「もういっぽん!」第20巻 村岡ユウ先生
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。
さて、未知も復活してさらに勢いづく青葉西柔道部。
今度は埼玉県の新人戦に挑むことになるのですが、夏目先生は予想外のメンバーを選択し……?
部員を2チームに別け、新人戦と同時に東京の強豪校との合同練習にも挑戦することになった青葉西。
どちらも上々の結果を得ることができたのですが、その強豪校との合同練習で思いがけない事件が起こってしまいました。
それは、強豪校の永遠へのスカウト。
もともと全国レベルの力を持っている……どころか、オリンピックも目指せる逸材として注目されていた永遠、数々のスカウトを蹴って未知のいる青葉西を選んだのですが、それでもまだあきらめきれていない学校があったわけです。
現実的なことを言えば、強豪校で練習した方が永遠はより効率的に強くなれるでしょうし、団体戦などでも優勝する確率はぐっと高まるはず。
それはスカウトをもくろむ強豪、足立学院のみならず、青葉西の面々もわかっていること。
それだけに、スカウトの事実を知った青葉西メンバーも強く引き止めづらいのです。
朝七時に武道場にきて、という未知からの連絡を受けてやってきた永遠。
そこには、真剣なまなざしをした柔道着の未知と、夏目先生がいました。
永遠は呼び出されている理由がスカウトの件だと気づいていたため、未知に青葉西に残る、と伝えようとしました。
ですがそれを遮るように、未知は言うのです。
残らなくていい。
自分に嘘をついてる、迷い続けてる永遠ちゃんなら青西にはいらない。
私そんな永遠ちゃんとは柔道したくない。
……思いがけない言葉に少なからずショックを受ける永遠でしたが、未知はまだそこから続けます。
100%、心の底から青西に残りたい、青西でもっと強くなりたい、青西でなら強くなれる、そう思ってもらいたい。
そう思わせて見せる、永遠ちゃんに勝つことで。
勝負!お願いします!
そう言って、未知は永遠を引き留めるための勝負を挑むのです!!
二人の実力の差は歴然。
未知はなすすべなく連敗してしまいますが、それでも何度も何度も立ち上がって延々と挑み続けます。
自分が永遠より強ければ、青西にいたいと思ってくれるはず。
その一心で、とにかく道は永遠に喰らいついていくのです。
永遠もそんな未知の想いが痛いほどわかるようで。
永遠は大粒の涙を流しながら、それでも未知を圧倒し続けました。
未知と永遠の戦いは続きます。
行かないでほしい、わがままだってわかってるけど、強くなったから、永遠を強くしてみせるから。
もっと一緒に、柔道を……
そんな思いもむなしく、勝利には至ることができない未知。
それでも力を振り絞り、全てを出し切って放った渾身の投げが永遠を捕えた
永遠もまた、自分よりもっともっと強くなっている……
その事実に打ちのめされ、未知は敗北を認める言葉を絞り出し、永遠を見送ろうとするのですが……
気が早いよ、と言ってそこに
早苗と南雲が現れるのです!!勝手に二人の世界に入り込みやがって、
みんなで超えるからね。そう言って、永遠を引き留める戦いを、2年生全員で続けるのです!!
と言うわけで、まさかの展開を迎える本作。
青葉西の絶対的なエースである永遠ですが、確かに実績から考えると青葉西にいる方が不自然と言ってもいいくらいです。
永遠のことを考えると強豪校に転校した方がいいのも間違いないでしょうが……
残ってほしい気持ちと送り出したい気持ちがせめぎ合う中行われるこの戦い、果たして結末はどうなるのでしょうか?
その結末を受けて未知は、永遠はどう判断するのか?
この物語の始まりと言ってもいい未知と永遠の出会いから、数々の思い出がよみがえるこの戦い、涙なしには読むことはできませんよ!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
コメント