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わたしたちはいつまで金銭や時間など限りある「価値」を奪い合うのか。ベストセラー『世界は経営ででき... わたしたちはいつまで金銭や時間など限りある「価値」を奪い合うのか。ベストセラー『世界は経営でできている』では、気鋭の経営学者が人生にころがる「経営の失敗」をユーモラスに語ります。 ※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。 失われた敬老を求めて:思いやりの強制という発想を抜け出す視点 老後においてひとつずつ居場所をなくしていく人は多い。 そうした人にとっての最後の駆け込み寺が役所と病院となる。役所と病院であればどんな人でも拒めない。そして役所で「お前たちは俺の税金で生活しているんだろうが(納税額よりも受給額の方が多かったりするのは秘密だ)」と因縁をつけてみたり、名前の間違いなどのちょっとした問題を責め続けたりする。 ここでの事例がすべて当てはまる人などいないだろう。しかし一度こうして戯曲化すると「こんな馬鹿なことはしないでおこう」と思えるのも確かである。