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私にとって岡真理は鬼門である。なぜなら、私の書きたいものは、たいてい岡さんがずっと上手に書いてい... 私にとって岡真理は鬼門である。なぜなら、私の書きたいものは、たいてい岡さんがずっと上手に書いているからだ。いつも読みながら「どうか、私の考えていることを岡さんが書いていませんように」と祈っている。 と言いつつ、私と岡さんは決定的に、感覚が違うところがあるなあ、と思う。今回、「記憶/物語」を再読して、それを再確認した。 記憶/物語 (思考のフロンティア) 作者: 岡真理出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/02/21メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 43回この商品を含むブログ (50件) を見る 岡さんは、記憶の物語化に徹底して抵抗しようとする。むしろ、記憶とは、断片であるという。それが、首尾一貫した全体像を結んだとき、全体化されえない残余が、全体像からは捨て去られていることを指摘する。 私は、この全体像ではなく断片を重要視する傾向については批判的である。*1私は、記憶を