2007-06-21(Thu): 播磨町立図書館のアフィリエイトへの違和感

日経産業新聞が「図書館運営に民間の知恵」という記事を掲載している(2007-06-18付、朝刊)。この記事の中で、

・播磨町立図書館
https://www.library.harima.hyogo.jp/

にオンライン書店bk1のアフィリエイトが導入されたことが紹介されている。早速、サイトをみてみたが、これはまずいのではないか。

先に背景を説明しておこう。

記事では、

利用者は好きな本を買いながら図書館の蔵書充実にも一役買える。さらにTRCも利益を上げられる「三方一両得」のモデルだ。

と賞賛されているが、アフィリエイトを導入しているオンライン書店はなにもbk1だけではない。ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)ではAmazonのアフィリエイトを用いているように、多くのオンライン書店が同様の仕組みを持っている。しかし、播磨町立図書館のサイトでは、bk1のアフィリエイトのみが採用されている。これは指定管理者制度による受託運営の範囲を超えた利益誘導とみられても仕方ないのではないか。さらにひどいことに、播磨町立図書館のサイトからbk1のアフィリエイトへと誘導している「オンライン書店紹介」のページでは他のオンライン書店も紹介されているものの、こういう但し書きがある。

リンク掲載許可申請の都合上、各サイトにリンクは張っていませんのでご了承下さい

・オンライン書店紹介(トップページから「購入紹介」をクリック)
https://www.library.harima.hyogo.jp/onlineshop.htm

もっともらしく理由が書かれているが、「リンク掲載許可申請の都合上」云々の意味が理解できない。要するに、bk1以外のオンライン書店にリンクしない口実とみられて、これも仕方ないだろう。

図書館のサイト、特に蔵書検索(OPAC)にオンライン書店とのアフィリエイトを導入すること自体は、私も以前から主張してきたことだ。だが、その最初の例がまさかこのような形でなされてしまうとは……。播磨町と図書館流通センター(TRC)には、せっかくの試みを全否定する形ではない方向で現状を改善してほしい。

・播磨町
http://www.town.harima.lg.jp/
・図書館流通センター(TRC)
http://www.trc.co.jp/