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TOO MUCH LUGGAGE

好きな音楽やヲツヴァカ話、欧州で見かけた妙なものについて呟きます。

耳のリハビリ中

えーと、まさか自分でもココを3ヶ月放置することになるとは思いませんでしたよ (^_^;)。1月、2月といろいろたてこんでいたせいなのですが、今回はテンパりすぎて音楽を聴く気力がなくなるという事態に陥っていました。そんな訳で、CDやDVDを多少買ってはいたけれど、未だにきちんと聴けていない有様。現在ようやく復活の途中なのですが、ふだんの『主食』音楽とはちょっと違ったもので耳のリハビリ中という感じです。いえ、耳自体が悪くなったのではないので、耳と頭の間のリハビリというか…。お腹をこわした後、おかゆで様子を見ているような感覚ですかねー。


Nordic Cityさて、そんな『耳のリハビリ』のお供を少し紹介すると、ニッケルハルパ奏者関係のCDたち。ニッケルハルパはスウェーデンの伝統楽器ですが、私はこの楽器のどこか素朴で、かつ艶のある音色がかなり好きなのです。数年前、ニッケルハルパを中心にしたCDを聴いてみたいと思ってちょっと探した時に買ってみたのが、Bazar Blåのアルバムでした。ニッケルハルパ奏者のJohan Hedinと、ベースのBjörn Meyer、パーカッションのFredrikGilleによるトリオです(彼らのアルバムは日本でも出ているし、Nordic Notesさんにバイオのページもあります)。

現在までにスタジオ盤3枚とライヴを1枚リリースしている彼ら。大きな特徴は、やはりこの一風変わったバンド編成でしょう。Johanのニッケルハルパの音色もさることながら、Fredrikの多彩と言うにもあまりに多彩なパーカッションの数々が、独特の雰囲気を作り出しています。ファーストの「NordicCity」(左の画像)は1曲目や4曲目に代表されるような優しくメロディアスで、ウォームな印象を与えますが、セカンドの「Trip Folk」は、アルバム・タイトル通りにかなり飛んでいっているというか、一気に踏み出していった感じでしょうか。ベース主体の曲やパーカッション主体の曲もあり、ニッケルハルパもそうと知らずに聴いたら何の楽器だかわからないし、フォーキーな部分を残しつつも、無国籍感が一気に増しています。特に、ゆったりとしたパーカッションを効かせた10曲目は、雄大でエキゾチックで良いです。3枚目の「Nysch」は、ファーストとセカンドのちょうど中間点のような感じでしょうか。

Bazar Blå HP: http://www.bazarbla.com


Brand伝統楽器を使ったアルバムを探していながら、なんでこういう無国籍系のアルバムに走ってしまうかというと、私はいわゆるバルカン以西のトラッド・ミュージックがかなり苦手で、1枚聴き通せる自信が無いから (^_^;)。しかし、そんなヘタレではイカン!と思い(?)、ニッケルハルパなアーティストを多く抱えるDroneのサイトをウロウロしていて、気になって買ってみたのがPettersson & Fredrikssonの「Brand」。ニッケルハルパ奏者のDaniel Petterssonと、マンドーラ&リュート担当のDaniel Fredrikssonのデュオで、スウェーデン北部のVästerbotten地方(Umeåがある地域です)の音楽を演奏しています。哀愁をたたえつつもそれが過剰にならず、どこかピンと張りつめた冷たい空気を感じさせる作品で、そういったところが実に好み。また、全10曲中に2曲だけ彼らのオリジナル曲が混ざっているのですが、かれがまた全体の雰囲気に実に合っているのですよね。冷たくももの哀しい4曲目の'Fyra Timmar'など、ことに美しいです。

Pettersson & Fredriksson HP: http://www.freewebtown.com/petfred/
Myspace: http://www.myspace.com/petfred


Pettersson & Fredrikssonは他にもアルバムをリリースしているので、そっちも買わないとな~と言いつつ、そのままにしてしまっているのは、実はそこから脱線してしまったから。だって、Droneにはこんな皆さんもいるんです。

NHOの皆さん

その名もズバリNyckelharporkestern。ニッケルハルパばっかり6人!(Ola Hertzberg、VäasenのOlov Johansson、RararimのNiklas Roswall、Henrik Eriksson、Markus Svensson、そして前述のBazar BlåのJohan Hedinの皆さんです。なお、リンクは全部Myspaceなので、開けると音が出ます)。NHO収録されている16曲は、全てオリジナル曲。全曲6人で演奏している訳ではなく、デュエット曲やトリオによる曲もあって、それが絶妙なコントラストを生み、全体の雰囲気をより多様にしていると思います。例えば4人で弾いている3曲目が室内楽っぽい印象を与えるのに対し、続く4曲目は6人いるのをフルに生かした、オーケストラ的なスケールの大きさを感じさせるのです。曲によっては、「もうちょっとテンポを落としてもいいのでは?」と思うものもあるのだけど、遅くしたらそれはそれで眠くなっちゃうでしょうかねぇ~? 個人的に特に気に入っているのは、どこかアコーディオンの音色のようなベース・リフ(?)の効いた12曲目の'Emma Danzar'、そして4曲目の'Surpolska'。'Surpolska'は切り込むような高音チームと、ゆったりとボトムを支える低音チームのコントラストが、北欧の自然、澄んだ空気に高い山の深い緑、神秘的な湖やフィヨルドといったものを見せてくれるようです(とはいえ、こう書いたような風景は、実はスウェーデンではなくてノルウェーなんだけど (^_^;;))。

Nyckeharporkestern Myspace: http://www.myspace.com/nyckelharporkestern


  1. 2009/04/12(日) 19:08:57|
  2. Multikultiな音楽|
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