「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」第12巻 原作・中村力斗先生 作画・野澤ゆき子先生
集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。
さて、容赦なく新彼女が登場し、その全員を容赦なく幸せにしていく本作。
その性質上どんどん新彼女が登場していくわけですが、今巻でとうとう記念すべき(?)20人目の彼女が登場するのです!!
花園家のメイドを務め、本作中恋太郎に次ぐ超人でもある芽衣。
彼女も当然恋太郎の彼女なわけですが、実はそれを快く思っていない者もおりました。
花園家のメイドの一人である妹(まい)です。
妹は自称世界一芽衣を慕っている存在だそうで、その自分を差し置いて恋人だなんて殺してやりたい!とまで恋太郎を憎んでおりました。
その日は恋太郎が花園家を訪ね、芽衣と恋太郎の二人きりでケーキ作りをする約束の日。
ここで恋太郎の邪魔をして無様な様子を見せ、芽衣に幻滅させてやろうと妹はもくろんでいたのです。
ですがこの妹、邪魔しようなどと考えなくてもとんでもないドジっ子でして、ちょっとした手伝いの際も邪魔をする以前に芽衣に見とれて大失敗をしでかし、すっころんでしまいました。
とっさにそれを助けようと、恋太郎を妹を支えます。
抱きかかえられる形になったことで、今まで恋太郎が憎すぎてまともに顔すら見ていなかった妹は初めて恋太郎と目を合わせることとなるのですが……
よく見たらこいつカッコイイ!と一目ぼれしてしまう妹!
大慌てしてまたすっ転んでしまうところをまた助けてもらうと、今度は優しい!とさらに惚れてしまい……
妹は憎さと好きさでもう訳の分からない情緒になってしまうのでした!!
で、この妹、「妹」という名前で芽衣をお姉さまと慕っているので非常にわかりづらいのですが、別に芽衣の妹ではありません。
メイドの先輩と後輩という事で、姉妹弟子的な感じで自分は実質的に妹だ、と言い張っているだけだなのです。
姉妹関係は妄言としか言いようのない妹ですが、芽衣を慕う気持ちは本物。
メイドになったのも、たまたま見かけた芽衣の立ち振る舞いに感銘を受けてという理由でして、芽衣への想いがとにかく深いのです。
それだけに恋太郎を認めきれない妹。
恋太郎と二人きりになると、自分の方が芽衣のことをよく知っている!とマウントを取ろうとするのです!
そこからなぜか始まる芽衣のいいところ言い合い合戦。
付き合いが長いだけあり妹の芽衣知識はさるもので、その手数は数千にも及んだとか……
とはいえこういった争い(?)で恋太郎に勝てるものなどそうはいません。
妹がもう何も出てこなくなってしまっても、まだ恋太郎の手札は1兆個くらい残っていたのです!
敗北を認めるしかないかと思われた妹ですが、いつの間にか戻ってきていた(いいところ言い合い合戦の場に入るのはさすがにいたたまれなかった)芽衣の姿を見ると、自分が芽衣のことに関して劣っていることを認めたくない妹は、悔し涙を目にあふれさせてしまいました。
この言い合いの先手は妹だったから、これで引き分けという事でを売ってくれないか、と持ち掛ける恋太郎。
妹は少し考えたものの、渡りに船とばかりに引き分けで手を打ってあげよう、でも引き分けだから二人のお付き合いは認められない、といいはるのでした。
が、そこに羽香里から連絡が来ました。
なんでも出先で羽々里が靴擦れを起こしてしまったのだとか。
急いで使用人の手配をするという芽衣なのですが、恋太郎はすかさず羽々里のところに行ってください、ケーキはまた今度にしましょう、と誰よりも彼女のもとに駆け付けたい芽衣の気持ちを察知し、背中を押しました。
早速羽々里のもとへ向かった芽衣。
流石お姉さま、何よりも主人を思って……と芽衣を讃える妹。
恋太郎は、そうなんだよ、デート中とかも自分より羽々里さんへのお土産ばかり選んで、つつましやかで……と讃え続けました。
それを聞いた妹、思わず突っ込んでしまいました。
まだあるじゃない、お姉さまの知識マウント、と。
何で引き分けにしたんだと詰め寄っていく妹。
恋太郎は答えました。
あの言い合いで妹がどれだけ名を大切なのか伝わってきた、だからあんな言い合い出方をつけるのではなく、心から認めてもらえるように時間をかけて思いを知ってほしいと思った、自分と芽衣が幸せになることで誰にも不幸になってほしくないから……
……流石の妹もこれには反論できません。
こいつ、顔だけじゃなく魂まで……
そんなまたも不安定になってしまった妹に、間髪入れず芽衣のことを話せて楽しかったからまた話したい、憧れの人をそんなに思える君は魅力的な人だと思う、とお付き合いしないかと言うお誘いを続ける恋太郎!
もう何が何だかわからない妹は、
妹もあなたのこと大好き!!と言いつつも、違うそんなこと言ってない、あなたと付き合えばお姉さまとの仲を監視できるから、ともうツンデレとはまた違うなんだかよくわからないOKを出し、めでたく(?)20人目の彼女となるのでした!!
と言うわけで、ドジっ子メイドにして芽衣至上主義の妹が20人目の彼女となった本作。
毎回様々なタイプの彼女を出してくる本作ですが、新彼女も今までのキャラクターとはまた違った魅力を持つキャラクターでした!
この調子で残り80人、別タイプのキャラクターを出せるのか……?
中村先生、野澤先生の腕の見せ所ですね!!!!
……12巻で20人という事は、60巻くらいで100人になるのでしょうか……?
そんな妹登場エピソードの他、今巻も様々なお話が収録されております。
目玉となるのは3話使って描かれる町対抗市民運動会編でしょうか!?
色々あって負けられない戦いになった市民運動会、恋太郎の他、楠莉パパや知与パパなどの男性組も参戦し、恋太郎ファミリープラスアルファでの戦いが繰り広げられていきます!
数々の協議で戦うだけに、恋愛モンスターである恋太郎一人の力だけでは流石に勝ち目はないわけで……運動が得意ではないメンツも少なくない恋太郎ファミリーは勝利をつかむことができるのでしょうか!?
その他にも100話記念の人気投票結果発表(※人気投票は行われていない)回や、おっとり系キャラばかりでハイキングするきれいな100カノなどなど、盛りだくさん!
中村先生のハイテンションなギャグと野澤先生渾身のキャラ愛溢れた作画も一層切れを増しております今巻、やっぱり見逃せませんよ!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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