PDF417とは? わかりやすく解説

ピーディーエフ‐よんいちなな【PDF417】

読み方:ぴーでぃーえふよんいちなな

Portable Data File 417二次元コードの一。従来バーコード比べ情報量格段に大きくバーコード積み上げたような形をしている。米国中心に普及している。


PDF417

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/27 01:26 UTC 版)

Better Sample PDF417

PDF417(ピーディーエフ417)とは、主にアメリカ合衆国で身分証明書をはじめ様々な用途で使用される、スタック式[注釈 1]二次元コード規格である。PDFはポータブル・データ・ファイル(Portable Data File)の略語。417は、コード内の各パターンがバーと空白で成り立っていて、各パターンが17ユニットの長さであることを表している。PDF417はアメリカ合衆国の企業であるシンボル・テクノロジーズ英語版(現:モトローラ・ソリューションズ社)のYnjiun P. Wang博士によって考案されたものだが、パブリックドメインの状態に置かれており、ISO規格では15438に規定されている。PDF417は、複数のバーコードを連結させることで、記録可能な情報量を拡張できるという特徴も持つ。

用途

PDF417は商用およびアメリカ合衆国の政府機関などで、様々な用途に使用されている。例えば、PDF417はアメリカ合衆国郵便公社が認可した郵便料金の印刷に使用されている規格の1つである。PDF417はまた、航空業界のバーコード搭乗券規格(BCBP)により、搭乗券の二次元コードとしても使われている。PDF417は 、アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)の標準規格にも選ばれていて、リアルID英語版準拠の運転免許証や州が発行する身分証明書(identification card)の機械読み取りゾーンとしても採用されている。イスラエル国が発行したビザや国境通過カードにも、PDF417のコードが含まれている()。

特徴

2次元コードに典型的な特徴に加え、PDF417の特性は次のとおり。

  • 連結性。PDF417のシンボル(後述)は、順番にスキャンされる他のシンボルと連結して、さらに多くのデータを格納することができる。
  • 寸法のユーザー指定。垂直バーの幅の広さ(X寸法)や、どのくらいの高さ(Y寸法)にするかを、利用者が決められる。
  • パブリックドメイン様式。誰でもライセンス不要で、このPDF417様式を使ったシステムを組み入れることができる[1]

ISO / IEC文書の紹介[1]

バーコード装置の製造業者およびバーコード技術の利用者は、装置やアプリケーション規格を開発する際に参照できる、公然に利用可能な標準的シンボル仕様を必要とする。ISO / IECの善意と了承で、この国際規格で提供されているシンボルは完全なるパブリックドメインであり、全ての利用者に制限なし、ライセンスも不要、料金も無料である。

フォーマット

PDF417 Example

PDF417のバーコード(シンボルとも言う)は3-90行で構成されており、各行は、小さな線型バーコードのようなものにあたる。

各行にあるものとして、

  • 静粛ゾーン(quiet zone)。これは、バーコードが開始される前の最低限の空白のこと。
  • 開始パターン(start pattern)、でPDF417としてのフォーマットを特定。
  • 「左行(row left)」、には行に関する情報(行番号やエラー訂正レベルなど)が記載されている。
  • 1-30データコードワード(data codewords)。このコードワードは、1つ以上の数字か文字かその他の記号、を表すバーと空白の集団である。
  • 「右行(row right)」、にはこの行に関するより雑多な情報が記載されている。
  • 停止パターン(stop pattern)。
  • 停止後の静粛ゾーン。

全ての行は同じ幅である。 各行は同じ数量のコードワードを有している。

コードワード

PDF417 は929進法のエンコードを使用しており、各コードワードは0から928の数字を表している[2]。 コードワードは、暗い領域=バーと明るい領域=空白のパターンで表される。これらの各パターンは、4つのバーと4つの空白で成り立っている(名前に4が入っている由来)。 合計の幅は、最も狭い垂直バーの幅の17倍となる(名前に17が入っている由来)。 各パターンはバーで始まり、空白で終わる。

行の高さは少なくとも最小幅の3倍でなければならない。Y ≥ 3 X.[3]

各コードワードを表すために3つの異なるバー=空白パターンが使用される。 これらのパターンは、クラスタと呼ばれる3つのグループに分類される。 クラスタは、0、3、6にラベル付けされている。複数のクラスタでは、バー=空白パターンは使用されない。シンボルの行は3つのクラスタを循環する形で、行1はクラスタ0からのパターンを、行2はクラスタ3を、行3はクラスタ6を使用し、行4は再びクラスタ0を使用する。

下の数式によって、どのクラスタであるかが決定される[4]

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