唐松岳(2696m)1日目その1
巷では今月3連休が2回あったようだが、私には全く関係なかった(涙)
ようやく連休がもらえたので、どこかに遠出しよう。
当初の計画は山じゃなく、別のグルメスポットに行こうと思っていたのだが、念のため確認したある山の天気予報は、山に行かないのがモッタイないほどの好天。
(これはやっぱり山に行くしかないよな…)
という訳で、前日の夕方に突如、小屋泊まりハイクに変更。今回登る山は、
唐松岳
後立山連峰にある山で、日本三百名山、新日本百名山、日本百高山(93番目)にも選ばれている。
巨人のダイダラボッチが夜歩き回って仕事をしていたが、仕事半ばで夜が明け、朝日が差してきたので、唐松の木を引き抜いて空高く投げたところ、この山になったという伝説が山名の由来ともされる。
急遽帰宅途中に買い出しを済ませ、北陸道(E8)で唐松岳のある長野県白馬村を目指す。
何箇所か大きな川にかかる橋では、最近CMで頻繁に流されている高速道路リニューアル工事に伴なう片側交互通行規制が行われていた。
CM(ネクスコ中日本)に出演されている高橋りなさん、おキレイですよね。
糸魚川ICからR148で白馬村に入り、八方交差点付近で車中泊(1:30)
目的地はもう少し先なのだが、標高が高く冷え込みがキツそうなので、ここで仮眠することにした。
八方の湯駐車場(標高約740m)
アラームは7時にセットしていたのだが、5時30分に目が覚める。
明け方は結構冷え込み、フロントガラスは結露していた。
眼前にモルゲンロートに染まる白馬三山が聳え、眠気も吹っ飛ぶ。
久しぶりの北アルプスに興奮して、アドレナリンが出まくっているのかも。
八方尾根に来たのは3回目だが、過去2回はいずれもスキー。
1998(平成10)年の長野冬季オリンピックのアルペンスキー(滑降・複合滑降・スーパーG・複合回転)の競技会場にもなった。
隣接する白馬ジャンプ競技場。
ラージヒル団体で、日本(岡部・斉藤・原田・船木)が金メダルを取ったシーンは感動しましたね。
予報通りの雲ひとつない青空が広がる。
やはり普段の行いが良いせいなのだろう(ウソ)
白馬の山並みを眺めていると、平日にもかかわらずハイカーらしき車がどんどん登っていく。
もしかすると上の駐車場が満車になるかもと焦り、慌てて車を走らせる(6:20)
標識に従い、和田野の別荘地の中を進んでいく。
別荘地を抜け、黒菱林道へ。
ここから北尾根高原を経由し約6㎞ほど上っていく。
全面舗装されているが道路幅員が4mなので、すれ違いが困難な箇所も。
白馬三山を眺めながらドンドン標高を上げていく。
本当に今日はイイ天気で、ハイクに変更して大正解。
6:43 黒菱駐車場(カフェテリア黒菱前)(標高約1500m)
約200台駐車可能の駐車場(無料)で、平日なので空いているかと思いきや、既に半分ほど埋まっていた。
カフェテリア黒菱(旧黒菱小屋)内の水洗トイレや自販機を利用可能。
唐松岳には麓からゴンドラ・リフト(八方アルペンライン)を乗り継ぐのが一般的だが、
この時期の平日は運行開始が8時台なので、日帰り登山する方は時間制約のない黒菱駐車場から登られることが多いらしい。
事実、日帰りと思しきハイカーたちが次々と登られていた。
黒菱駐車場からもリフト(黒菱第3ペアリフト)が運行されており、
マイカーの場合、黒菱ラインを利用した方がゴンドラより1,700円も安くなる。
黒菱第3ペアリフト
この日の運行開始は8時15分で、まだ1時間30分も待たないとならない。
吝嗇家の私はリフト代をケチろうかとも思ったが、黒菱駐車場からリフト終点の八方池山荘までは距離約1.7㎞、標高差約330mもあり、例えるなら文珠山をひと登りする感じ。
今から登っても私の亀足では1時間30分近くかかり、時間的にはリフト利用と大差ないだろう。
最近めっきり体力が衰えているので、お金で体力をカバーするリフトを選択(笑)
という訳でリフト運行開始まで、コーヒーを淹れて朝飯タイム。
エネルギー補給後は、隣になった男性と談笑。
埼玉から来られた男性は何度も八方尾根に来られているそうで、この日も好天の予報で、急遽前日に有休を申請されたそうだ(笑)
ただし男性は夜に所用があるらしく、今日は八方池で引き返されるとのこと。モッタイない…
八方尾根山岳スキー発祥之地の石碑。
揮毫は第1次南極観測隊隊長で、探検家で知られる西堀栄三郎氏。
石碑近くの小高い場所からは、白馬三山が一望。
以前泊まった白馬岳(2932m)の白馬山荘もハッキリと視認できた。
なお山名は”しろうまだけ”で、山小屋は”はくばさんそう”。
運行開始のアナウンスが流れ、男性と一緒にリフトへ(8:14)
今回購入したのは、温泉入浴付往復チケット(1600円)
麓の白馬温泉郷の立ち寄り入浴が通常600~800円のところ、実質400円となるお得なチケット。
なお黒菱ラインでは持ち込み荷物が15㎏超の場合、手回り品料金として片道220円が徴収されるとのことだったが、何も言われなかった。
もっとも空身でも一般のハイカーより15㎏以上超過していますが(笑)
ザックを前に抱え乗車。
リフトの位置が冬期より低いので、足の長い私はほとんど地面に付きそうだった(ウソ)
8:25 黒菱平(標高約1680m)
約8分で到着。
降り場の先は黒菱平雲海デッキになっており、ここからも白馬三山がバッチリ!
この日は雲海はなかったが、雲一つない青空が広がる。
”北陸のステンマルク”と呼ばれ、黒菱コースを颯爽に滑っていたのは20年以上前。
実際は”北陸のスッテンコロリン”で、コブだらけの急斜面に四苦八苦したのは内緒(笑)
ここで八方アルペンラインのアルペンクワッドリフトと合流。
鎌池湿原の横を通りながら、次のリフト乗り場へ。
黒菱平から先は中部山岳国立公園になっている。
眼前には双耳峰が特徴的な日本百名山の鹿島槍ヶ岳(2889m)が聳える。
鹿島槍にも登ってみたいのだが、私の貧脚だと2泊は必要。
グラートクワッドリフト
乗車時、チケットを提示し入鋏されるが、下りも利用するので紛失に注意。
日本百名山の五竜岳(2814m)も見えてきた。
山容が大きく、圧倒的な存在感。
五竜岳にも寄りたいところだが、貧脚なので今回はパス。
絶景とピーカンな青空にテンションアゲアゲ。
8:37 八方池山荘(唐松岳登山口)(標高約1830m)
駐車場から約20分で到着。
ここには山荘のほか、トイレや売店もある。
自販機も設置されており、PETボトルが200円と良心的な価格。
小振りのザックを担いでいる方も多く、おそらく八方池までの方なのだろう。
八方池(第3ケルン)まではハイキングコースになっている。
準備済ませ、ハイク開始(8:40)
頂上山荘までは、距離約4.3㎞、標高差約807m、標準CTは3時間30分。
地元の山と比較すると、日野山萱谷コース(片道3.4㎞・標高差700m・標準CT2時間30分)の約1.2倍で、白山砂防新道(片道6㎞・標高差1190m・標準CT4時間)の約0.7倍。
目標CTは貧脚を考慮して、亀足倍率1.6倍を乗じて6時間10分(休憩含)に設定。
最初の目的地八方池(第3ケルン)までは、距離約2.7㎞、標高差約250m。
目標CTは1時間36分(標準CT1時間)
八方池までは右手の尾根コースとなだらかな木道の2ルートがあるが、
もちろん後者をチョイス。
ウメバチソウ(梅鉢草)
ニシキギ科ウメバチソウ属の多年草。
いや~ 気持イイな~
ここで一旦尾根コースと合流(8:54)
引き続き木道コースへ。木道だと八方山(1974m)や八方山ケルン(石神井ケルン)には行きません。
ノコンギク(野紺菊)
キク科シオン属。
ヤマホタルブクロ(山蛍袋)
キキョウ科ホタルブクロ属の多年草。
ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)
キク科アキノキリンソウ属の多年草。
タカネマツムシソウ(高嶺松虫草)
マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草。
タムラソウ(田村草)
キク科タムラソウ属の多年草。
ハクサンシャジン(白山沙参)
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。
野草のピークは過ぎてしまったようだが、快晴の八方尾根に大満足!
9:18 標識(八方池まで1.2km)
9:31 標識(八方池まで0.8km)
ここで尾根コースと合流。
トイレもあり、大勢のハイカーが休憩されていた。
なお八方尾根の最終トイレなのでご注意を。
立ったまま息を整えた後、先へ進む(9:33)
前方に聳える不帰嶮(かえらずのけん)
Ⅰ峰、Ⅱ峰(北峰・南峰)、Ⅲ峰(A峰・B峰・C峰)からなる岩稜帯で、鞍部(2411m)の不帰キレット(天狗頭~唐松岳間)は、大キレット(南岳~北穂高岳間)、八峰キレット(五竜岳~鹿島槍ヶ岳間)とともに日本三大キレットと呼ばれる。
いずれも私には一生縁のない場所だが(笑)
白馬三山の白馬鑓ヶ岳(2903m)、杓子岳(2812m)、白馬岳(2932m)
背後には日本百名山の浅間山(2568m)や四阿山(2354m)も望めた。
この付近の植生はハイマツなどの低木が多い。
この一帯の地質が超塩基性の蛇紋岩で、含まれるマグネシウムが植物の水分吸収能力を低下させるため、ダケカンバなどの中高木は成長できにくいそうだ。
9:36 第2ケルン(標高約2000m)
別名息ケルン。八方尾根には遭難犠牲者への鎮魂のために計6箇所のケルンが設置されている。
登山の目印になるのはありがたいが、なかなか近づかない(笑)
ハッポウワレモコウ(八方吾木香)
バラ科ワレモコウ属。同属のカライトソウとワレモコウの交配種とされる。
9:47 八方ケルン(標高約2040m)
なんか愛嬌ある顔のようだな(笑)
前方に八方池が見えてきた(9:59)
八方池畔には少し下っていくので、下りで寄ることにしパス。
天狗頭側の沢には雪渓が残っていた。
なだらかで眺望の良い尾根を進んでいく。
八方池の先には不帰嶮が聳える。
八方池に映る逆さ天狗頭。
背後には日本百名山の高妻山(2353m)や北信五岳の戸隠山(1904m)
日本百名山の四阿山(2354m)
左手には2年前に登った八ヶ岳。
鹿島槍ヶ岳(2889m)や五竜岳(2814m)など多くの日本百名山が望めた。
10:05 第3ケルン(標高約2086m)
八方池山荘から85分と目標CT(96分)以内と個人的には上出来。
予定通り、ここで小休止する。
唐松岳(2696m)1日目その2に続く…
(ここまでの行程)
01:30八方の湯駐車場(車中泊)6:20
6:43黒菱駐車場(カフェテリア黒菱前)8:15
8:37八方池山荘(唐松岳登山口)8:40
9:36第2ケルン
9:47八方ケルン
10:05第3ケルン(小休止)
やっぱり、山っていいね!
唐松岳(2696m)(八方池山荘~第3ケルン)
標高差256m
登り 1時間25分
出会った人 測定不能 出会った動物 なし
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