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戦後の日本文学史に決定的な影響を与えた詩人であり、作家であり、評論家であった富岡多惠子。五十四年... 戦後の日本文学史に決定的な影響を与えた詩人であり、作家であり、評論家であった富岡多惠子。五十四年を連れ添った夫・菅木志雄をはじめ、さまざまな証言者への取材をもとに、八十七年の生涯を辿る。 富士山が見える伊東のスーパー 五月の伊豆高原は汗ばむ陽気だというのに、白いマツダボンゴの運転席から降りてきた菅木志雄(すが・きしお)は、ウールのシャツの上にニットのベストを着けていた。それは編物が好きだった富岡多惠子がもう何年も前に夫のために編んだ一枚で、胸のあたりのほつれた箇所を、菅自身が妻の書斎に転がっていた毛糸で繕ったものだった。そこが特別な模様に見えるのは、彼が八十歳になってなお現代美術の第一線に立つアーティストだからという、こちらの思い込みかもしれない。 この日、菅は伊東駅まで車で迎えに来てくれていた。夫婦で通ったスーパーや食堂に案内してもらうことになっている。 車高の高いバンの助手席に乗り込む