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いま思えば90年代初頭の河出文庫の質の高さは目をみはるものがあった。澁澤龍彦・種村季弘二人の著作を... いま思えば90年代初頭の河出文庫の質の高さは目をみはるものがあった。澁澤龍彦・種村季弘二人の著作をはじめ、二人につながる中野美代子さんの本や、各国「怪談集」アンソロジーなどは、いまでもわたしの書棚に並んでいる。 だから、作者や作品のことをよく知らなくとも、河出文庫に入ったのだから面白いものに違いないと、河出文庫に強い信頼を寄せていた。そのころ本好きの道を歩みはじめたばかりだった学生のわたしは、河出文庫贔屓だったのである。 当時出たシリーズとしては、橋本治や南方熊楠のコレクションがある。中沢新一さんが責任編集にあたり、全冊に長篇の解説を書いていた南方熊楠は専門分野からして興味を持つのは当たり前だからおくとして、そのころ『桃尻娘』の作者といった程度の知識しかなかった橋本治さんの作品が「コレクション」と銘打たれて文庫化されたことに、「じゃあひとつ読んでみようかな」という気持ちになったのは自然の流
2005/11/10 リンク