わたしがまだ小さい頃、庭の池には鯉がいて、だからわたしには鯉は特別な生き物だった。人間以外ではいちばん身近な生き物。そしていちばん遠い生き物。絶対的な他者。水のなかに、別の世界にいる。彼らと目が合うことはない。わたしは別の世界を上から眺め…
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