鍛造とは? わかりやすく解説

556の専門辞書や国語辞典百科事典から一度に検索! Weblio 辞書 ヘルプ
Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 武具 > 鍛造 > 鍛造の意味・解説 

たん‐ぞう〔‐ザウ〕【鍛造】

読み方:たんぞう

金属素材加熱しハンマープレスでたたき、成形し靭性(じんせい)を与えていく加工法


鍛造(たんぞう)

主にハンマー機械プレス加圧し製造する方法のことです。強度大きいため、自動車保安用部品、航空用部品などの製造利用されます。

鍛造

英語 forging

金属材料加工法のひとつ。切断され炭素鋼などの金属材料加熱したり、または、加熱しない常温のまま、上下1組金型の間で圧縮加工する方法である。鍛造の目的は、鋼塊粗大な樹脂状の結晶破壊して均一な組織にし、引張り強さ伸び絞りなどの機械的性質向上させるとともに所要形状をつくることである。自動車部品では、エンジン部品のコンロッドクランクシャフト(ディーゼルエンジン用が多い)、ミッション部品のギヤブランク(ギヤ素材)、プライマリーシャフト、セカンダリーシャフト、足まわり部品ナックル(トラック用)、そのほかドライブシャフトなどに使用されている。

鍛造

参照 型鍛造
※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

鍛造(たんぞう)

アルミホイールなどを成型する方法一つバイクだと主にホイールピストン成型方法を指すことが多い。 鍛造は、まず最初に素材となる金属高温下・高圧で押しつぶす刀鍛冶熱したハンマー叩いている姿を想像するわかりやすいだろう。次にそれを機械加工し熱処理ほどこし塗装などに進んでいく。 金属成型するもう一つ方法である鋳造比べる頑丈に造ることができ、“ス(気泡)”ができにくいので、リプレイスホイールでの製造方法採用されることが多い。
鍛造


関連用語ホイール

鍛造

金属加工のうち、金型工具によって素材圧縮変形させ、所定形状成形する作業を鍛造という。原始的には、ハンマー等で素材叩いて加工行ったり、鍛冶屋として熱した素材など)を叩き武器農耕具製造した
  現代では手作業代わりに機械式ハンマープレスによる鍛造加工が行われ、大型タービン主軸といった大きなものから、数ミリ単位機械部品といった精密なものまで、様々な製品作りが行われている。
  一般的に金属鍛造加工すると、素材金属内部結晶一様化されるため、強度上がる靭性が高まるなど機械的性質改善される
  鍛造加工は、加工時の素材温度により熱間・温間・冷間の区別がなされ、また工具用いて行う自由鍛造(free forging)と金型により行われる型鍛造(die forging)に大別される

  熱間鍛造とは、材料再結晶温度付近にまで加熱して行う鍛造である。材料赤熱するまで加熱され加工が容易となり大型製品加工できるまた、素材結晶加工により変形しても、熱間鍛造においては再結晶されるため、残留応力少な製品得られる製品強度についても、鋳造などに比べて高い機械的性質を得る。
反面金属素材冷えにつれて収縮するため、製品寸法精度求められる場合には仕上げ加工が必要となる。
  冷間鍛造材料加熱せず加工を行うため、熱間鍛造比べて高い寸法精度得られる。また金属素材変形により加工硬化が起こるため、高強度製品得られる。しかし、工具金型には非常に高い剛性求められ、また製品残留応力が残る場合もある。このため冷間鍛造熱間鍛造仕上げ段階行われることが多い。
  両者長所取り入れるため、材料加熱温度常温以上再結晶温度以下とし鍛造を行うのが温間鍛造である。

自由鍛造

適している分野・使用事例

工具機械部品などより高い強度靭性求められる部品大量生産品。

用語解説

靭性
じん性粘り強さ衝撃破壊起こしにくいかどうか程度
機械的性質
引張強さ降伏点伸び絞り硬さ衝撃値、疲れ強さクリープ強さなど、機械的な変形及び破壊関係する諸性質
残留応力
外力又は熱勾配が無い状態で、金属内部残っている応力溶接時には材料部分冷却速度の差により内部応力残留する熱処理冷間加工鋳造などによっても残留応力生じる。
加工硬化
金属材料加工により外力が加わると、その結晶中に多く欠陥転位)が発生する。この転位絡み合ってすべりを起こさなくなると結果的に硬化が起こる。
※本用語集は、索引元の東大阪市製造業支援サイト「東大阪市技術交流プラザ」において、平成16年度委託事業で構築したコンテンツです。

鍛造

【英】forging

金属塊素材ハンマープレスロールなどの機械用いて金型工具押し付け所望形状鍛錬与え代表的な塑性加工法。コンロッドクランク軸歯車スプラインなどの強度部品成形する
その他、潤滑剤やメンテナンス用品、作業環境保護など工場・現場が必要としている商品や供給会社に関する情報については、「ジュンツウネット21」で見ることができます。 ⇒ 「ジュンツウネット21」

鍛造

読み方たんぞう

金槌木槌金属打ちのばしながら、形をつくり出していくのが鍛造で、必要に応じて金属赤熱てやわらかくすることがあります

鍛造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 14:04 UTC 版)

鍛造(たんぞう、forging)とは、金属加工塑性加工法の一種。金型を使用する「型鍛造」と、使用しない「自由鍛造」に大別される。その中で、型鍛造は、加工温度により熱間・冷間・温間鍛造の3種類に分類される[1]

自由鍛造は金属をハンマー等で叩いて圧力を加えて変形させる手法で、古くから刃物や武具、金物などの製造技法として用いられてきた。大型鍛造品等の一品生産に適している[1]

特徴

型鍛造

型鍛造プレス機械

型鍛造は、上下1組の金型の間に材料を入れ、機械で押し潰して狙った形状に加工する方法で、同一形状の製品を大量生産することに向いており、高い寸法精度を得られ、スピーディーに成形加工を行うことが可能である。ただし、金型製作に初期費用が必要となるため、少量生産には不向きと言える。また、型鍛造は、その加工温度によって「熱間鍛造」「冷間鍛造」があるほか、それらの中間温度で両方のメリットを得る「温間鍛造」も行われている[1]

自由鍛造

鍛造エアーハンマー

自由鍛造とは、金型を用いず、ハンマーや金敷と呼ばれる表面が平面または曲面の工具を使って材料に圧力を加え、伸ばし・据込み・穴あけ・せぎり・切断等の作業を行って目的の形状に加工する方法である。分かりやすい例では、刀鍛冶が金床の上で槌を振るう日本刀の製作がこの自由鍛造に当たるが、工業製品では、船舶用クランク軸(熱間鍛造)や発電用タービンローター原子炉圧力容器圧延機のロールなど、大型鍛造品等の一品生産に利用されている[1]

大型自由鍛造をするためには能力1万4千トン級の大型油圧プレスが使用されている[2]

金属を叩くことで内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶の方向を整えて強度を高めると共に目的の形状に成形する。また、金属を叩くことで内部の不純物を除去するとともに炭素元素を外に排出して炭素量の調節を行う[3]。特に、精錬を主目的として鍛造された鉄を「」(はがね、刃物に用いる金属を意味する刃金に由来)と呼ぶ。

鍛造の利点

型鍛造

同一形状の製品を、スピーディーに成形加工して大量生産することができ、また、高い寸法精度が得られる。自動車の車体、家電製品の筐体、金属製家具、金属容器など、社会生活に欠かせない製品が、型鍛造によって大量生産されている。また成形型に合わせて必要素材量を事前に算出して準備する方法のため、削り出しや鋳造に比べてより材料が少なくて済む。このため、大量生産にも向いている[4][5]

自由鍛造

組織が緻密となり、鋳造に比べて鋳巣(空洞)ができにくいので引張り強度・硬さに優れた粗形材をつくることができる。粗形材も最終形状に近い形で仕上がることからやはり削り出しや鋳造、粉末金属冶金等の方法よりも後工程である切削や研磨が比較的省略・簡略化できる。また、部品形状に合わせて鍛流線 (fiber flow、metal flow) が連続するために反復曲げ応力に強い。打刃物などの伝統工芸品だけでなく、近代工業において強度が求められる大型船舶のプロペラシャフト素材や蒸気タービン発電機のシャフト素材、超高圧に耐える必要のある加圧水型原子炉の圧力容器のような一品製造に向く。

歴史

金属を叩く加工法は古代から天然ので行われていたほか、ニッケルを多く含む隕石を素材に叩いて加工されていた[3]。鍛造は最も古い金属加工法である[3]。古代エジプトで紀元前3000年頃に製作された隕石製とみられる鉄環首飾りが発見されている[3]。紀元前15世紀頃にはヒッタイトを用いた鉄の還元・加熱鍛造技術を発明し[6]前1200年のカタストロフを経て人類史に鉄器時代が到来する。産業革命の起きる18世紀まで鋳鉄は脆いものとされていたため叩いて作る鍛造品の鉄が重宝された[3]。 今日では鍛造はに限らず、チタンアルミ合金タングステンニッケルなど、様々な金属や合金の加工製品化のために用いられている。

鍛造方法

大きく分けて以下に大別される[1]

  • 型鍛造(die forging) - 鍛造用金型を用いて鍛造する。比較的形状が簡単な製品に採用されやすく、初期投資が高価となるので大量生産向き。
  • 自由鍛造(free forging) - 加工物を治具などにセットして、ハンマー等で成形する。初期投資は比較的安く済むが熟練の技術が必要で、少量生産や大型製品の加工に向いている。

鍛造の分類

被加工材料の温度により、以下のように分類される[1]

  • 熱間鍛造(hot forging) - 素材の変形抵抗を減少させるために再結晶温度以上の高温に加熱して柔らかい状態で加工・成形する。鍛流線が整うため、大型製品や高強度材の製造に向く。
  • 冷間鍛造(cold forging) - 常温で加工を実施する。加工に要するエネルギーや時間が熱間鍛造より節約できるが、変形に要する力が熱間鍛造より大きい。また、仕上がりの製品の寸法精度が熱間鍛造より優れ、表面は滑らかに仕上がる。
  • 温間鍛造 - 約600~900℃で加工。熱間鍛造と同様に靱性を高めると同時に、冷間鍛造よりも小さい荷重で鍛造することを目的とする工法。
  • 溶湯鍛造 - 鋳造と鍛造の融合工法。凝固収縮による鋳巣の発生をふせぐため、半凝固状態で加圧する。

鍛造機械

現代の鍛造では、次のような鍛造機械が用いられる。

鍛造プレス

主に機械プレスや液圧プレスなどがある。

  • 液圧式プレス - 液圧プレスとは、水や油を送り込んだシリンダーの圧力を利用して加工を行うプレス機で、冷間鍛造に用いられることが多い。
  • 機械式プレス - 動力にモーターを用い回転エネルギーをクランク機構やスクリュー機構などに変換して材料を加工するプレスで、生産効率が高く、大量生産を求められる電気・電子機器や自動車部品等のプレス加工に多く使用されている。
  • トランスファープレス - 複数のプレス機と搬送機構(トランスファー機構)を内蔵した大型のプレス機で、金型の組み合わせなどによってさまざまな製品を自動で鍛造加工することが出来る。

ハンマー

主にエアハンマー(上下運動型)・スプリングハンマー(クランク式)が用いられる。

  • エアハンマー - 圧縮空気によってハンマー(金槌)を上下に動かして材料をたたく機械で、主に熱間鍛造に用いる。
  • スプリングハンマー:モーターの動力をベルトとクランクによって伝導してハンマーヘッドの弓を上下させる機械で、鍛接の完了した鋼材を延ばす目的で使用することが多い。

鍛接

鍛接(forge welding)は、金属を接合する技術の一つで、圧力を加えて接合面を密着させ、一体化させる技法。代表例としては、刃物を製造する際に鋼と軟鉄を鍛接する技法が知られている。水道管排水管に使われる鋼管の製造法として帯状の鋼材を丸めて接合部を鍛接する方法がある[7][8][9]

出典

  1. ^ a b c d e f 【鍛造事典】鍛造の種類Ⅰ(金型および変型方式・加工温度)”. www.hakkokinzoku.co.jp. 2023年8月20日閲覧。
  2. ^ 篠崎吉太郎『絵とき「鍛造加工」基礎のきそ』日刊工業新聞社、2009年、9-10頁。ISBN 9784526062957https://pub.nikkan.co.jp/book/b10020215.html 
  3. ^ a b c d e 菅野利猛. “世界文化遺産、韮山反射炉の10大ミステリーを解く”. 2020年5月15日閲覧。
  4. ^ 鍛造 | 塑性(そせい)加工 | なるほど!機械加工入門 | キーエンス”. www.keyence.co.jp. 2023年8月20日閲覧。
  5. ^ 鍛造とは?鍛造と鋳造の違いは? | 株式会社大宮日進”. ohmiyanissin.co.jp. 2023年8月20日閲覧。
  6. ^ 「文明の誕生」p128-129 小林登志子 中公新書 2015年6月25日発行
  7. ^ 鍛接鋼管”. JFEスチール株式会社. 2023年8月22日閲覧。
  8. ^ JFE スチールの鋼管の製造プロセスおよび商品の特徴”. www.google.com. JFE スチール株式会社. 2023年8月23日閲覧。
  9. ^ 日下部良治、三谷一雄『鍛接管と電縫管―その発展と歴史』コロナ社、1986年6月1日。ISBN 978-4-339-04297-9 

参考文献

関連項目

外部リンク


鍛造(折り返し鍛練)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/06 09:08 UTC 版)

聖剣の刀鍛冶」の記事における「鍛造(折り返し鍛練)」の解説

刀剣製造技法1つ古来より正当な流れを汲む鍛冶師の間で受け継がれてきた伝統技術

※この「鍛造(折り返し鍛練)」の解説は、「聖剣の刀鍛冶」の解説の一部です。
「鍛造(折り返し鍛練)」を含む「聖剣の刀鍛冶」の記事については、「聖剣の刀鍛冶」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「鍛造」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「鍛造」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



鍛造と同じ種類の言葉


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', ''];function getDictCodeItems(index) {return dictCodeList[index];}

すべての辞書の索引

「鍛造」の関連用語





5
100% |||||

鍛造のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable() {return sideRankTable;}

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



鍛造のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日本ユニコム日本ユニコム
Copyright(C) 2025 NIHON UNICOM CORPORATION All Rights Reserved.
日本ユニコム商品先物取引用語集
三栄書房三栄書房
Copyright c San-eishobo Publishing Co.,Ltd.All Rights Reserved.
ヤマハ発動機ヤマハ発動機
COPYRIGHT © 2025 YAMAHA MOTOR CO., LTD. All Rights Reserved.
ヤマハ発動機バイク用語辞典
東大阪市技術交流プラザ東大阪市技術交流プラザ
Copyright (C) 2025 TECH PLAZA
潤滑通信社潤滑通信社
copyright © 潤滑通信社 All Rights Reserved
伝統的工芸品産業振興協会伝統的工芸品産業振興協会
Copyright (C) 2025 (財)伝統的工芸品産業振興協会 All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの鍛造 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの聖剣の刀鍛冶 (改訂履歴)、ラングリッサー モバイル (改訂履歴)、ステンレス鋼 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS