読書をすれば 成功するとか年収が上がるとか
そんなものは詭弁だと思ってますけれど
じゃあなぜ本を読むのかっていう話です
「本を読む人生と本を読まない人生は何が違うんですか」
みたいな質問を見かけたのですけれど
それを見た時に
もうこの質問自体が答えみたいなもんだなって思ったんですね
本を読めば人生が変わるみたいなのは浅いと感じてしまうんですけど
じゃあ本を読む人生と本を読まない人生があってどっちを選びたいかって聞かれたら
本を読む人生を選びたいです
それは何故かって言うとそっちの方が年収が高いからではなくて
(そんな保証もないし)
本を読むのは面白いから
です
楽しいことがある人生と ない人生だったら
楽しい方がいいじゃないですか
もちろん読書だけが楽しいことではないですけれど
「本を読む人生」にあって
「本を読まない人生」にないものは
「本を読む」ということです
これが答えです
禅問答みたいになってしまいますが
本を読まない人生においては
本を読むことから得られる何かが得られません
それが何なのかは
人によって違うと思いますけれど
話のネタとか引き出しとか教養とか
読解力とか語彙力なんていうのはその中のほんの一部にすぎないと思います
そういうものは副産物です
平均よりは本を読んでいるであろう私の書くものが
この程度であるということを考えても
本を読むだけで
魅力的な文章が書けるようになるわけでも
きちんと順序立てて論理的に自分の意見を伝えられるようになるわけでもないのです
本を読むということは
自己啓発書の文句にあるように
本を読んだらどんな能力が身に付くみたいな
そういうものを求めてするものではないと思うんです
例えばサッカーが好きな人は
なぜサッカーをするか聞かれて
「サッカーを行うと脚力がつくから」などとはおそらく言わないと思います
本を読めば
「本を読む人生」になります
それは
「本を読む喜びを知っている人生」です
人生がどうこうっていうのは別に
いわゆる成功のことだけじゃなくて
豊かな時間やささやかな趣味を持っているというそれだけでもよくて
本を読んで得られるものはお金で買うことは難しいものだと思いますが
でも本は買えるのです
それも比較的安価に
「金輪際 一切の本を読んではいけない」という命令に
いくら積まれたらyesと答えるか
そんなことを考えてみるだけでも
なぜ本を読むのか
というより
なぜ本を読みたいのか
ですね
そういうことが
少し分かりかけるような気がします