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2008年3月のチベット騒乱以降、日本でも中国の少数民族問題を論じた書物が書店で数多くみられるようにな... 2008年3月のチベット騒乱以降、日本でも中国の少数民族問題を論じた書物が書店で数多くみられるようになった。本書も、その流れの中での出版と位置付けることも、あるいは可能かもしれない。それならばネット上などでもう少し話題になってもよさそうなものだが、今のところそうなっていないのは、本書の上下で6000円という価格に加えて、その突出した「重さ」のせいであろう。その内容について、安易に語ることを拒絶するものがこの本にはあるからだ。全体を読みとおすことは中国の現代史についての一般的な知識があればさほど難しくはない。しかし、そこで提起される問題について整理しようとすると、立ち止まって深く考え込まずにはいられない、これはそんな稀有な書物だ。 墓標なき草原(上) 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録 作者: 楊海英出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/12/18メディア: 単行本購入: 1
2010/02/27 リンク