IRA暫定派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/18 04:07 UTC 版)
アイルランド共和軍暫定派(英: Provisional Irish Republican Army)は、アイルランド民族主義者の私兵組織。日本語ではIRA暫定派、英語ではPIRAまたは俗にプロヴォ(英: the Provos)と略されることが多い。
注釈
- ^ the Army。「軍」を意味する。
- ^ 英: the 'RA。頭文字を取ったもの。
- ^ IRA暫定派はアイルランド共和国、イギリス、アメリカ合衆国、スペイン、ドイツ、イタリアなどからテロリストとして認定されている。挙げた国々のうち後者3つは自国に存在する組織、赤い旅団やETAなどとの関係が報告されている。アイルランド警察および北アイルランド警察からもテロ組織として恒常的な捜査対象となっている。メディアでは、アイリッシュ・タイムズ、アイリッシュ・インディペンデント、アイリッシュ・イグザミナー、サンデイ・インディペンデントなどでテロリストとして名指しされている。アイルランド共和国の政党では現在連立政権を構成するフィアナ・フォールと進歩民主党の他、第二党のフィン・ゲール、労働党、緑の党など主要政党は全てテロ組織として非難している。北アイルランドにおいては、ナショナリスト政党の社会民主労働党、無派閥の同盟党、ユニオニスト政党のアルスター統一党と民主統一党、進歩統一党が非難している。アイルランド共和国におけるIRAメンバーの裁判はテロリストの処罰を目的に緊急法によって設けられる特別犯罪法廷において裁かれる。アイルランド島においてIRA暫定派をテロリストではないと主張しているのはシン・フェインのみである。シン・フェインは一般にIRAの政治組織であると見なされているが、両者は全く関係しないと主張するものもいる。アメリカ合衆国国務省や欧州連合では、IRA暫定派の休戦宣言以後に彼らをテロリストのリストから外した。一方でRIRAとCIRAは現在もこのリストに掲載されている。
- ^ 英国当局による捜査の結果、IRAの所有するAR-18の中に日本製のものが含まれていたことが発覚し、国会で問題となった。上記の事由を受け、製造元である豊和工業は当銃の製造・販売を中止した。
- ^ これらの容疑者はFARCへの資金援助については無罪となり、パスポート偽造についての有罪判決を受けたのみであった。しかし検察側の上告によって無罪判決は覆った。3人は保釈中に上告の結果が出される前にアイルランドへと帰国した。コロンビア政府は容疑者の引き渡しを求めており、アメリカ合衆国政府や社会民主労働党もこれに賛同している。英国政府は彼らが北アイルランドに入国したならば引き渡す用意があると表明している。この事件は幾つかの点で論争を読んでおり、後に別件で偽証したことが判明したFARCメンバーの証言に比重をおいていること、法医学的証拠に疑問が残る点などが問題とされている。3人は英国およびアメリカ合衆国政府が積極的にコロンビア政府の捜査に協力したとして非難している。
出典
- ^ Taylor 1997, p. 139.
- ^ a b Taylor 1997, p. 156.
- ^ O'Brien 1999, p. 128.
- ^ O'Brien 1999, p. 23.
- ^ O'Brien 1999, p. 127.
- ^ Moloney 2003, p. 432.
- ^ O'Brien 1999, p. 161.
- ^ a b Parliamentary Debates (Official Report - Unrevised) Dáil Éireann Thursday, 23 June 2005 - Page 1
- ^ a b Mallie & Bishop 1988, p. 12.
- ^ Moloney 2003, p. 472.
- ^ (Security estimates, Jane's Intelligence Review), BBC, 26 September 2005
- '^ IRA 'still involved in crime, the Guardian, 1 February 2006
- ^ McKitrick et al. 2001, p. -.
- ^ O'Brien 1999, p. 135.
- ^ McKitrick et al. 2001, p. 1531.
- ^ O'Brien 1999, p. 26.
- ^ O'Brien 1999, p. 115.
- ^ O'Brien 1999, p. 198.
- ^ O'Brien 1999, p. 196.
- ^ Coogan, p. 284.
- ^ Mallie & Bishop 1988, p. 444.
- ^ O'Brien 1999, p. 199.
「IRA暫定派」の例文・使い方・用例・文例
- IRA暫定派のページへのリンク