立山黒部アルペンルート横断&富山旅行記

 

なぜ富山?

JRが2024年10月15日(火)~31日(木)限定で運賃と料金が 50%割引 になる「新幹線 e チケット(トクだ値スペシャル 21)」を売るという情報を知り、そんなに安いなら使わない手はないなと思った。ただ50%割引の競争率はとても高く、みんながみんな50%割引で買えるわけではないということを計画段階では私は知らなかった。(この点については後述する)

 

北陸新幹線「かがやき」「はくたか」が対象で、区間は東京・上野・大宮⇔黒部宇奈月温泉~敦賀間として設定されている。ざっくり富山、金沢、福井が選択肢にあがってきて、金沢は以前行ったことがあるのでパス、となると富山か福井のどちらかとなる。

福井は東尋坊と恐竜博物館があるのか……あまり惹かれないな…(失礼)ということで今回は富山に行くことにした。

 

しかし富山も福井もなんというかこう、心を強く惹かれる決め手みたいなものがどちらも欠けていて、唸っていたところ、「立山黒部アルペンルート」というものを知った。

アルペンルートは去年パートナーがひとりで行っていたので色々と参考にさせてもらった。パートナーは富山側から室堂に行ったあと富山側に戻り、車を走らせ長野県の扇沢側へ行き黒部ダムを見にいくというルートでアルペンルートに行っていた。

 

事前準備

ざっくりと予定を立てて、宿の予約をする

私はもともとアルペンルートを1日で通り抜ける予定を立てていた。

また、長野県の扇沢から富山県に抜けるか、富山県から長野県の扇沢へ抜けるか、と考えたときに、私は富山駅で宿泊したかったので、私は前者を選択した。

ただ、予定を立てるうちに1日で通り抜けは無理じゃね…?と勘づいて、Twitterに投稿をしたところ、インターネットの先達からは、扇沢での前泊か、室堂での宿泊することを勧められた。なので、室堂で宿を予約した。本当は一人一部屋のホテルがよかったんだけど、値段が高かったりホテルが埋まったりしていたので、相部屋の山小屋に泊まった。(これは別途後述)

 

 

立山黒部アルペンルートの切符を買う

そもそもアルペンルートって何?という方は、まずは以下のサイトを見ていただきたい。「富山と長野を結ぶ山岳観光ルート」で、各駅からどんな乗り物に何分くらい乗って移動するか、という記載があります。

 

www.alpen-route.com

 

 

上記は公式サイトから拝借させていただいた画像で、私が乗ったのは、特急バス、関電トンネル電気バス、黒部ケーブルカー、立山ロープウェイ、立山トンネルトロリーバス、立山高原バス、立山ケーブルカー、富山地方鉄道の8つの乗り物、つまり全部です。1泊2日の旅行でこんなにたくさんの種類の乗り物に乗ることってある?(ない)

 

 

そしてこのたくさんの乗り物に乗るために、立山黒部アルペンルート WEBきっぷというのがあり、事前に購入しておこうと思った。普通のWEBきっぷとは別に「秋の早割10」というのがあり、長野の扇沢駅から、電鉄立山駅まで片道で通常12,170円のところ10,970円になるというサービスだった。

 

どうやら乗り物ごとに切符を買うこともできるようなのだが、通り抜け用の切符も用意されているらしかった。しかし私は室堂で宿泊するので、通り抜け切符を買ってはいけないのでは…?1日目の扇沢~室堂の切符と、2日目の室堂~電鉄富山の切符を買わなければいけないのでは…?でもそんな購入ができるようなサイトではない…なんだこれ……と混乱したんだけど、「有効期間は、ご利用開始日から片道・往復ともに5日間」という記載があり、なるほど、これなら1泊2日で扇沢から電鉄富山までの1枚の切符で大丈夫そうだな、と思って、扇沢駅から電鉄富山駅までの通り抜け用の切符を安心して購入した。

 

切符を購入するときに、長野駅~扇沢駅までの特急バスの「オプション利用券」も販売していたんだけど、今回はそれは購入しなかった。というのも、特急バスの利用方法について以下の記載があったため。

 

立山黒部アルペンルート 特急バス・路線バスオプション利用券について
(中略)
【長野から片道ご利用のお客様】
「長野駅」には自動受取機がございません。予約詳細画面が表示できるスマートフォンなどの端末(チケットレス)または予約詳細画面が印刷された紙をご持参いただき、
「善光寺大門」「ホテル国際21」「ホテルメトロポリタン長野」「長野駅東口」からのバスご乗車時に乗務員へご提示ください。
「扇沢」到着後、駅構内にございます自動受取機にて、「WEBきっぷ」および「オプション利用券」を発券ください。
高速バス | 長野のバス・鉄道ならアルピコ交通株式会社

 

アルペンルートのWEBきっぷは本来、自動受取機で発券する必要がある。しかし、長野駅には自動受取機がないので、きっぷのスクリーンショットなどを見せる必要がある。問題は最後の一文、"「扇沢」到着後、駅構内にございます自動受取機にて、「WEBきっぷ」および「オプション利用券」を発券ください。"だった。これはつまり、乗るときはスクリーンショットを見せて乗り、扇沢に到着したあと自動受取機できっぷを受け取って、そのあときっぷを手にバスに戻ってきっぷを見せろということ……?と私は思ってしまったのだった。

 

扇沢に到着したあと、その次に乗る関電トンネル電気バスは時間を指定する必要があった。乗り遅れた場合は時間変更が必要になり、変更に際して料金が取られたりする。なので、バスから降りてきっぷを発券してバスに戻ってきっぷを見せて……なんてやってる暇などない、それなら「オプション利用券」は使わずに、バスはバスで、普通に乗るときに支払いをすればいい、と私は判断したのだった(「オプション利用券」は別に割引があるというわけではなく、普通に乗るときの乗車料金と同額だったこともありそちらを選択した)

 

ただまあこれも私の杞憂であって、別にバスから降りてきっぷを発券してバスに戻ってきっぷを見せる必要なんか無かった。「オプション利用券」を購入した人は、長野駅でバスに乗るときにきっぷのスクリーンショットなどを見せて乗り、そのまま降りてそれだけだったのだ。そうだね、たしかに"「扇沢」到着後、駅構内にございます自動受取機にて、「WEBきっぷ」および「オプション利用券」を発券ください。"とは書いてあるけど、バスから降りたあとにきっぷをバスに戻って見せに来いなんて書いてないね、うん……。ちょっとアルペンルートのきっぷ購入は、私にとっては地味に難しかった。

 

JRの新幹線の事前受付の罠

先に書いた通り、私は新幹線の50%割引を狙って今回の旅行を計画した。富山から東京に帰る切符を50%割引で購入したかった。しかし結果として、50%割引の切符を購入することはできなかった。10%割引の切符があったので、それを購入した。

 

新幹線は事前受付という仕組みがあり、私は今回事前受付で50%割引の切符を申込みをしました。このときの私は、50%割引の競争率がとても高いことや、事前受付の申込みが不成立になるという可能性を全く考慮していなかった。50%割引で買えない、という想定をしていなかったわけですね。

 

それで、新幹線の切符の発売日は1か月前の10時からなんですね。さらに事前受付の結果が届き始めるのも同じく10時から。

事前受付の結果を待たずして、10時からの一般発売に動き始めてもいいんだけど、もし仮に事前受付で切符が購入できた場合、事前受付で購入した切符と一般発売で購入した切符、2枚が手元に発生してしまう。どちらか1枚をキャンセルできるかというと、キャンセル自体はできるんだけどキャンセル料がかかってしまう。それはイヤだ。なので、事前受付の結果を待ってから、一般発売に動かなければならないわけですね。なんだよこの仕組み!

 

お察しの通り、事前受付で申込みは、申込不成立という結果だった。「お申込みいただきました条件では指定席をご用意できませんでした」とメールが届いたのが切符発売日(乗車日の1か月前)の10時15分だった。もう一般発売が始まってから15分も経っている。それだともう当然50%割引の切符なんか残ってないわけです。

 

↓当時Blueskyに投稿したpost

えきねっと、事前受付の結果が出るのが10時以降で、一般発売が10時からなの本当にバカの仕組みでヤバい

事前受付の結果のメールが10時以降になるのはかまわない、しかしえきねっとのサイトで10時ぴったりにみられるようにしておくべきで、見られないからどんどん先に席取られていく

 

もう1か月前になると宿を始めとしたあらゆる予約をしてしまっているし、計画もあらかた立ててしまっているので、「50%割引の切符が購入できなくても行かなくてはならない!」という気持ちが働いて、結論としては10%割引の切符を取った。まんまとJRの思惑通りってワケ。まあいいのさ、結果として楽しい旅行になったから……。良い勉強にもなりました。

 

はじめての新幹線eチケットサービス

「特定都区市内制度」が適用対象外であることを知る

今回はじめて新幹線eチケットを使った。予約を進めていく中で、新幹線eチケットは紙のチケットと比べると指定席が一律200円安くなるサービスだと知った。でも、いままで紙の切符のときは乗車券において「東京都区内」のどこから乗っても(例外はあるものの)一律料金ですよ~みたいなサービスがあったはずなのに、新幹線eチケットではそれが適用対象外とのことだった。

 

「新幹線eチケットサービス」の乗車券部分には「東京都区内」「山手線内」「仙台市内」などの「特定都区市内制度」は適用となりません。在来線をご利用の際は、別途乗車券が必要となります。並行する区間の在来線もご利用いただけません。

新幹線eチケットサービス|えきねっと(JR東日本)

 

つまりどういうことかと言うと、例えば、東京駅から富山駅に行く場合、乗車券は6,600円となるのだが、新宿駅から東京駅を経由して富山駅まで行く場合も「東京都区内」の乗車券で改札を通れば、乗車券の料金は6,600円となる。「東京都区内」ならどこから乗ってもこの料金ですよ、というのが私にとっては何気に便利なサービスだった。それが新幹線eチケットでは対象外とのこと。上記の例でいくと、新宿駅から東京駅までの乗車賃が別でかかりますよ、ということになる。

 

えー!なんだよー!と思ったけれど、紙の切符と比べるとJREポイントがたくさんつく、ということで、「東京都区内」などの「特定都区市内制度」の対象外であることを受け入れ、結局新幹線eチケットを使ってみようと思った。

 

特定の都区市内駅を発着する場合の特例│きっぷのルール:JRおでかけネット

 

新幹線eチケットがモバイルSuicaに紐づけられているのか分からず不安になる

次に困ったのが、新幹線eチケットとモバイルSuicaの紐づけ。

紐づけはえきねっとにて、購入した切符の座席とSuicaID 番号を手入力する形で行う。

紐づけが完了するとその旨のメールがえきねっとから届く。どうやら紐づけができたらしい。モバイルSuica側から、紐づけができているか確認したい、と思って調べてみたのだが、そういうことはできないらしい。怖い。不安になった。

 

「新幹線eチケットサービス」の予約に交通系ICカードがちゃんと紐づけされているか、またはどの交通系ICカードに紐づけたかを確認したい場合は、以下の方法でご確認いただけます。
 ①えきねっとサイトで確認する。
 ②メールで確認する。
※「モバイルSuicaアプリ」は「えきねっと」とは別のサービスです。「モバイルSuicaアプリ」では、紐づけ状態・予約内容を確認することはできません。 

 

secure.okbiz.jp

 

ガーン!という感じだった。

 

また、最近ではJAL/ANAの航空券やApple StoreのGenius Barの予約などはApple Walletで確認できるようになっているから、新幹線も同様に、Apple Wallet上で確認できたらいいのになあと思った。

 

旅行当日、新幹線の改札を通るまでものすごく不安だった。紐づけが失敗していたり私が何か操作ミスだと操作の不足などがあって、改札にスマホをピッとしたあとにピンポーンと音が鳴って改札が閉まってしまったらどうしよう、それで色々手こずって新幹線に乗り遅れてしまったらどうしよう、と不安で色々シミュレーションしたり調べたりしていた。でもそんなことはただの杞憂で、何の問題もなく新幹線eチケットを使うことができた。

 

1日目

いつになったら旅行当日の話になるねん、と思っている方がいらっしゃるかと思いますがようやくここから当日の話になります。今回の旅行は事前準備が大変だったんだよ……。

 

東京駅で、北陸新幹線かがやきに乗る

5時45分に起床。新幹線eチケットで無事改札を通過。

 

ジェーン・スーさんと堀井美香さんのPodcast『OVER THE SUN』で度々紹介されている佐藤水産。その佐藤水産の『鮭ルイベ漬盛り海鮮弁当』がと~~ってもおいしそうで、以前からものすっごく食べたかった。島根旅行のときは横浜駅から新幹線に乗ったのですが、横浜駅には当該駅弁は売っておらず、盛岡旅行のときは東京駅から新幹線に乗ったものの時間的に駅弁を食べる余裕がなかった。今回は東京駅から新幹線に乗るし、時間的にも駅弁を食べる余裕がある、ということで念願の佐藤水産の『鮭ルイベ漬盛り海鮮弁当』を食べた!

 

aknynk.hatenablog.com

 

aknynk.hatenablog.com

 

駅弁を食べる余裕がある、とは言っても東京駅から長野駅までは1時間10分ほどで着いてしまう。北陸新幹線のかがやきの場合は、東京ー上野ー大宮ー長野が停車駅で、埼玉の大宮を出たらもうその次が長野になってしまう。近い。

 

なので、東京駅を発車してすぐ駅弁を食べ始めた。時間は朝6時45分頃。普段仕事のときは9時頃に起きているので、私にとってはあまりに早い活動開始。

隣に座った女性は早々に足元のコンセントに充電器をさして、PCでカタカタと仕事をし始めた。その隣でおもむろに駅弁を開けて、カシャと写真を撮ってから食べ始める女。

 

これがそのときの写真

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駅弁は鮭のルイベ漬けとご飯がセパレートになっていて、食べるときにルイベ漬けをトレイからご飯の上に移動させる方式になっていた。この駅弁にはおしぼりがついていなくて、トレイを触ったときに手が少しベトベトになった。

 

私のパートナーは、手がちょっとでも汚れるとすぐに手を洗う人なんだけど、このときばかりは私も手を洗いたくなり、パートナーの気持ちが少し分かった。ただ隣に仕事をしている見知らぬ女性がいるわけで、簡単に席を立つわけにもいかず、持参したウエットティッシュで手を拭いた。

 

さて『鮭ルイベ漬盛り海鮮弁当』

なんかすごいしょっぱく感じた。ちょっと私の中で期待値が高くなりすぎていたように感じた。でも経験として食べられてよかった。おいしかった。

 

そして駅弁を食べ終わったあと、大宮あたりでトイレに行きたくなってきた。しかし隣の女性に声をかけることが怖くてできない。なので瞑想タイム……自分の呼吸に集中し、意識を飛ばす、入眠できればこっちのもの……という感じで少しの脂汗をかきながら気をそらすことに必死だった。

 

こういうときに、パートナーや友人といった気心知れた人たちとの旅行がどれだけ楽かということを痛感した。トイレに行きたいとき、手を洗いたいとき、ちょっと立ち上がりたいときに何の気兼ねもない。「ちょっとトイレ行きたいんだ」とすぐ声をかけてすぐ立ち上がってもらえることの気楽さを感じた。

 

長野で、特急バスに乗る

長野駅に着いてから、事前に調べておいたバス停近くのトイレにダッシュ。つーか長野……寒ッ!!長野駅東口の25番のバス停に並ぶ。このバスは予約制ではなく先着順なので、自分が乗りたい朝9時のバスに乗れるかどうか不安だったけど、人数的にも大丈夫そうで一安心。ここから1時間45分ほどバスに乗って扇沢まで向かう予定だ。

 

アルピコ交通のスタッフの方がバス停近くで「どちらまで行きますか?」「支払いはWEBきっぷですか?」などと親切に確認してくれる。アルピコ交通の特急バスはVisaタッチができるらしく、私はVisaタッチで支払いをした。便利。乗車前にVisaタッチの準備をしておいた。

 

アルピコ交通のスタッフの方はみなさん寒そうにポケットに手を入れていた。外国人の対応にも手慣れていて、お見送りのときは手を振ってくれる方もいた。運転手さんもVisaタッチの決済のときに物腰柔らかい話し方で接してくれて、幸先の良い旅行のスタートだなと思ったことを覚えている。

 

このバスは長野から扇沢までの間にいくつか停留所があるのだが、「今日はマラソン大会があるから到着に遅れが出る可能性があるのであらかじめご了承ください」というアナウンスが最初に発せられ、驚いた。遅れてしまったらどうしよう、遅れた場合は次に乗る関電トンネル電気バスの時間指定に間に合わなくなる……!ということで事前に時間指定の変更方法などを調べてシミュレーションをした。

 

扇沢駅で有人の窓口に行って変更の旨伝えてお金を払えば大丈夫そう。しかしできれば指定した時間の関電トンネル電気バスに乗りたい。扇沢のどこに自動受取機があるのか、それは何台あるのか、どのように発券するのか、扇沢は電波が届かないかもしれないからWEBきっぷ発券用のQRコードは事前にスクショしておく、繁忙期だときっぷの購入や受取りのためにメチャクチャ人が並んでいる写真がネット上に出てくるけど大丈夫かな?……など色々調べものをした。

ここまで書いて思ったけど、私って不安すぎない?大体が杞憂なのに、すぐ不安になってお腹をキリキリさせている……。

 

トイレに行って安心したからか、まだ朝も早いからか、調べものをして疲れたからか、段々と眠くなってくる。Podcastを聞きながらバスに揺られる。ふっと目を覚ましたときに着いた駅、時刻表と比べると5分遅れだった。その次の駅は10分遅れだった。ヤバい、どんどん遅れてる……。関電トンネル電気バスに間に合わなくなるかも……とヒヤヒヤした。

 

9時に長野駅からバスに乗ると、10時45分に扇沢に到着予定だと時刻表に書いてあった。結論、扇沢には10時45分ぴったりに到着した。なんでだよ。10分以上遅れがあったのに、なぜか巻き返して時間通りに着いた。よかった~

 

扇沢に向かう途中で「あしたばそば」と書かれた看板があった。それが「あしたおそば」に見えて???となったりした。調べたところ『日向山茶屋』というお店だと思われる。

 

バスから見える山の紅葉が美しく、内心時間のことでヒヤヒヤしながらも、思わず動画を撮った。雲が厚かったけれど、山々は紅葉が始まっていて、バスの中からでも空気がピンと張りつめたようにひんやりと澄んでいるのが分かった。

 

切符の受取り方法は以下のサイトを参考にした。発券方法の動画がとても参考になった。

WEBきっぷご利用ガイド|立山黒部アルペンルート

 

扇沢で、関電トンネル電気バスに乗る

シミュレーションした通りに自動受取機できっぷを発券した。扇沢駅は普通に電波は通じたし何の問題もなかった。

 

無事きっぷをゲット

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きっぷを発券したあとに思ったのは、パスケースを持ってきたらよかったなということ。今回私はリュックで旅行に来たんだけど、いちいちリュックにきっぷをしまうのも面倒だし、かといってきっぷを生でポケットに入れるのなくしてしまいそうで怖いな、ということで、スマホケースにきっぷを挟むことにした。これで何の問題もなかったけど、各駅できっぷをスマホケースから取り出すのが地味に面倒だったので、あればよかったパスケース。

 

駅のフォントがかわいい

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11時、関電トンネル電気バスに乗る。電気バスは充電速度がとても早いらしく、驚いた。また、ずっと「おうぎさわ」だと思っていたんだけど「おうぎざわ」であることが判明。

 

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トンネル内の「破砕帯」にて水がドバドバ流れていてびっくりした。長野と富山のトンネルを掘り進めていく中で、長野と富山の工事が合わさったところは「貫通点」と呼ばれているらしかった。バスはすれ違うために道幅が広くなっているところがあり、すれ違うために度々停止したりしていた。

 

黒部ダムで、歩く

 

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黒部ダムに到着。絶景すぎてヤバい

 

黒部ダムは6月26日〜10月15日が観光放水期間と決まっていて、私は10月20日に行ったので、まあ黒部ダムの放水は見れないだろうなと予想していた。毎秒10トン以上の水が放水されていて、それが観光のために放水されているのだと知ったのは、アルペンルートのきっぷや新幹線eチケットを購入したあとだった。でも当日は運よく放水していた!嬉しい。

 

無料で写真を撮ってくれるサービスがあり(有料で購入することもできる)、一人だけどグイグイと参加。写真をもらおうと列に並んでいたところ、「これ写真買わなくてもいいんですよね?」女性の方に話しかけられて、「大丈夫だと思いますよ」と答える。こうやって知らない人とコミュニケーションが発生するのって楽しいなあと思う。

 

黒部ダムの売店で冬毛のライチョウぬいぐるみと黒部ダムのスコップをイメージしたスプーンを購入。

 

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お昼は黒部ダムレストハウスにてアーチダムカレーを食べた。

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黒部ダムレストハウスは混んでいて、事前に席を確保してから食券を購入、すぐに番号を呼ばれてカレーを受け取った。カレーはちょびっと辛くておいしかった。私以外にも女性一人で来ている方もいて、すごいなあと思った。

 

 

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黒部ダムレストハウス1Fの黒部ダム案内所でおそるおそるダムカードをもらった。初めてのダムカード。ずっと欲しいと思っていたんだ。

 


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黒部ダム、何枚も写真を撮ったけれど、結局この雄大な自然の景色の一部を切り取ったにすぎず、どうやったって幅が足りない、高さが足りない、横で撮っても、縦で撮っても入りきらないスケールの大きさがそこにはあった。

それでも、撮った写真をRAW現像しながらおお〜と口に出してしまうことがあるほど、美しい景色だった。写真を見ながら浴びた飛沫(しぶき)を思い出すことができる。紅葉していた木々のひとつひとつを思い出すことができる。歩いた道のりを思い出すことができる。ダムの放水を見ながらなぜだか泣きそうになったことを思い出すことができる。

 

近くで見ると燃えるように赤い紅葉

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光にあたって透き通る葉

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ダムの堰堤(えんてい)を歩いている際に、風に煽られて両手をあわあわさせながら、ありえないコケ方をしたおばあちゃんがいた。結構風が強かったのかもしれない。悲鳴があがり、骨折でもしたかと思ったけれど大丈夫そうだった。黒部ダム、階段や歩く場所が多いので、足腰が健康な者しか来られない、というのを度々感じた。

 

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黒部湖で、黒部ケーブルカーに乗る

黒部ケーブルカーに乗る前に、黒部湖遊覧船ガルベに乗ろうと思っていた。11/10で運航を終了するとのことだった。昔は、ツアーなどの団体旅行の客が多かったこと、いまは乗る人が少なくなったこと、だからこの事業はやめること。そうか、ビジネスとしては当たり前のことだし、私は今までガルベのことを何も知らなかったけれど、せっかくなら乗っておきたいと思った。

 

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でも、当日ガルベの乗り場まで歩いて行って時刻表を見たら、次の運航は1時間後、と書いてあって、乗ることを諦めた。ここで大事な1時間は消費できない。時刻表がネットに公開されている感じはなく(私が見つけられなかっただけかもしれない)、時刻が分からない以上、計画に組み込みづらいなと思っていた。残念!だけど仕方ない、次に進むしかない。ということでケーブルカー乗り場へ向かった。

 

www.kurobe-dam.com

 

www.kurobe-dam.com

 

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ケーブルカー乗り場で「これって上に行くんですよね?」と50~60代くらいの男性に話しかけられる。「そうですよ」と答えて会話が終わった。しかしケーブルカーに乗ったあとも私の近くにいて、「写真が好きなんですか?」などと話しかけられた。男性はアルペンルートに来るのは初めてで、もともと今日は上高地にいく予定だったそうだが、アルペンルートを見つけて今日はこっちに来た、明日は上高地に行くのだと言っていた。なんとかという池がきれいで、キハチ?がなんとかで、山の上にあるお茶屋さんが好きなのだと言っていた。MAMMUTのリュックを背負っている男性だった。

 

黒部平で、立山ロープウェイに乗る

ロープウェイのときも、その男性が近くにいて、話しかけられた。このあたりで異常性に気づき、こわくなってきた。知らない人と話せる旅ってたのしい~!よりも、ああ、女というだけで結局どこに行ってもこういう目に遭うのだと暗い気持ちになった。

 

紅葉の窓

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かっこいい建造物
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窓
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ロープウェイは、紅葉が美しく、ぎゅうぎゅう詰めのなかみんな写真や動画を撮っていた。ロープウェイは、上にのぼるタイプのロープウェイなのですが、その男性がスマホで紅葉の写真を撮ろうと窓に手を伸ばしてきて、それがちょうど私の頭をかすめる感じになっていて、頭を撫でられてる感じになって本当にキショかった。ぎゅうぎゅう詰めだから逃げることもできない。単に撮りたくて手を伸ばしてるだけかもしれないから「やめてください」とも言えない。もぞもぞと身動きするので精一杯だった。

 

段々と気が気じゃなくなってきたところで、大観峰駅に到着した。

 

大観峰で、立山トンネルトロリーバスに乗る

大観峰は、少し階段をあがると絶景が見えた。

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トロリーバスの時間まで少しあったのでベンチに座って休憩をしたり、景色を眺めたりしていた。例の男性が近づいてくる気配があるとがんばって巻いて、逃げた。するとそのうち話しかけられなくなった。しかし、次のバスが来るまで我々はここに留まっていることしかできず、私も、例の男性も、おそらく同じ時間のバスに乗るだろう、と予想はついた。

 

トロリーバスは1台だけではなく、3台くらい来ていたので、例の男性と同じバスにならないように、と祈りながら乗車した。そして無事回避できた。

 

急いで撮ったバスの写真。例の男性にかち合いそうで写真もおちおち撮っていられない

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国内唯一の乗り物、トロリーバス。11/30がラストランであるトロリーバス。部品の調達が困難になったとのこと。来年電気バスに切り替わるらしい。ラストランのカードをもらった。ガルベに続いてトロリーバスも……。

 

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大観峰にいるバスのスタッフは青いジャンパーを着てシュッとしていてかっこよかった。駅の看板の英語フォントが良い。

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www.alpen-route.com

 

 

室堂を歩く

室堂に着いた。着いた瞬間、あまりの自然の大きさに、例の男性のことなどすぐ忘れた。息を呑む、とはこのことだった

 

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ホテル立山の売店でレトルトカレーのお土産を買った。郵便局ではアルペンルート通行証明書を買いたかったんだけれど、郵便局が14時で閉まってしまうため(早い)、間に合わなかった。

 

ひたすら歩いた。歩いて歩いて歩きまくった。

 

澄んだ空気。雲海。

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「あれ知ってるー?雲海だよ~」と父親が子どもに声をかけていた。

子どもは「だから何ー?」という顔をしていた。

わかる。「だから何ー?」ではある。

自然のでかさも、何もかも、だから何?ではあるんだけど、圧倒的な存在、その大きさに訳もわからず納得させられる感じが私にはあった。「なるほどね」となるというか。

 

登山は瞑想に近いと思っているんだけど、それに近い感覚だった。ただ歩き回り自然を目の当たりにするの、いいなと思った。もっと登山をしてみたいと思った。心が整う感じがする。

 

歩きづらい岩の階段。写真じゃ絶対に伝えられない、美しさがそこにはあって、ただ感じながら歩き続けた。

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この階段をずっと歩いた。

こんな軽装で歩いてるの私しかいなかった。

みんな登山靴とか履いてた

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宿泊はみくりが池温泉に泊まった。

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みくりが池温泉の相部屋のベッドに転がりながら、みくりが池温泉のことをめちゃくちゃ調べた。荷物の預け方、温泉の入り方、タオルや浴衣の買い方、券売機の内容とか色々…

 

初めての相部屋で、ドキドキした。相部屋だから、荷物を盗まれるかもしれないという恐怖が常に付き纏った。温泉に行くとき、出入り口のロッカーに荷物を預けて、脱衣所に向かったが、脱衣所にもちゃんと鍵付きのロッカーが存在していた。それならば、と出入り口のロッカーに戻って荷物を取り出し、脱衣所に戻って荷物をしまう、みたいな謎の行動をしてしまった。スタッフの人には不審者だと思われただろう……。

 

夜ご飯は19時からだったので、少し時間があった。相部屋の、二段ベッドの下の階に布団を敷いて寝転がり、かっぱえびせんを食べながら、ネットで見られるライブカメラで人の状況を見ていた。星空でも見てみようかと思って、盗まれるのが怖いから全部の荷物を背負って外に出てみたけど、歯がガチガチいうくらい寒すぎて5分で部屋に戻った。それなら荷物を背負わずにちらっと外に出て見ればいいだけなのに、盗まれるのが怖すぎて一人で勝手に大荷物……。しかし美しい景色だった。星もよく見えた。

 

寒すぎて手が震えて写真の設定もまともにやらずにとりあえず切ったシャッター

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部屋に戻ってふと気づいたこと。今日、モバイルバッテリーを一度も使ってない。バスにはコンセントがあったし、そもそもそこまでスマホを使う時間がなかった。デジタルデトックス……。

 

ドア付近の部屋だったので、同室の人と少し会話できたのも楽しかった。

 

あと、支払いはVISAタッチが使えてとても便利だった。アルピコ交通のバスに限らず、黒部ダムの売店や、ホテル立山の売店、どこでもVISAタッチが使えた。VISAタッチが普及していた。東京のスーパーでVISAタッチが使えないことも多くあるのに、ここはそういった利便性が高く、それもまた良いなあと思ったポイントだった。

 

夜ご飯。

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席は事前に決まっていた。たまたまだったのかもしれないが、長机に男女が向かい合う形で席の配置が決まっていて、合コンっぽさを感じてちょっとそこがイヤだった。みんながみんな異性愛者だと思うなよ。しかしこういう、山小屋の合コン席という山の出会いによって人は交際を始めたりするんだろうか…?私は誰ともしゃべりたくなかったので、明後日の方向を向いて黙々とご飯を食べた。お皿にハエが止まったり、髪の毛が入っていたりしたけど、まあこれもホテルでは味わえない、山小屋の醍醐味なのでしょうということで特に気にせずにいた。食事は色々品数があったけれど、あらゆる小皿に海藻やきのこが入っていて、食材のかぶりがすごかった。きっとここまで食材を運んでくるのってすごく大変なことなのだろうなと思った。

 

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固形燃料の鍋、いつ火が通るんだろうとチラチラと鍋の様子を見て、まあ頃合いでしょうというところで私は勝手に鍋の蓋を開けて食べ始めた。私の行動を見た周囲の人たちが次々と自分の鍋の蓋を開け始めて、なんだかな~と思った。それくらい自分で判断しろ!死ぬわけじゃないんだから!

斜め向かいにいたおじいちゃんはスタッフを手で招いて「火が消えちゃったんだけど!」と言っていた。私が見ている感じ、そのおじいちゃんは、火が消えたということを指摘したいのではなく、蓋を誰かに開けてもらおうとしていたのだ。なんだこのジジイは……。蓋くらい一人で勝手に開けろ、その判断くらい自分でやれ、と私は思っていた。するとスタッフの人が「それ15分すると自然に消えるので」とあっさりとした返しをしていてマジで最高だった。誰かに世話をしてもらうのではなく、自分のことは自分でやる。それが山小屋。よかった。

 

部屋に戻り、部屋に充満する硫黄の匂いと、知らない人の寝息たちと共に、いつもより早く眠った。夜が明けるまでこの町からは出られない人たち、しかしもう二度と会わない人たちの集まり。

 

2日目

ライチョウを見る

5時45分に起きて、化粧をした。6時15分からバイキング形式の朝食をいただき、7時に出発した。お土産コーナーに湯の華があったのでつい購入。8時発のバスに乗る予定だが、1時間またゆっくり室堂を散策しようと思った。

 

……ん???

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ライチョウがいた。
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もうライチョウを見れただけで、ここに来た甲斐があった、と思った。独り占めだった。誰も気づかずに通り過ぎていく。私だけがこのライチョウの存在に気づいている。通り過ぎて行った人が「ライチョウいるんじゃない?あの人写真撮ってるよ」と家族に話しかけていて、私は小さく頷いたけれど、彼らはこちらにはやってこなかった。ありがとう、ライチョウ……。

 

飽きもせず何十分もライチョウを見ていた。まるっこくて、足が太くて、動きは最小で、とてもかわいかった。ライチョウと私の間には柵があり、カメラのレンズをギリギリまでズームして、それで何とか撮れたのが↑の写真だった。かわいい。足にはラベルがつけられているから、管理されているのだろう。大事にされているんだろうなと思った。

 

羽は前日に買ったぬいぐるみのようにまっしろの冬毛ではなくて、まだ秋の装いのように見えた。まっしろになったらまたかわいいのだろうな……。

 

朝の張りつめた冷たい空気が頬に刺さる。気持ちがいい。足を始め身体に疲れが残っている。ライチョウに別れを告げ、ただ歩く。途中、キレンジャクという鳥の鳴き声が聞こえた。美しい声だった。太陽の光が山の向こうから少し差し込んでくる。

 

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室堂で、立山高原バスに乗る

8時始発に乗って10:40くらいに電鉄富山につく予定。大観峰と同様、室堂のスタッフも青いジャンパーを着ている。きれいな青。かっこいい。

 

バスは、右側に座ったほうがいいと思った。右側のほうが絶景ポイントが多かった。ただ、絶景ポイントに合わせて乗客が景色を眺めたり写真を撮れるように都度バスのスピードをゆるめてくれて、それがとても嬉しかった。私は左側に座ってしまい、若干ミスった感があったけど、それでも絶景だった。

バスの中では場所に応じたアナウンスと映像が流れていたんだけど、あれはどうやっているんだろうなあと思った。アトラクションみたいでとても楽しかった。

 

美女平で、立山ケーブルカーに乗る

フォントがかわいい「びじょだいら」

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ケーブルカーにはカゴがついていて、これで荷物を運ぶらしい。便利

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立山で、富山地方鉄道に乗る

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電鉄富山で、富山駅へ向かう

 

『廻転とやま鮨 富山駅前店』で鮨をたべた。『廻る富山湾 すし玉 富山駅店』と迷ったけど、とやま鮨にした。室堂から富山駅までどんなに頑張っても3時間くらいはかかって、お店の開店は11時。1巡目で入れないとこのあとの予定にも支障が出るので、なるべく1巡目で入りたかった。

 

10時45分、開店まで15分前でまだ誰も並んでいなかった。月曜日だからかもしれない。そこで堂々とトップバッターで並べばいいのに恥ずかしいしこわかったので、とやマルシェを物色した。かりんとう饅頭を買って戻る。10分前に人が並び始めていたので、私も合流。無事一巡目に入れた。

 

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特上握りランチを食べた。

あんかん、大トロ、キジハタ

のどぐろ炙り、カニ、鏡鯛、甘えび

白えび いくら昆布じめ まぐろなかおち

とのこと。

さび抜きで頼んだけどわさびが入っていて、でもまあいいかと思ってそのまま食べた。

追加でほたるいかの黒作りとねぎとろ、いかの炙りを食べた。

 

開店と同時に入店したためか、お湯の蛇口から水が出ていた。大将らしき人が「すみませんねー!」と元気に謝罪し、ホールのおばちゃんが「すみませんねえ」と言いながら湯飲みを回収しにきて、なんだかほんの些細なコミュニケーションで心がゆるんだ。「でもまあ終わりよければすべてよしですからね」というようなことを大将が言っていて、よくわからなかったけど、とにかく元気な人だなと思った。

 

一貫無料サービス(ネタは大将におまかせ)のクーポンでいかの炙りをいただいたのだけれど、同じくクーポンをお願いした隣のお客さんが「苦手なものはない?」と大将に聞かれ、お客さんが答えるが早いか大将が「大丈夫だよ、おれを信じて!」みたいなことを言っていた。大将を信じるか信じないかで苦手を克服できるものではないと思うんだけど、まあとにかく自信があるんだな~と思って、他人事だからちょっとおもしろかった。

 

「電車の時間おっしゃってください」「大きいお荷物がありましたらあちらに置いてくださいね」ととにかく元気なかけ声で煙に巻かれるかのような食体験だった。この店は、明らかに観光客の方を向いてビジネスをしているな、と思った。

 

 

富山散策に際して、電車や路面電車やバスなどいくらでも公共交通機関はあったんだけど、Suicaが使えるのかわからなくて、結果として歩いた。

 

以下のサイトを見るに、富山地方鉄道は、電車や路線バスはSuicaは使えなさそうだと思った。一方で市内電車は使えそう。

 

電車・市内電車・路線バスの乗り方 | 富山地方鉄道株式会社

 

市内電車というのは路面電車のことなのか?う~~ん……電車と市内電車、路線バスの定義から教えてくれーッ!(定義厨)となり、調べることに時間を費やすよりも歩いたほうがマシだと判断して歩いた。こういうときに、ちゃんと人に聞けばいいのに、こわくて聞けなくてインターネットでの調査に時間を使ってしまうのが私……。

 

続いて行った日枝神社には、ヒヨドリやミソサザイ、メジロなどがいた。


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めちゃくちゃ外国人観光客向けにビジネスしてた

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富山駅、駅の中に路面電車の踏切(?)があってよかった
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この像、なんかとてもよかった

愛とはこの像のようになめらかな形をしていると思う
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富岩運河環水公園に行った。
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きれいだし、落ち着くところだけど、アルペンルート、特に黒部ダムや室堂といったでっかい自然を目の当たりにしたあとだと、インパクトとしては劣るなと思った。十分きれいだけど、刺さらないというか。たくさんの人が散歩したりスタバを飲んだりシートを広げてごはんを食べていたりして、そういう光景に和んだ。

 

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富山駅の『放生若狭屋 とやマルシェ店』で買ったかりんとう饅頭をおやつに食べた

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帰りの新幹線で、同じ富山駅から乗ったふくよかな男性が、私が予約したはずの窓側に座っていて困った。おそるおそる声をかけると「あ、そう?」とタメ口を聞かれて嫌な気持ちになった。謝罪もなかった。その男性は、車内販売の方に「ペットボトルの水」「いくら?」と王様のような声のかけ方をしていて、「缶でのご提供になります」と返されても「うん、いくら?」とタメ口を継続していてすごかった。

 

私は気になり始めるとすごく気になってしまう性格で、なんかその男性がお土産で買ったのかなんなのか丸い鯉のぼりみたいなキャラクターがデザインされた丸いシールを、新幹線って結構揺れるのにその中でテーブルを出してスマホケースにシールを貼ろうとしているのを見てしまった。1枚目のシールをスマホケースの中央に貼り付けてそれで終わりかなと思ったら、2枚目を貼ろうとしていてイヤどう考えても1枚目の場所ミスってるだろ~!と心の中で突っ込んだりしていた。その人のスマホには「ポンポコリン」って名前がついているのもなぜか目に入ってしまって、自分の体型に関して自覚があるんだな~と思ったりもした。マジでどうでもいい話……。

 

 

お土産で買った鱒寿司。

富山駅のとやマルシェの中に入っている『富乃恵』では、色んなメーカーの鱒寿司が売っていて、私が狙っていたのは『青山総本舗』のものだったけれど、お店が定休日でその日は入荷していなかったらしく、いくつかおすすめをしてもらった中から『鱒寿し本舗高田屋』のものを購入した。

 

鱒寿司って食べるの難しいのね。ケーキみたいに食べるの。食べ方を調べつつ、木の枠を外して付属のナイフでなんとか食べた。おいしかった。

 


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おみやげ

パートナーが温泉好きなので湯の華を買ったのと、黒部ダムでシャベルの形をしたスプーンを買った。実は家にはパートナーが以前黒部ダムに行ったときに買ってきた三角シャベルスプーンがあって、今回私はこちらの四角いほうのアイス用のシャベルスプーンを買ったのだった。

 

また、お土産にはホテル立山のレトルトカレーを買ったんだけど、実はパートナーはホテル立山でカレーを食べたらしい!運命すぎる。うれしかった

 

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行きたかったけれど行けなかったところ

  • 地元スーパー
    • マルートでフレッシュマートやホクヤなどは見たのだけれどもっと地元の人が普段使っているスーパーを見て回りたかた。アルビス エスタ店も狙っていたのだけれど時間が足らず断念。次は行きたい。
  • 扇一 ます寿し本舗
  • 鱒の寿し まつ川
  • Tearoom Alps
    • 平野紗季子さんが行っていて、私もぜひ行きたいと思っていたところ。定休日で行けず
  • フェルヴェール 富山駅店
  • ぼてやん多奈加
  • レヴォ
    • 富山といったらレヴォ、だがしかし場所的にも時間的にもどう考えても行けない。だれかdistination restaurantsに行ってくれる友人になってくれないかーッ!金も時間も出します、なんでも差し出します。能動的に食べます。誰か~~~ッ!

 

おわりに

アルペンルートは、五体満足のひとじゃないと行くのは厳しいだろうなと思った。ベビーカーが必要な子ども連れ、車椅子の人、足腰が強くない人、そういった人は行けないことはないだろうけど誰かの支えが必要だと思った。


今回一人で行けて本当によかった。そしてまた行きたいと思うのは、自分の身体が引き続き健康でいてほしいという祈りも含んでいる。

 

今回アルペンルートを横断するのに際して、無印の『肩の負担を軽くする 撥水上から開くリュックサック』を買った。普段1泊2日の旅行だとトートバッグとショルダーバッグ2つで行動するんだけど、アルペンルートの場合、ホテルに荷物を預けるといったことができないというか、常に荷物を共に行動をしなければならず、より身軽に、両手を塞がないように行動するためにリュックを買ったのだった。これが結構よかった。リュックの便利さを改めて実感した。

 

手袋やマフラーなしで死ぬほど後悔、というわけでもない、けど寒かった。冷たい空気が心地よく、手が悴む中でライチョウを撮影したのはいい思い出となった。ライチョウに出会えて本当によかった。

 

↓パートナーが以前買ってきた夏毛のライチョウぬいぐるみと合流した冬毛のライチョウぬいぐるみ

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