祖母と孫の会話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 20:13 UTC 版)
七夕の前日。おばあさん(A)と小学校の孫(B)の会話。あとで嫁(C)が加わる(出典:)。 共通語訳 B(孫):おばあちゃん、明日は七夕だよ。 A(祖母):ああ、そうだったね。それじゃ、明日は芋の露を取ったりしなければならないが、おまえ、早く起きられるかね。 B(孫):うん、起きられるよ。だけどどうして、わざわざ芋の露なんか使って来ただろう。水道の水だっていいじゃないの。 A(祖母):いいや、七夕様へはな、昔から芋の露で字を書いてあげるということに決まっているんだよ。 B(孫):ねえ、短冊買いに行って来てもいいでしょう。 A(祖母):ああ、行っておいで。 C(嫁):-次の間から-おばあちゃん、お茶が入ったから、飲みにいらっしゃい。 A(祖母):ああ、そうかい。それでは飲みに行こう。 辰野町小野(1975年収録) B(孫):おばーちゃん、あしたー たなばたさまだじ。 A(祖母):おー、そーだったいなー。ほいじゃー、あしたー いもの つよー とったり しにゃー ならねーか°、おめー はやく おきえるかなー。 B(孫):んー、おきれるよ。だけーど なんだって やくやく いもの つゆなんか つかって きたずら。すいどーの みずだって いーじゃんかい。 A(祖母):いんにゃ、たなばたさめーわなー、むかしっから いもの つよで じを けーて しんぜるっちゅー ことに きまってるだよ。 B(孫):ねー、たんじゃく かえー いってきても いーずらい。 A(祖母):おー、いって こらっし。 C(嫁):おばーちゃん、おちゃか° へーったで のめー きましょや。 A(祖母):おー、そーかい。ほいじゃー のめー いかずい。 伊那市長谷溝口(1975年収録) B(孫):おばーちゃん、あしたー たなばっさまだぞえ。 A(祖母):おー、そーだったなー。そいじゃー、あしたー いもの つよー とったり しねーけりゃー ならねーか°、おめー はやく おきいぇるかえ。 B(孫):んー、おきれるよ。だけーど なんだって わざわざ いもの つゆなんか つかって きたずら。すいどーの みずだって いーじゃんかい。 A(祖母):いんにゃ、たなばっさめーわな、むかしっから いもの つよで じを けーて しんぜるっちゅー ことに きまってらーやれ。 B(孫):なえ、たんじゃく かえー いってきて いーらえ。 A(祖母):おー、いって こいよ。 C(嫁):おばーちゃん、おちゃー へーったで のめー おいでやれ。 A(祖母):おー、そーかえ。そいじゃー のめー いかずい。 伊那市富県(1975年収録) B(孫):おばーちゃん、あしたー たなばただよ。 A(祖母):おー、そーだったなー。ほいじゃー、あしたー いもの つよー とったり しにゃー ならんか°、おめー はいく おきえーるかえ。 B(孫):んー、おきれるよ。そいだけーど なんだって わざわざ いもの つゆなんか つかって きたんずら。すいどーの みずだって いーじゃん。 A(祖母):いんにゃ、たなばたさめーわな、むかしっから いもの つよで じを けーて しんぜるっちゅー ことに きまってるだぜ。 B(孫):ねー、たんざく かいー いってきても いーら。 A(祖母):あー、いっといで。 C(嫁):おばーちゃん、おちゃー へーったで のめー おいでやれ。 A(祖母):あー、そーかえ。ほいじゃー のめー いかず。 中川村葛島(1975年収録) B(孫):おばーちゃん、あしたー たなばたさまだに。 A(祖母):んー、そーだったなー。そいじゃー、あしたー いもの つよー とったり せにゃー ならんけーど、おめー はやく おきれるかや。 B(孫):んー、おきれるに。だけーど なんだって わざわざ いもの つゆなに つかって きたんずら。すいどーの みずだって いーんじゃー ねーのかな。 A(祖母):いんにゃ、たなばたさめーわな、むかしっから いもの つよで じを けーて あげるっちゅー こんに きまっとるんな。 B(孫):なむ、たんざく かえー いってきても いーら。 A(祖母):んー、いっといな。 C(嫁):おばーま、おちゃー へーったで のめー おいなんしょ。 A(祖母):あー、そーけー。そいじゃー のめー いかずか。
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