注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
大学生だった頃、友人から「童話」を書いてくれと頼まれた。彼が所属する同人サークルの小冊子に載せる... 大学生だった頃、友人から「童話」を書いてくれと頼まれた。彼が所属する同人サークルの小冊子に載せる為だった。 私は童話には殆ど興味が無く、それ迄に読んだと言えば、せいぜいテグジュペリの「星の王子さま」位しか思い当たらなかった。しかもあの物語自体、童話なのかも疑わしい。それでも暇を持て余していたのだろう、何故か引き受けていた。 今回はいつもと趣向を変え、埃まみれのその原稿を引っ張り出してきた。 「木霊」 僕はもう少しで泣き出しそうだった。こんなに遠く迄一人で来たのは初めてだったし、僕の大好きなお母さんからはいつも「森には恐ろしい鬼がいるから、絶対行ってはいけません。」と言われていたのに、今朝、そのお母さんと喧嘩した後、気付くと僕は森へと続く細い一本道を歩いていた。 だけど今日はこんなにいい天気で、木立の間から小鳥達のさえずりが僕を誘っているし、それに僕の気持ちを少しも分かってくれないお母さんを
2019/08/19 リンク