Raspberry Pi 5とPCがつながらなかった理由は「プライバシーセパレーター機能」のせいでした
先日の記事でちらっと書きましたが、Raspberry Pi 5とメインPCとがSSHなどで接続できなくなってました。その理由が、ようやく判明。
解決策と共に、記載します。
結論から言うと、「プライバシーセパレーター」や「AP分離機能」などと呼ばれている機能が、新しい無線LANルーターで有効になってました。
ブリッジモード初期値一覧|Aterm®WX3000HP2 ユーザーズマニュアル
上のサイトに、この間買った「Aterm PA-WX3000HP2」(と思われるもの)のオンライン上のマニュアルに書かれてました。
ちょっとわかりにくいですが、この一覧の中にある「リモートワークWi-Fi(ネットワーク分離機能)」という項目がそれにあたります。
で、さらにややこしいんですが、正確に言うと、
「プライマリ側の2.4GHz、5GHzはリモートワークWi-Fiがオフ、セカンダリ側の2.4GHz、5GHzはリモートワークWi-Fiはオン」
となってました。
これは一体、どういうことか?
今回購入したPA-WX3000HP2には、アンテナが2本×モード2つ(2.4GHz+5GHz)があり、それぞれSSIDが分かれてます。
モザイクだらけで申し訳ありませんが、シールには書くSSIDと接続用の暗号化キーが記入されてます。
このとき、プライマリSSIDの方(の5GHz、または2.4GHz)につなげばプライマリ側に、セカンダリSSIDにつなげばセカンダリ側、ということになります。
で、実は我が家のWi-Fi機器をつなぐ際に、
「自分用のPC、スマホ等はセカンダリ側、家族のはプライマリ側」
にしてたんです。
深い意味はなく、単に「家族と分けた方が混みあわず速度を維持できるのかなぁ」なんて程度で分けたんですが。
これが、致命傷でした。
プライマリ側同士の機器間は、先のプライバシーセパレーター機能がオフになっており、互いに通信士あうことができます。
ところがセカンダリ側同士の機器間は、プライバシーセパレーター機能がオンにされていて、つながらないわけです。
ゆえに、セカンダリ側につないでいたメインPCとRaspberry Pi 5は、互いに通信を確立することができず、接続不能だったわけです。
なぜ、こんなややこしい機能があるのか?と思ったのですが、公衆Wi-Fiでは接続している機器同士がつながってしまったら大変なことになるので、そんな需要から作られたのがこのプライバシーセパレーター機能というもののようです。
家庭用でも、例えば来客者にWi-Fiを割り振る必要が出た場合はこのプライバシーセパレーター機能が働く側のネットワークにつないでしまえば、例えば自宅にあるNASなどに接続されることがなくなり、セキュリティ対策となります。
が、それならそうと、簡易マニュアルにも書いておけよ、とは思いました。
ということで、解決策としては単純に「両方ともプライマリ側につないだ」だけです。
VNCを設定してデスクトップを表示できるようにしたんですが、御覧の通り快適にPC⇔Raspberry Pi間で接続できます。
言われてみれば、Quest3のVirtual Desktopもつながらなくなってました。そちらもついでに修正。
むしろ家族のスマホはローカル接続することがないので、あちらをセカンダリ側にしておけばよかった、というわけです。
こんな落とし穴があったんですね。
「Wi-Fiルーターを買い換えたらRaspberry Piに接続できなくなったぞ!」
という方々にはぜひ、そのルーターのプライバシーセパレーター機能がオンになっていないかをチェックすることをお勧めいたします。
なお、この「プライバシーセパレーター機能」にもいろんな名前があって、統一されてないみたいなので、ググる時にはちょっと苦労します。なんとなくですが、プライバシーセパレーター機能と呼んでいるところが多い模様。ご参考まで。
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