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「行く先のある花はいい」という、萩尾望都『はるかな国の花や小鳥』で、妖精として生きるミス・エルゼ... 「行く先のある花はいい」という、萩尾望都『はるかな国の花や小鳥』で、妖精として生きるミス・エルゼリ・バードのつぶやきが、唐突に思い出される。彼女を永遠化した恋人は、別人と結婚して、彼女を覚えてもいない。そうして相手の記憶から消されることが、時の外に放置され、(エドガーにとってはメリーベルの複製として)彼女の永遠化を完成する。行き先のない花として。 エルゼリを思い出しかけたときに、彼女を棄てた男は死んでしまう。記憶における死(忘却)は、本当の死と交替する。彼女はけっして思い出されてはならなかった。 永遠の生命の悲劇は、ボーヴォワールの『人はすべて死す』のテーマだった。残された者は残す者であり、彼を残して去った者は、彼によって残される者となる。永遠の生命は、死した者たちの永遠を保証できないが、彼の永遠の記憶が、自分を(老いと死によって)棄てて去った者たちを永遠にしている。 「フォスカ、あなた、
2008/03/23 リンク