通過人員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 13:55 UTC 版)
乗降人員はそれぞれの駅における利用人数を現すが、通過人員はある駅と隣の駅の間の利用人数を現し、これを繋げる事により、ある路線や区間の利用人数の変動を連続して捉える事が出来る。 路線による立地条件の違いで見た場合、例えばインターアーバン(都市間連絡鉄道)式の通過人員は、始発駅付近と終着駅付近が高く(始発駅より終着駅がやや低い)、両駅間の中間が一番低くなる。大都市圏の駅が始発駅側にしか無い鉄道(インターアーバンの様にはっきりした名称が確立されていないが、例えば「郊外鉄道」「遠距離各停形」等と呼ばれる)では始発駅付近がインターアーバンより高く、終着駅付近ではインターアーバンより遥かに低い数値を出す例がほとんどである。 なお、ある程度規模の大きい他の路線に接続している乗換駅では、利用客のほとんどが終着駅まで乗車するのでなく、その乗換駅で一定量が降りるという例が見られる。こうした例は乗降人員で見てみても、該当する乗換駅の乗降人員はかなり高いため識別可能である。だが通過人員では始発駅に向かって上がり続けて来たグラフが、乗換駅で大きくダウンするので(この型を「段落ち」と呼ぶ)より判り易い。例は多数あるが京成船橋駅、京急本線横浜駅、山陽明石駅などはよく知られている駅の一つである。 乗降人員は優等列車の停車駅の選定基準(この区間ではこの駅の乗降人員が多いから、急行をこの駅に停めよう)の一つとして、通過人員は急行や準急などの優等列車がどこから各駅停車にするか、あるいは区間運転の列車をどこから途中折り返しにするかの選定基準(この駅から向こうの区間では通過人員がかなり減るから、この駅から列車本数を減らそう)の一つとして使われるが、先述の通り乗降人員は必ずしも実態が反映されているとは限らず、例えば近隣人口が少ないがレジャー施設の最寄り駅のように休日のみ混雑する駅は、数値上の乗降人員が他の優等列車駅より極端に少ないのにもかかわらず優等列車が停車したり、緩急接続の都合上、乗降人員が比較的少ない待避設備を完備した駅に優等列車を停車させ、隣の乗降人員が多い駅は優等列車を通過させるといった例もあり、乗降人員のみで測れない側面もある。 こうした乗降人員や通過人員は、例えば大都市近郊の私鉄では「鉄道ピクトリアル」などの雑誌の私鉄特集、または各社が発行している会社要覧(B6サイズが多い)で目にする事が出来る。
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