社会保障と税の共通番号制度（マイナンバー）に関連し、医療などの情報の利活用と保護のための個別法を検討する厚生労働省の有識者会議は29日、同法の学術研究分野への適用のあり方などについて、ヒアリングを行った。この中で、山縣然太郎・山梨大大学院教授は「これまで非常に労力を要してきた追跡調査に対して、個別法での医療共通番号の活用は非常に大きなメリットになる」と強調した。 また、同じくヒアリングを受けた永井良三・自治医科大学長は、現在の医療が慢性疾患の増加などに伴い、「医療行為の有効性の実感が分からず、確率的な医療が主体になっている」とした上で、「常に医療の実態を調べながら、診療する必要がある」と指摘。「（現在は）医療と臨床研究を分けられない時代であり、データに基づく医療が必要」と述べた。 　一方で、情報漏えいした際の罰則規定については「研究に過度の委縮をもたらすとともに、国民が自らの健康や医療につ

厚生労働省は29日、「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」の会合に、医療機関がホームページに記載する内容のあり方を定めるガイドラインの案を提示し、大筋で了承を得た。同案では、たとえ事実であっても、「肺がんの手術件数が日本一」といった、ほかの医療機関と実績を比べて優位を示そうとする事項などを、ホームページに掲載すべきでないとしている。厚労省は、8月にも局長通知でガイドラインを示す。 医療機関のホームページのあり方を定めるガイドラインの厚労省案を大筋で了承した検討会（29日、同省） 厚労省案がガイドラインの対象としているのは、医療機関のホームページや、そのページとリンクしている個人のブログなど。「日本一」などの文言のほか、「芸能プロダクションと提携している」といった、ほかの医療機関より優れているとの誤解を患者に与えかねない表現は、事実であっても掲載を控えるよう求める。 　また、▽手術結果を

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