドに 言った。 非常に邪悪な男が あなたの話を聴きに来ています。 その男にあなたは、あなたと親しく親密になることを ゆるしておられるが 追い出したほうがいい あれは 善人ではありません。 ジュネッドは 言った。 もし神が〈実在〉から彼を 追い出そうとしないなら 私にどうして彼を 追い出せよう ? もし〈神〉が 彼を受け容れるなら…… 私は〈神〉に優越してなどいないんだよ。 〈神〉が彼に 生命を与えた 〈神〉が彼に 生きるのを助けている。 それにあの男は まだ若くて元気だ。 きっと長生きするだろう、あなたより 長生きするだろう。 だから そんなことを決めるとしたら いったい 私は 何様だね ? 〈神〉は 善と悪の 両方に降り注ぐ。 〈神〉にとっては 善も悪もない という情況 この情況は まったく はっきりしている ガラ

05 (…イエスと言うことが この子の天性で ノウと言うことが あの子の天性なのだ。 どちらも 必要なのだ ーー ) もし 誰も ノウを言う人が いなかったら 〈生〉は なんとも平坦で つまらないものになる。 もし誰も彼もが イエスを言う人だったら 〈生〉は完全に 冴えない愚かしいものになる。 否定者も 必要、これは正反対の極だ。 もし 誰も反逆する人がいなかったら 従順ということは 無意味になる。 選択しないで､ ただ そのちがいを感じて助けなさい。 子供たちに あなた自身を 押しつけないこと そんな暴力は いけない。 しかし どんな父親も暴力的だ ーー どんな 母親も 暴力的だ ! あなたがたは暴力的になることができる。 なぜなら あなたがたは 愛の名において暴力的だからだ。 誰も あなたのことを批判しようとはしない。 あなたは､ 子供を愛しているからこそ 打(ぶ)たなければ ならない