あお‐しお〔あをしほ〕【青潮】
青潮
富栄養化した内海の表層で増殖したプランクトンが死に下層へ沈澱し,底層で分解される過程で酸素が消費され,酸素濃度は次第に低下します。この貧酸素状態になった底層の水塊が表層に上昇し,海水が青くみえる現象を青潮といいます。赤潮同様に魚介類の大量死を招くことがあります。青潮 (あおしお)
青潮
【英】:blue tide
富栄養化海域で底層の低酸素水塊が表面に上昇した状況。イオウ粒子やイオウ化合物が含まれているために、水面が青白く見える。風などの影響によって、底層の低酸素水塊が上昇することによって発生する。青潮は魚介類の大量へい死を招くことがある。
青潮
青潮
青潮 [Green tide,Green water]
なお、五島列島の沿岸海域で"緑潮"とよばれている現象や、湖沼で発生する"青粉(あおこ)"とよばれている現象は原因プランクトンが違い、数種の藍藻(藍菌)が原因である。前者は海水性のユレモ科のトリコデスミウム(Trichodesmium)で、後者は淡水性のクロオコッカス科の藍藻ミクロシスティス(Microcystis)が原因である。これらの微生物が養殖池や沼などで大量に発生した場合は"水の華"ともよばれ、水質変化で魚類が大量に斃死(へいし)することがある。欧米ではこれが発生した池や沼の水を飲んだ家畜が死亡した例があり、その毒素を"急速死因子(fast-death factor)"と名づけられている。
青潮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/18 03:10 UTC 版)
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青潮(あおしお)は、海水に含まれる硫黄がコロイド化し、海水が白濁する現象である。これが発生している海は薄い青色に見えるので、赤潮と対比して青潮と呼ばれているが、実際に青い色をしているわけではない。
概要
富栄養化により大量発生したプランクトンが死滅して海底に沈殿し、バクテリアによって分解される過程で海中の酸素が大量に消費される。その結果、溶存酸素の極端に少ない貧酸素水塊が形成される。通常、この水塊は潮流の撹乱により周囲の海水と混合されて分散するが、内湾ではこの力が弱い。また、東京湾などでは浚渫工事に伴う土砂の採集跡が海底に窪地として残されており、ここに溜まった水塊は貧酸素環境が特に保たれる。貧酸素水塊中では嫌気性細菌が優占する。嫌気性細菌の硫酸還元菌が大量の硫化水素を発生させる。この硫化水素を大量に含んだ水塊が湧昇すると、水中の酸素によって硫化水素が酸化され、硫黄或いは硫黄酸化物の微粒子が生成される。微粒子はコロイドとして海水中に漂い、太陽光を反射して海水を乳青色や乳白色に変色させる。多くの場合、青潮は未酸化の硫化水素による独特の腐卵臭を伴う。
貧酸素水塊が上昇する主な原因は対流であるとされている。表層付近の海水が強風により外洋へ流されて離岸流が発生すると、それを補うように底層の水塊が上昇してくる。
夏から秋に東京湾で多く発生することが知られ、北の風もしくは北東の風が吹く時期に青潮が起き易い。他に、底層水が直接外洋水によって押し上げられて青潮となる場合もある。赤潮と同様に魚介類の大量死を引き起こす事がある。近年発生した青潮では、2002年に三河湾で発生した青潮がよく知られる。この青潮で沿岸のアサリの大量死が起きた。対策としては、海底の天然の浚渫窪地を埋め、貧酸素環境が生じやすい環境をもとに戻すことによって青潮の発生が抑えられると唱える学者もいる。現在三河湾では海底の天然の窪地の人工的な埋め工事が行われている。
参考文献
関連項目
青潮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 17:07 UTC 版)
1960年代から1970年代の東京湾沿岸部の埋め立ての際、埋め立て土砂を海底から採取したために、流れの悪い浚渫窪地ができた。ここに貧酸素水塊と栄養塩が溜まり、嫌気性細菌により大量の硫化水素が発生する。このことが青潮の発生源の一つとなっている。現在の東京湾では約1億立方メートルの浚渫窪地が存在する。
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