震災から１年半以上がたち、ようやく水が引いた農地に重機を入れ行方不明者を捜索する警察官ら＝宮城県石巻市長面地区で２０１２年１０月８日、森田剛史撮影 宮城県石巻市は８日、東日本大震災の津波で児童７４人が死亡・行方不明になった市立大川小学校近くの長面（ながつら）地区で、重機を使った大規模捜索を震災後初めて開始した。同地区は地盤沈下や防潮林の流出で浸水し、今年６月に全長１．３キロの堤防が完成するまで、ポンプで排水できない状態が続いていた。来年３月まで、震災前に農地だった１０６ヘクタールを捜索する。 同地区では大川小の児童を含めて８０人が死亡、２３人が行方不明になっており、初日の捜索には県警河北署員や市教委職員ら約３０人が参加。水深約１メートルでも掘削できるショベルカーなど重機４台で用水路から泥を掘り出し、手作業で行方不明者の手がかりを捜した。同署の佐藤昭彦地域課長（４６）は「骨の一片も見落とさず

平野復興大臣はＮＨＫの「日曜討論」で、東日本大震災の復興予算について、震災が起きた去年とは状況が変わってきたとして、今後はできるだけ被災地に特化する形で予算を執行していく考えを示しました。 この中で平野復興大臣は、東日本大震災を受けて、５年間で少なくとも１９兆円規模をあてる復興予算について、「すべてが被災地対象ではなく、震災があった去年は、日本経済の落ち込みを防ぐことで復興を果たすという大きな意味で経済対策に予算をつけた。全国防災という形で、次の災害に備えるための予算も入っている」と述べました。 そのうえで、平野大臣は「現在はフェーズが変わり、日本経済は当初想定された衝撃からは脱し、復興予算で手当てする必要がなくなっている。防災事業も、どこまで限定するかという問題がある。さらに個々の予算でみた場合、私からみても、いかがなものかという予算がないわけではない。きちんと精査して、来年度は、できる

石巻 里帰りで思い出の品探す 8月14日 15時46分 宮城県石巻市では、津波で流された住宅の後片づけで見つかったアルバムや位はいなどが展示され、お盆でふるさとに帰ってきた人たちが家族や友人たちの思い出の品を探しています。 アルバムや位はいの展示は、石巻市がボランティアに協力してもらい、ことし５月から開いています。石巻市内の会場では、アルバムや写真、それにかばんや位はいなどが見つかった地区ごとに分けて展示されています。１４日は、遠方に避難している人やお盆でふるさとに帰ってきた人たちが、次々と会場を訪れていました。訪れた人たちは、カビなどで見えにくくなった写真に顔を近づけて見たり、かばんの裏側に名前がないかを確認したりして、家族や友人の思い出の品を探していました。法要を行うために仙台市から里帰りした６０代の夫婦は「実家や子どものころを過ごした場所が全くなくなってしまって本当に残念です。先祖の

漂う灯火、祈り一心　石巻・川開き祭り開幕 東日本大震災の犠牲者をしのび、しめやかに行われた灯籠流し＝３１日午後６時５０分ごろ、石巻市 宮城県石巻地方の夏を彩る恒例の「川開き祭り」（実行委主催）が３１日、幕を開けた。初日は東日本大震災の犠牲者を悼む灯籠流しや供養祭が行われ、大勢の市民が鎮魂を祈った。 　石巻市内を流れる旧北上川では、震災の遺族が故人の名前などをしたためた灯籠約１万個を流した。オレンジ色の温かい光が水面をゆっくりと漂い、訪れた人たちの目を奪った。 　川の近くで行われた供養祭には多くの遺族が参加し、黙とうをささげた。津波で夫を亡くした阿部文子さん（６２）は「自分のそばに流れてきた灯籠が、まるで夫の魂のように思えて、少しだけ安らかな気持ちになれた」と話し、涙をぬぐった。 　祭りは１日もあり、昼はディズニーキャラクターなどによるパレードを開催、夜は「祈り」「希望」をテーマにした花火大

印刷 　警察庁がまとめた東日本大震災（余震を含む）の死者は、２４日現在で１万５６２５人となった。警察に届け出があった行方不明者は４８２３人。

短めの夏休み　宮城県内の公立小中学校で終業式 「夏休みが楽しみな人は？」の質問に元気よく手を挙げる湊小の子どもたち＝２０日、石巻市住吉中 宮城県内の公立小中学校の大半は２１日から夏休み。２０日は各校で終業式や全校集会が行われた。 　東日本大震災で被災した石巻市では、小中学校計６４校のうち６１校がこの日で１学期を終えた。校舎１階が被災し、避難所となっている湊小（児童１４８人）は約２キロ離れた間借り先の住吉中の音楽室で終業式を迎えた。 　震災前は２０６人の児童がいたが、震災後は３割に当たる約６０人が転校を余儀なくされた。夏休み中も新たに７人が別の学校に移るという。 　佐々木丈二校長は「夏休みは家で皆さんができることを手伝ってみよう。転校する人は新しい学校でも自分の力を信じ、何事も乗り越えてほしい」と呼び掛けた。 　児童を代表して２年千葉柚さん（８）は「なかなか学校が始まらなくて心配だった。みん

ＪＲ仙石線　矢本―石巻間が再開　住民が小旗で出迎え 運転再開を祝い、小旗を振るなどして車両を出迎える住民ら＝１６日午前９時ごろ、石巻市錦町のＪＲ仙石線陸前山下駅 ＪＲ東日本は１６日、東日本大震災の影響で運転を見合わせていた仙石線矢本（宮城県東松島市）―石巻（宮城県石巻市）間（８．８キロ）の運転を再開した。 　運転再開に合わせ、陸前山下駅（石巻市）では駅周辺の町内会の呼び掛けで、約１００人の住民が小旗を振るなどして、車両を出迎えた。 　錦町町内会会長を務める佐々木清美さん（７９）は「この日を待ちわびていた。地域には仙台まで通勤、通学する住民が多く、一日でも早い全線開通をお願いしたい」と話した。 　矢本―石巻間では当面、震災前より１４本少ない往復１９本の暫定ダイヤで運行する。変電施設が復旧していないため、陸羽東線と陸羽西線で使っているディーゼル車を使用する。 　松島海岸（宮城県松島町）―石巻間

世界で一番 面白い街を作ろう 石巻をバージョンアップしたい。 震災の前の街に戻すのではなく、新しい未来を作りたい。 被災した店の二階に集まった有志たちの思いから、 ISHINOMAKI 2.0は生まれました。 合言葉は、「世界で一番面白い街を作ろう」。 街を開き、世界中からアイデアや才能や知恵や経験を集め、 人と人をつなげ、巻き込み、未来を作る。 古いしがらみは断ち切り、世代や立場を超えて、誰もが主役の未来を作る。 プロジェクトや場所やメディアを融合させて、楽しく、遊ぶように未来を作る。 ISHINOMAKI 2.0とは、組織の名前というよりも、そんな考え方の名前なのです。 それは、ちょっとした革命のようなものかもしれません。 ここで生まれた未来のプロトタイプは、 ほかの多くの街の役にも立つ。そう信じています。 石巻を世界で一番面白い街にする革命。 あなたも参加しませんか。

犠牲者の名前 夏祭りの灯籠に 7月13日 12時56分 宮城県石巻市の伝統の夏祭り「川開き祭り」で、ことしは、東日本大震災の犠牲者を追悼するため、亡くなった人たちの名前を灯籠に書いて川に流すことになり、１３日から記入の受け付けが始まりました。 石巻市の「川開き祭り」の灯籠流しは、例年、水の事故で亡くなった人たちを追悼するために行われていますが、ことしは、東日本大震災の犠牲者の慰霊のため、灯籠に亡くなった人の名前を書き込んで流すことになりました。１３日から石巻市内で記入の受け付けが始まり、石巻商工会議所にも震災で家族などを亡くした人が訪れて、名前を書き込んでいました。石巻市に住む遠藤由子さん（４９）は、「女川町で１人で暮らしていた７２歳の母の名前を書きました。実家は津波で流され、母もまだ見つかっていませんが、こうした形で慰霊してもらえるのは、とてもありがたいです」と話していました。灯籠はおよ

印刷 関連トピックス地震大川小の６年生だった平塚小晴さんを捜し出そうと重機を使って同小の南側を掘り起こす母親のなおみさん（３７）。震災後、他の遺族らとともに校舎周辺をスコップで掘り続けたが、「より広い範囲を捜したい」と先月下旬に重機のオペレーター資格を取得した＝１１日、宮城県石巻市、遠藤啓生撮影 　児童と教職員に多くの犠牲者を出した宮城県石巻市の大川小学校では、震災から４カ月を迎えた１１日も、遺族や機動隊員による捜索が続いた。 　同小では児童６人、教諭１人がいまだに見つかっていない。６年生の平塚小晴さん（１２）も、その一人。母親のなおみさん（３７）は、「はやくおうちに帰してあげたい」と震災翌日からスコップを手にし、６月には重機のオペレーターの資格を得て、娘を捜す。 　警察も捜索を続ける。この日、大阪府警の警察官約１６０人がひざ下まで水につかりながら、積もった土砂をスコップで掘り返し、衣服な

印刷関連トピックス地震原子力発電所 　日本教職員組合（日教組）の第９９回定期大会が４日、東京都内で始まった。 　４日は東日本大震災の被災地からの現状報告があった。宮城、岩手の両県教組の委員長、書記長らは「今も簡易給食の学校がある」「子どもだけでなく、自宅や家族をなくした教職員の心のケアも必要だ」と説明。継続的な支援を求めた。福島県教組は「国や県の（原発事故への）対応は遅い。子どもの安全について基準を示さず、教職員の判断に委ねられている」と指摘。「原発事故は子どもの生活と未来をめちゃくちゃにした。脱原発と再生可能な新エネルギーへ方針転換するべきだ」と訴えた。 　大会は６日までの予定で、２０１１〜１２年度の運動方針などが議論される。 関連リンク特集：東日本大震災

いまも約１８０人が避難所生活を送る石巻市立湊小の体育館で、短冊に願い事を書いた「七夕飾り」がお目見えした。　避難所で子供を持つ母親らが近隣の寺から笹２本をもらって飾り付け。「幸せでありますように」など前向きな願い事が目立つが、「仮設が当たりますように」などの切実な願いも。７日の七夕まで飾られるという。

印刷 「がんばれ東日本」などと書かれたサッカーボールを達増拓也・岩手県知事（左）に手渡す松本龍復興担当相＝岩手県庁 　松本龍復興担当相は３日、東日本大震災の被災地である岩手・宮城両県を訪ね、両県知事と会談した。前日の福島県に続く就任後初めての被災地訪問だが、被災者の感情を逆なでしかねない発言を連発した。週明けの国会で野党が追及する可能性もある。 　最初に訪れた岩手県庁の玄関前では、衛藤征士郎・衆院副議長からもらったというサッカーボールを持ち出し、「キックオフだ」と達増拓也知事に蹴り込んだが、達増氏は取り損ねた。 　会談では、仮設住宅の要望をしようとする達増知事の言葉を遮り、「本当は仮設はあなた方の仕事だ」と指摘。仮設住宅での孤独死対策などの国の施策を挙げ、「国は進んだことをやっている。（被災自治体は）そこに追いついてこないといけない。知恵を出したところは助けるが、知恵を出さないやつは助けな