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砂のようにバラバラに孤立する個人は、現実を踏まえて、いかに社会と「関わり」を持てばよいか。本書は... 砂のようにバラバラに孤立する個人は、現実を踏まえて、いかに社会と「関わり」を持てばよいか。本書は、その方向性を示したテキストである。 建築や医療、近代史などを素材に「新しい公共(民のなかの公)」を探ってきたわたしにとって、かなり刺激的な本だ。米国発の金融危機は、地域共同体(著者のいう「生活世界」)の真っ当さが失われ、個人が多くの選択肢を持っているようでじつは孤立している状況を直撃した。職を失えば、一気に転落する。社会的なセーフティネットがない。 著者は、現代を〈社会の底が抜けている〉ことに気づいた時代、と規定する。そもそもどんな社会も、あるべき姿に至る必然性はなく、恣意的(デタラメ)なのだが、かつては恣意性を乗り越える、やり過ごす働き(たとえば「普遍主義」)があったという。 しかし、それが壊れ、すべての境界線があやふやになる。「システム」が全領域にいきわたり、「生活世界」が空洞化した。その
2009/07/03 リンク