送電塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/28 01:36 UTC 版)
送電塔(そうでんとう、英:Transmission tower、power tower、electricity pylon)とは、架空電線路を支えるための高い構造物で、一般的に鋼鉄で造られたトラス構造の塔である。発電した電気を消費者に供給するためには不可欠な施設である[1]。
訳注
- ^ 送電線の各電力線のインピーダンスを平衡させるため電力線の物理的位置を相互に変更させるための鉄塔。
- ^ ヨーロッパや北米の場合。
- ^ その他ガラス強化プラスチックを成型・積層したいわゆる「ポリマー碍子」もある。最適な電界分布を得るため層間にはしばしな導電体が挟まれる。
- ^ 送電線の対地誘起電圧を最小限に抑えるため同一の電源による2回線送電が日本ではほとんどである。
- ^ ヨーロッパの場合。
- ^ ヨーロッパの場合。日本では誘導障害対策の観点と所轄官庁の違いから電気鉄道用の電力線は並列しない。
- ^ 片側だけだと塔は曲げモーメントに耐えなければならない。
- ^ ヨーロッパの場合。日本の交流電化では誘導障害対策のため電車線に近接して饋電線を張るため別途送電塔は立てないのが通例である。そのため各変電所間は通常の三相交流として結ぶか電力会社より受電する。
- ^ ヨーロッパの場合。日本の場合は落雷が多く、また落雷による逆サージなど電線路の故障をそれぞれ考慮しなければならないため超高電圧の回線とそうでない回線の併架はむしろ避けられる。
- ^ 日本ではコロナ放電損を小さくするため相導体を間隔をあけ、分けて束ねる。
- ^ 耐候性の観点からしばしば溶融亜鉛めっきにされる。
- ^ 日本での場合、最低でも風速40 m/s以上の風に耐える構造を要することからアルミ製送電塔の設置は考えにくい。
- ^ かつて日本においても木柱による送電は珍しくなかったが、腐食の進行からコンクリート柱もしくは鉄トラスへの更新例が多い。
- ^ もちろん日本でも22または33 kVの回線において多用されている。
- ^ 日本では航空障害灯のみで反射鏡の設置は認められていない。
- ^ 日本においても同じ。鉄塔のみならず鋼管・コンクリート柱にも設置される。
注釈
- ^ 架空電線路を支える、次の鉄塔との距離。スパン。
- ^ 三相交流の送電においては、3相の導体をまとめた単位を1回線と呼ぶ[5]。単相では2組の導体をまとめたものが1回線。
- ^ インタータイ(intertie)とは、太陽光などの再生可能エネルギーで得た余剰電力を公益施設と販売し合いながら、所有する再生可能エネルギー発電を稼働するシステム。
- ^ このクリスマスツリーは英語圏における名称。日本では特別な名称が無く、ドナウ型塔の一種に分類される[7]。
- ^ 回路1相を構成する導体の1本。単相では2本のうち1本、三相では3本のうち1本の導体をいう。
- ^ したがって鉄塔構造は、直線懸垂、角度懸垂、直線耐張、角度耐張、直線引留、角度引留の6種類(ただし日本でこの組み合わせ名称が使われることは少ない)。
出典
- ^ a b “鉄塔を知る|日本鉄塔工業株式会社”. 日本鉄塔工業株式会社. 2020年7月9日閲覧。
- ^ a b “Environmental, Health, and Safety Guidelines for Electric Power Transmission and Distribution” (PDF). International Finance Corporation. p. 21 (2007年4月30日). 2013年9月15日閲覧。
- ^ 「世界一高い送電鉄塔、頂上部の据え付け完了」新華社、2018年10月14日。2019年3月2日閲覧。
- ^ a b 八坂保能 2008, p. 138.
- ^ 多導体、コトバンク、日本大百科全書(ニッポニカ)の解説より。
- ^ a b 八坂保能 2008, p. 140.
- ^ 「鉄塔の形状による分類」、送電用鉄塔について、1997年5月7日。2019年2月28日閲覧。
- ^ a b c Donald Fink and Wayne Beaty (ed.) Standard Handbook for Electrical Engineers 11th Ed., Mc Graw Hill, 1978, ISBN 0-07-020974-X, pp. 14-102 and 14-103
- ^ http://www.spta.org/pdf/Reisdorff%20Lam%20%209-11.pdf
- ^ “New High Voltage Pylons for the Netherlands” (2009年). 2010年4月24日閲覧。
- ^ ペシュト県にある町の名前。定訳は無いが、発音辞書サイトCofactor OraにおけるÚjhartyánの音声データでは「ユージティエン」あたりが近い。
- ^ HarshPaul,"Clown Shaped High Voltage Towers of Hungary"Rrandommization,Nov 17, 2011.2019年3月1日閲覧。
- ^ 「オランダの磁界低減型鉄塔ほか」電磁界情報センター、2013年12月発行、6-8頁。磁界低減の効果があるとされる種類の送電塔。
- ^ a b c “鉄塔組立工事 - 送電線建設技術研究会”. 送電線建設技術研究会. 2020年7月9日閲覧。
- ^ “Powering Up - Vertical Magazine”. verticalmag.com. 2015年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月4日閲覧。
- ^ “Chapter 6. Visual aids for denoting obstacles”. Annex 14 Volume I Aerodrome design and operations. International Civil Aviation Organization. pp. 6-3, 6-4, 6-5 (2004年11月25日). 2011年6月1日閲覧。 “6.2.8 ... spherical ... diameter of not less than 60 cm. ... 6.2.10 ... should be of one colour. ... Figure 6-2 ... 6.3.13”
- ^ American Society of Civil Engineers Design of latticed steel transmission structures ASCE Standard 10-97, 2000, ISBN 0-7844-0324-4, section C2.3
- ^ “Concluída primeira torre da linha entre Manaus e Macapá”. 2015年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月2日閲覧。
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