電子状態
電子状態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 17:48 UTC 版)
酸素分子の励起一重項状態は2種類ある。2つ存在するπ*2p軌道をそれぞれ1個ずつの電子が占有しているΣ状態と、2つ存在するπ*2p軌道の一方のみを2個の電子が占有し、もう一方のπ*2p軌道は空軌道のΔ状態が存在する。Σ状態よりΔ状態の方がエネルギーが低いため、Σ状態は速やかにΔ状態に遷移する。このため一重項酸素といえば通常Δ状態のものを指す。 それに対して、基底状態の酸素分子は三重項酸素と呼ばれ、3O2で表される。これは2つ存在するπ*2p軌道を1個ずつの電子が占有しており、全スピン量子数が1の状態である。軌道に電子が単独で存在する状態はフリーラジカルであり、それゆえ三重項酸素は2個の不対電子を有するビラジカル(biradical)である。
※この「電子状態」の解説は、「一重項酸素」の解説の一部です。
「電子状態」を含む「一重項酸素」の記事については、「一重項酸素」の概要を参照ください。
電子状態と同じ種類の言葉
- 電子状態のページへのリンク