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1年前に書いたものです。 豊饒の年だった。最後まで順位を決めらぬまま、選考会に臨むこととなった。 ... 1年前に書いたものです。 豊饒の年だった。最後まで順位を決めらぬまま、選考会に臨むこととなった。 上田早夕里は緊密な構成と文体、実在感ある世界の現出に長じ、それが暗めの情調とあいまって「くさびらの道」などたいそう魅力的だが、上出来な作品と仕上げるためにはどこかで守勢に回らざるをえず、捨て身で書かれた作品とならべれば、そこが不満となる。表題作は世評高いが、私を「そう、この小説はこうでしかあり得ない」と説得してくれなかった。ああもコスト高な生活環がなぜ採用されたのか、どうして人の側は「進化」しないのか、などの瑣末事はさておき、前半で布置された登場人物の喪失感が、壮大な進化の話に紛れて、正面から取っ組み合われていない、と感じる。「朋」はもっと「業の深い」アイディアであるはずだ。――さて「傷つき病んだ男特集」とも言うべき本書としては、白眉はやはり「小鳥の墓」だろうか。私としては「饗応」の、トリビュ
2011/03/05 リンク