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山下清と昭和の美術―「裸の大将」の神話を超えて [編]服部正、藤原貞朗 山下清の作品を初めてじっく... 山下清と昭和の美術―「裸の大将」の神話を超えて [編]服部正、藤原貞朗 山下清の作品を初めてじっくり見たのは、3年前、長野県茅野市の《放浪美術館》を別用のついでに訪問したときだ。その緻密(ちみつ)、繊細、艶(つや)やかな作品群は、ぼくが漠然と抱いていた無骨で素朴という山下清のイメージを根こそぎくつがえした。さらに驚いたのは、山下清の作品や生涯を俯瞰(ふかん)した手頃な研究書が、美術館の売店でほとんど見当たらなかったことだ。 なぜ、ぼくは、それまで山下清の作品は素朴だと勝手に決めてかかっていたのか? なぜ、見通しのよい山下清論が書かれていなかったのか? この二つの謎が、以来、喉(のど)にささった魚の骨のようにずっと気になっていたのだが、ようやくこの本によって、それらについての明快な回答が得られた。読み終わって、ぼくはとても満足している。 山下清は美術界からは「精薄の特異作家」としてまともに相
2018/03/01 リンク