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まったくの素人の身からすると、育ちのいい紳士淑女が幼いころから慣れ親しむ楽器、というのがヴァイオ... まったくの素人の身からすると、育ちのいい紳士淑女が幼いころから慣れ親しむ楽器、というのがヴァイオリンに対して持つ勝手なイメージだ。もちろん一般家庭でも習い事などで触れることはできるが、踏み出すには少々ハードルの高い楽器ではないだろうか。 ならば相対的に生活水準が低く、文化も未成熟だった100年前くらいの日本の場合は言わずもがな、と思うところだが、実は明治末期から大正、昭和初期にかけての日本では、ヴァイオリンが現代と比べて遥かに広く大衆に親しまれていた。しかもその多くはなんと国産品だったという。開国後、徐々に流入してきた西洋楽器は庶民の手にはなかなか届かない代物だったが、明治も終わりに近づくと国内で量産化が始まり、安価になったヴァイオリンは一気に日本各地へ普及していった。 その立役者となった、鈴木政吉という1人のヴァイオリン職人が本書の主人公だ。本書は鈴木の生きた幕末から終戦前後までの史料を
2014/07/24 リンク