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2010年代の建築・都市の行方を考えるためには、2000年代(ゼロ年代)から少しだけ延長して、1995年まで... 2010年代の建築・都市の行方を考えるためには、2000年代(ゼロ年代)から少しだけ延長して、1995年まで遡って流れを振り返ると、よりはっきりと見えてくるコンテクストがあるように思う。「1995年」とは、阪神淡路大震災やオウム真理教事件により既存の物理的な都市インフラの脆弱性が明らかになり、windows95が発売され「インターネット元年」と呼ばれて、新たな情報インフラの可能性が顕在化した年である。 ちょうどこの頃、バブル崩壊後に襲った空虚さのなかで、建築家不要論がささやかれていた。社会学者の宮台真司氏は地方都市に建つ公共施設を例に挙げ、「地域性」を表現したバブル公共建築は地域の人が誰も使わないからテレクラの待ち合わせ場所として有効に機能している、と指摘した。バブルという時代、「建築家」が高額の商品となり、膨大なコストをかけて実用的ではない箱をつくり、難解な言語を操り自己満足していると