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偽汽車(にせきしゃ)は、幽霊の如く存在しないはずの蒸気機関車が鉄道線路上を走るという怪現象。幽霊... 偽汽車(にせきしゃ)は、幽霊の如く存在しないはずの蒸気機関車が鉄道線路上を走るという怪現象。幽霊機関車(ゆうれいきかんしゃ)などとも呼ばれる。 日本に蒸気機関車が導入され、鉄道が普及し始めた明治時代に日本各地で語られていた。 偽汽車の話は、主に狐や狸など変化能力を持つ獣の仕業とされ、それらが汽車に化けている内に本物の汽車に撥ねられ、死体となって発見されるといったものが多い。民俗学者・柳田國男は著書『狸とデモノロジー』の中で、汽車に化けた狢が線路上で本物の列車にはねられる噂について考察している[1]。柳田は論文の中で、夜汽車の音という近代が作り出した新しい音響に着目し、小豆洗いや砂まきの怪異を例に挙げて、山中で説明の付かない奇異な音を聞いたときに狸の仕業としたように、狸が音真似をして人を欺くという伝承が偽汽車の話の背後にあると述べた。 民話研究家・佐々木喜善も『東奥異聞』に「偽汽車」の題の一
2022/03/17 リンク