西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第115回
「VAIO Pro 11 | red edition」をテスト 外観編
ソニーの本気—Haswell世代でVAIOはどう変わったか?
2013年06月15日 15時30分更新
ソニーがHaswell世代にあわせて投入してきたのは、いきなり「本気の弾」だった。VAIOのブランドラインナップ見直しを行ないつつ、Haswellの省電力性能を生かしたモデルを3機種用意する。今回試用するのは、モバイルユーザー一番の注目株であろう、「VAIO Pro 11」。しかも、「特別なモデル」とソニーが位置付ける「VAIO Pro 11 | red edition」を採り上げる。ただ、テスト機材の問題から、まず今回は外観・機構を中心としたレビューをお届けすることになるため、ベンチマークを含めた性能面の記事は、少々お待ちいただきたい。
主なスペック | |
---|---|
製品名 | VAIO Pro 11 | red edition |
型番 | SVP1121A1J |
価格 | 約18万5000円(ソニーストア価格) |
CPU | Intel Core i5-4200U(1.6GHz)、Intel Core i7-4500U(1.8GHz) |
チップセット | — |
メインメモリー | 4GB(最大4GB) |
ディスプレー(最大解像度) | 11.6型ワイド(1920×1080ドット) IPS液晶、静電式タッチパネル、LEDバックライト、 トリルミナス ディスプレイ for mobile |
グラフィックス機能 | Intel HD Graphics 4400(CPU内蔵) |
ストレージ | 256GB SSD(256GB×1) |
光学式ドライブ | — |
通信機能 | 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n) |
インターフェース | USB 3.0端子×2、HDMI端子、Bluetooth 4.0+HS、92万画素HDウェブカメラ、NFC機能 |
カードスロット | メモリカードスロット(SD/SDHC/SDXC、UHS (SDR50) ) |
テレビ機能 | — |
サウンド機能 | ステレオスピーカー、マイク、ヘッドホン出力 |
本体サイズ/重量 | 約幅285×奥行き197×高さ13.2(最厚部17.2)mm/約770〜1170g(バッテリー込み) |
バッテリー駆動時間 | 約10〜約11時間、約21〜約23時間(別売シートバッテリー) |
OS | Windows 8/Pro(すべて64bit) |
薄い/軽い、バッテリーも性能も妥協なし!?
VAIOは今夏より、ブランドを4つに再整理する。その中で「VAIO Pro」は、いわゆる「古典的なクラムシェル型」。今回試用している11.6型モデルのほか、13.3型モデルも用意されている。
最初に1点補足しておきたい。今回は、ボディが赤い「VAIO Pro 11 | red edition」を試用しているが、これは「単なるカラーバリエーションではない」とソニー側は主張している。赤の再現に特殊な行程を経て作られており(詳しくは後述)、梱包用の箱も特別なもの。そして、特別な月額制サポート「まるまるアシスト | red edition」(月額525円)も用意される。
まるまるアシスト | red editionは、PCがかかわっていれば、ソニー製品に限ることなく質問を受け付け、24時間いつでも訪問サポートを行なうというサービスだ。かなり剛毅なコンシェルジュ型サポートで、ソニーもここを推していきたいようだが、本誌読者層から見ると、やはり「赤い」ことが一番の違いになるだろう。ただ、ハードウェアとしては色以外の違いはない。なので本記事についても、「VAIO Pro 11そのもの」の記述と考えていただいて差し支えない。
さて、VAIO Pro 11 | red editionを改めて見てみよう。特徴は、何より「薄い」「軽い」ことだ。筆者のイメージとしては、ソニーが2009年に発売した薄型ノート「VAIO Xの再来」である。筆者もVAIO Xユーザーであったが、これはとにかく薄くて軽かった。ただし、CPUはAtomであったから、非力さもかなり気になる、前向きな言葉で表現すれば「割り切って使うモデル」だった。(第33回「開発者インタビューで秘密に迫る「VAIO X」 前編」、第34回「VAIO Xを実現した開発と製造の秘密に迫る 後編」)
一方、VAIO Pro 11は、重量こそVAIO Xより100g程度重い約770g(タッチ対応モデルは約870g)だが、薄さは最薄部約13.2mm/最厚部約17.2mmとほぼ遜色ない。
しかも、プロセッサーはHaswellこと、第4世代Core プロセッサーシリーズ。スピード面での極端な我慢はもう不要だ。バッテリー動作時間も、カタログ上では約11時間(JEITA1.0測定値)。4年弱の進化により、ついに「普通のパソコン」が毎日持ち歩けるサイズにまで降りてきた印象だ。
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