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平成２２年１１月４日を境に私のメディアに対する認識は一変しました。なぜそうなったかと言いますと、それまでは一視聴者であり一読者であった私の言動が、その日を境にテレビ画面や新聞紙面を賑わすようになったことで「本当の事実」と「事実として報道されるもの」との間に乖離があることを知り、メディア報道の真実が何たるかを肌で実感したからです。無論、これをもってメディア全てが分かったなどと大上段に振りかぶるつもりはありませんが、少なくとも、稀な経験をした者としての視点からメディアを語ることはできるようになりました。今回、それが一人でも多くの読者のリテラシー向上に寄与するのであればと思い筆を執った次第です。

二桁のかけ算 一九一九(イクイク) (黒松ブックス)／かえるさんと共著 ／11×11=121（ヒヒ、ヒヒ、人に人）などの語呂合わせ ――伊藤さんは編集者という仕事の核があって、ほかにも美術家、映像作家としての評価も受けてらっしゃいます。そういった作品のカテゴリごとに、ご自身で仕事の違いを感じることはありますか? 伊藤 なにもないですよ。 ――編集者のスキルを生かしてさまざまものを作ってらっしゃると。 伊藤 そうですそうです。ツールも同じ。たとえば、映像を作る場合、最初は「文字」で作ってるんです。絵コンテの前に「字コンテ」ですね。そういう意味で言うと、何のツールを使って作っているかが凄く重要だと思っていて。この間、山城（大督）君っていう美術作家が空間的な展示をしていたんだけど、彼はもともと映像作家で、その空間を作るのに「Final Cat Pro」っていう映像ソフトで設計したって話をしてて、